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対岸の火事と思うべきではない!無資格者による医業類似行為による被害報告から考えるべき事

先日SNS上で、とある投稿が話題になりました。

その内容は有名なジムでパーソナルトレーニングを受けていたけれども、そこで「本気で体を変えたいのであるならばコンディショニングを週最低2回やりなさい」というサジェストから90分3万円でカッピング・灸・マッサージガンによるマッサージなどの手術を受けていたとのこと。

ですが、日に日に湧いてくる疑問から、自分自身の体の状態を投稿し「これって普通のことなんですか?」という内容を投稿されたことから、大きく波及し騒然とさせたものです。


私もほかの多くの医療従事者がリポストでコメントをあげているのを見てました。
コメントだけは最初は分からなかったのですが、添付された写真を見て唖然としました。

カッピングとも称される事のある吸い玉・・・この効果に関しての医学的論文など・・・は今回は置いておいた話とします。

正直私は柔道整復師の免許だけなので吸い玉を扱いませんので「?吸い玉ってこんな跡になるんだっけ?」と最初分からなかったですけれども、投稿が進んでいくとマッサージクリームを塗った上でカッピングをしてそれをスライドさせていた・・・

そして前段のお灸にしても独学であると・・・つまりは免許を持ってない人間が行ったことになります。


なにやらSNS界隈では無資格者がとありますが・・・正確には無免許者になります。
資格と免許では意味合いが大きく変わってきます。

簡単に言えば免許というものは、許された人しかやっちゃいけないという意味を含みます。

今回の投稿を見てもわかるようにあからさまに皮下出血を広範囲にさせています。
これ・・・警察が動いた場合傷害罪になる可能性は高いです。

本来であれば、このように他人の体に対して危害を加える可能性があるから、免許を持っている人間しかやってはいけない。

私だってお灸や鍼は、お他人様に絶対にやりません。
対価を得るかどうかの問題では無いのです。

免許の他にも業務独占という考え方もあるので、針を打ったりお灸をすることができるのは「医師」と「鍼灸師」のみです。

現在はどのようなことになったか、最終的な経緯は存じませんが、途中で行った本人がこの投稿を把握し、自分の罪の軽減のためか投稿者に対してアクセスを求めているようです。





求めることは、多分投稿の取り下げと許してほしい・・・ということかと思いますが・・・


多くの、投稿を拝見した人たちは警察に行くことや、本来のパーソナルトレーナーの仕事ではないことなどを挙げ「施術した本人許すまじ」という方向性になっていました。
ただ、私も許すまじの立場ではあるのですが、単純に感情に流されて紹介するわけではありません。

投稿者にとっては災難ではありましたけれども、今回はこの記事から見えてくることを確認して、医療従事者や治療家も踏まえるべき事を整理してみたいと思います。

①そもそもなぜこのような行為が平気で行えるのか?
②これによる罪などを整理してみる
③そもそもなぜ投稿者はすぐに逃げ出さなかったのか?
④自費や自由診療を行うときに注意すべき事を整理してみる

以上の四点で展開していきたいと思います。

①そもそもなぜこのような行為が平気で行えるのか?

国が指定している勉強し試験を通って免許を取得している人間から免許を取得している人間から、とんでもないこと思います。

こういったことは氷山の一角で、日常業務においてもそういったことを平気でする人間を、多々目にすると思います。

憤りも感じることではあると思いますが、ここは冷静に・・・何故平気で出来るのか?を分析して行くと、おおむね3つが考えられます。

1・責任というものの概念が薄い
→人間社会に出ていれば・・・いや、子供の頃から多少なりとも、日常生活や職務において責任というものから逃げることができないことは嫌がおうにも経験しているものです。

しかしながら、世の中には人間としてどこか満たされるところが足りなく、責任を負うという概念が薄い人は存在します。
その経緯は千差万別ではあると思いますけれども、そもそもの発達上の問題があったり、育ってきた環境によったりします。

自分の範囲は自分でできるだけ責任をもって対応する・・・幼少の頃から日本では「自分のことは自分でやる」という教育を目の当たりにしたことは多いと思います。

これは自分自身が責任を負って、自分の範疇を完結させるという訓練になるわけです。

今は新しい世代の方々を、Z世代などと表現することありますが、昔から少しずつ増加してきた、親が過干渉して自己解決の能力を磨く機会を失っていることから、同時に無責任とも取れるようなケースは目の当たりにすることもあります。

結局のところそういった育成期間において、責任を取ることを習慣化してない方の行った無責任な行為によって、被害をこうむるというケースもなくはありません。

先天的含め、精神科領域においても責任という概念が希薄な障害はありますが、多少なりとも、社会生活において修得することにより、責任を取ることを学んで自分のものにすることはできるはずなんですけれどもね・・・


2・人の痛みが分からないし想像できない
→こういった人は少なからず一定人数が世の中には存在します。

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