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なぜそこまで嫌われる?柔整師が考えるべき医師に認められるという事

私の交通事故勉強会で共通して申し上げているのは、損害賠償でもある交通事故の取扱においては、医接連携をしないと、最終的に困るのは患者さん・・・と言うことは10年以上前から申し上げていました。

健康保険や労災保険を使った治療・施術と圧倒的に違うのは、損害賠償。
(労災保険において、第3者行為にいける受傷も対応する事もあるのですが、今回は割愛します)

損害賠償も絡む、治療・施術において最も厄介かつ、煩雑と思われることは「なぜその治療施術が必要であったかを証明しなくてはならない」ということです。

これについては、自賠責保険の根幹となる自動車損害賠償保障法の大元となる「民法709条」に「相当因果の立証責任」があり、この責任は請求者である、患者さんにあります。

当然ながら、患者さんには医療的な知識はなく、書面での立証を行うには「診断権を持った医師」の存在が絶対になります。

いわゆる治療家がこの時点で弱いのは、診断権を持っていないために「因果相当の立証」力が弱いということです。

様々なところで頻回にご案内している、診断権がない為に、柔道整復師が自分勝手な施術判断を行って高額な費用を裁判で持って請求し、もつれて、保険会社からの反撃にあい大阪高裁でケチョンケチョンな・・・
いや、当然ながらような判決内容を紹介していますが・・・

そちらも、医師の診断をすっ飛ばしたような対応が原因でした。

一部のベテランの治療家の中でも
「いや、免許を持った治療家だって、自賠責保険の規定の中において請求できると書いてあるから、何も問題は無いのだ!」
と主張される方はいらっしゃいますけれども・・・

保険の規定の中で「請求することはできる」とは書かれていますが「請求に対して必ず払われる」などとは決して書いていません

ある意味、本来であれば診断が全てにおいてなされて、施術の指示がされていなくては、相当因果の立証がされているとは言い難いが、診断権ではなく「施術の証明をすることができるので、みなしとされている」と、私は解釈しています。

そう、あくまで「みなし」なので、医師の診断があり、施術の了承が取れているのか?であればあったことに越した事はありません。

しかしながら、個人の差はあれど、柔道整復師が嫌いな医師の方は存在します。

個人的に湧き上がる感情を、否定したり操作することはできませんが、今からでもできる事は「何で嫌われてるかを知る」ということかと思われます。

その上で、自分の職務上において必要である場合は、嫌われずに認められるにはどうしたら良いか?を思案すれば良いことだと私は考えています。

今回は断定的ではありませんけれども、少し頭の整理的に、なぜ嫌われているかを把握している事は悪いことではないので、少し議案としてあげてみたいと思います。

①免許の問題で嫌われていると思われる点

②社会人として嫌われていると思われる点

③人として嫌われると思われる点

④そもそも踏まえておくべき事は

以上の4点でまいります。
あくまで、絶対ではないので参考になさってみて下さいね。


①免許の問題で嫌われていると思われる点

今回の内容においては、匿名性が使えて、比較的簡単に投稿ができる「X(旧Twitter)」でのホンネ投稿を垣間見ることができやすいです。

それだけでは足りないので、私の懇意にしているドクターなどからも、世間話的にお話を伺って少しまとめてみました。

多くの方で共通しているのは、圧倒的な勉強量の差によるもの。

ご存知の方も多いと思いますが、医師の場合は大学医学部に入学し、6年間の課程のあと国家試験を合格し、その後最低でも2年間の研修医制度を経て行かなくてはなりません。

それに比べて、柔道整復師を見てみても、3年以上の専門学校での課程を終了し、国家試験を合格した時点で先生となることが出来てしまいます。

医師の場合、医局に所属しながら、関連する仕事をこなしつつも、学会等の準備も行わなくてはならず、単なる発表ではなく論文においては、様々なところから査読をしていただいた上でのチェックの後に発表できて・・・その後もさらに隙あればツッコミが入ると言った、学問としての切磋琢磨を嫌がおうにもしなくてはなりません。

それに対して、治療家だけの世界で修行している場合、医療学の切磋琢磨としては、間違いなく環境は易しいものになります。

それでいながら、同じ人様の体を扱う仕事として「同等なわけねーだろ!」と言う本音が出来上がっても仕方がないと私は考えます。

・あいつらがやってるのは医療ではない
・レントゲンもできないのに、どうやって判断をするんだ

そういった免許上の差が「なんで健康保険を使うことが許されるのだ」といった発展した理論にもつながっていきます。

療養の給付と、療養費の扱いは違いますが、制度として認められていることを、免許の差の事から否定されるのは、確かにちょっとは違うと思います。

あくまで個人的に認めたくないから「健康保険が使えるのがおかしい」と言う発言に、至ってしまっているのではないかと言うことになってしまいます。

こういった負の感情の連鎖は恐ろしいもので、全てにおいて負がかかった見方が付きまといます。

そこからもう少し根本的なことに目を向けていくと、あまり取り立たされていませんが「柔道整復師のやっている事はよくわからない。」と言うのもあります。

整形外科以外のドクターとも会話をするのですが
・柔道、整復師の方って、実際にどんな仕事範囲なのかよくわからない
・厚生労働省からの免許であるのだろうが、どこまでの範囲かもわからない

そして、意外なことに
・どうしてあそこまで、整形外科の先生は柔道整復師を嫌うのであろう?
と言う会話も私は立ち会ったことがあります。

そう、これは医師と柔道整復師の間のことに限ってのことではありませんが、人間と言うものは・・・


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