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保険会社からの「患者紹介」の時における注意してほしいこと


なんやかんや言っても、交通事故患者が訪院するのは自由診療領域でもあるので、制約がお役所的に多い公的保険の「健康保険」「労災保険」よりも単価が高く請求出来ることから、収益として語られることがあります。

基本的に、私のスタンスとして事故被害者に適当な対処しておきながら高単価をせしめる・・・は、本来の趣旨とは違うはずなので、そういった儲けとしてのスタンスは「ちょっと待ってね」という突っ込みが入りがちです。

ですが、するべき事をして、当然な対価を得るのは「儲け」というよりも「稼ぎ」ですので、それはすべきだと思います。
免許を取ったことにより、医療を通して地域貢献する事を職業とした以上、それは生業であって対価は当然ですから。

その対価と業務状況への乖離があったり、立場的に弱い交通事故被害者をダシにする・・・そんなケースを見てきているし、何よりも医療従事者当人がそのことを知らずに・・・そして知ろうともせずに、既得権益のごとく患者を踏み台にしている事への、警鐘をしているだけです。

そんな交通事故事案を、戦略的なビジネスとしての解説をする際に、出てくるのが「紹介」というキーワード。

この「紹介」というシステムは、多くの場面で医療関係のみならず、顧客を獲得するのに非常に大きな意味を持ちます。

「医療で顧客という言葉はそぐわない」という反論もあるかも知れませんが、対価を得るための存在として括っての説明とします。

反対に「ホスピタルにホスピタリティが無いのはこれいかに?」という言葉もありますが、これを議論し始めると「サービスとホスピタリティの違い」まで論じなくてはいけなくなってくるので、ちょっと微妙になってきますので回避しますね。

さて、集患という言葉で考えると、クチコミという評価の拡散は有意です。

そもそも医科にしても、接骨院にしても、どういった施設であって、どのような人物が対応するのか?を知りたいのは人間の性としてなんら不思議はありません。

たまに「そんなのは関係無い!来院すれば分かることなので、それでいいんだ!」という声も聞きますが、昨今の社会状況的には通用しなくなっています。

だから、開院時の見学会とかを開いて「ここの中はこんな感じです」「スタッフはこういった人たちです」というアピールでもって、来院時のハードルを下げるのですね。

ただ、見学会は開院時は出来ますが、開業後はそう言った事がなかなか出来ません。

なので、クチコミは先に知っている人間が、未経験の他者に「体験した」という事実でもってハードルを下げて来院を促す最善なツールでもあります。

しかしながら、コレは良い方にも悪い方にも効果が出るという側面を持つので注意は必要です。

さて、このクチコミも良い場合においてもっと深く効果を出すことがあり、それが「紹介」
・「あそこの院はいい先生だよ」というサジェスト
・「どこか良いところ知らない?」という回答

での紹介があり、どちらも院と通院希望者を介する人間がいることで、良好な通院動機になります。

しかしながら・・・こと交通事故ではちょっと事情が変わって来る場合があります。

今回は
①新規患者の多くの実態は?

②保険会社からの患者の紹介?それらはどういったケースが考えられるのか?

③ネガティブな交通事故患者を紹介されない為への、今日からでも出来る事

でお送りします。


①新規患者の多くの実態は?

私が交通事故勉強会を始めだした頃、全国で異常な交通事故集患ビジネスが、あちことで展開されていました。
中にはNPOとして立ったり、一般社団法人としてだったり。

一部の弁護士で構成されるような団体からも、交通事故の患者紹介のスキームがあって「よくまぁ、考えるな」と思っていました。

そう思うのは、実態をきちんと考えれば分かりそうでもあるし、実際の声を聞いたら現実問題として、そういった組織からの患者紹介というのは限界があるのです。

私は勉強会における交流の場の度に、確認を行っていました。
「お越しになる交通事故の患者さん・・・統計は取っていなくても、なんとなくでもいいですがどういった経緯で来院されているか?」

この問いに対しては・・・


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FBページから始まった「半ばブラックボックス化された交通事故対応方法」の医療従事者向け勉強会。 ・勉強会に足を運ぶことが、なかなか叶わない…

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