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野郎の尾道水道めぐり(尾道駅より東へ)

デートスポットの海岸通りを、彼女のいないオッサンが独りで歩きます✊


 前編からの続きです。

巨木のようにそびえ立っています

 駅前渡船に乗ってすぐに、大きなクレーンが目に入ってきます。
(今回は乗っていませんが・・・😐)
 JFE商事造船加工㈱さんの120tクレーンです。

120tクレーンと水切り用の門形クレーン

 もともと日立造船西工場があったのですが、これも紆余曲折あって造船業から撤退し、こちらも今では船のブロック製作などを行っています。
 上の写真にも、製作途上のファンネル(煙突)などが見えます。
 こちらの120tクレーン、見る人が見ればすぐに住友製と分かります。

それでなくとも、”Sumitomo”って書いてますからね😐

 2019年に据え付けられて、まだ5年です。
 その前は日立製のクレーンでしたが、住友製に置き換わっています。
 すでに日立造船ではないですし、日立がこんな大きなクレーンを造っていないので、最初から選択肢が限られていることでしょう。
 新しいクレーンの据え付けは、割合に時間が掛かります。
 だいたい3~4週間くらいでしょうか。
 しかし、このクレーンはもっと時間が掛かっていた記憶があります。
 なにしろ駅前なので、その光景をよく眺めていたものです。
(ついでに写真も撮っておけば良かった・・・)

 もう少し海岸通りを歩くと、また渡船に遭遇します。
 兼吉渡船さんですね。実際正式な言い方はよく分かりませんが(;´Д`)

ちなみに、私がいつも行く美容院のオーナーのおやっさんがスタッフとして乗ってはります😀

 なんか、右端にアレですな・・・😐

”ろ”

 たった一言。
 『ろ』と書いた看板。
 「瀬尾ろ工作所」さんです。
 ”ろ”は漢字で『艪』or『櫓』と書きます。
 人力でフネを前進させるための道具です。
 「オールのようなもの」と言いたいのですが、全く違います。
 オールは日本語では櫂(かい)といって、艪とは別物です。
 ただ、エラそうに言ってますが、それぞれ何がどう異なるか具体的に説明できません(;゚ロ゚)
 専門家じゃないので😆(開き直りですな😒)
 いまでは、日本で唯一、手彫りで艪を製作しているところだそうです。
 ただ、こちらも詳細は分かりません。
 昔はこんな職人さんが全国にたくさん居たのでしょうが、人力で動かすフネそのものがほとんど消えてしまっていますから、そうなるのも道理でしょう。でも、寂しい気がします・・・。

これはクレーンじゃない。デリックや。

 もう少し東に向かって歩いて行きます。
 市役所が目に入ってきますが、レトロなクレーンらしきものが・・・。
 そう、クレーンではありません(´д`)

クレーンではありません。こんなシンプルな構造でモノを荷下ろししていたんですね。
手前のガラス張りの小屋で操作していました。
ちなみに、公衆電話室となっていますが、既に撤去されて使用できません。

 クレーンではなく、”デリック”と呼ばれるものです。
 モノを上げ下ろしする用途は同じですが、構造は全く別物です。
 ちなみに、私は仕事柄『クレーン・デリック運転士免許』を持っていますが、クレーン限定の条件付きです(AT限定免許みたいですね・・・)。
 なので、このデリックは運転できません。
(ちなみに、このデリックは今ではオブジェになっています)
 そもそも、今ではデリック自体がほとんど無いため、クレーン限定で全く不自由しませんので、こちらを持っている方がほとんどです。

昔ここに市役所があった。せや。

デリックのすぐ横に広い駐車場があります。

エエ眺めやな😀

 この駐車場に昔市役所が建っていました。
 なら、今の市役所はというと・・・、

屋上の展望台にも上がれます。

 その横、昔公会堂があった敷地に建っています。
 市庁舎建て替えにあたっては、いろんな反対運動があったりしました。
 それについては触れませんが、そういう経緯をへて、今では尾道の新たな観光スポットの一つになっています。
 その市役所の正面、尾道水道を挟んだ向島側がこんな感じです。

いろんな造船所が軒を連ねています。

 タグボートなどの小さいフネを専門に扱う小さい造船所が並んでいます。
 中でも・・・、

木曽造船さん
右の大きなクレーンはIUK製ですが、おそらく元は建設用のクレーンではないでしょうか?

 木曽造船さんは、海上保安庁の巡視艇などを建造する実績をもっています。
 こうして、小さいながらも実績のある造船所が何軒もあるのが、尾道水道なのです😄

『カナデビア』?・・・ナンデスカ??

 市役所から尾道大橋に向かって目を向けると、さらにもう一つ大きな工場が目に入ります。

日立造船向島工場

 日立造船向島工場さんです。
 日立造船株式会社。
 意外かもしれませんが、”造船”と冠しているのに、フネを造っていません。今では橋梁(きょうりょう)などの製作を主にしています。
 もちろん、昔は文字通り、正真正銘の造船所でした。
 こちらも2002年に造船事業を手放しています。
 さらにもう一つ言うと、2006年には子会社の内海造船さんの株式も手放し、正真正銘、直接的に造船事業と関わりが無い会社になっています。
(船舶用の機器を事業分野に入れているので、全くフネに関係ないわけでは・・・)
 ついでに言います。
 ”日立”と付いていますが、これも、あのハイパーミラクル有名な、あの日立とは関係がありません(´д`)
 これも昔は日立製作所の傘下にあったので、この商号が付いているだけでなんですね。
 そうそう・・、あの大阪のUFJ。
 ・・・😒
 ちゃうちゃう、USJや。
 あの敷地は元々、日立造船桜島工場で、日本を代表する大造船所の一つだったのです。

唐突に『氷川丸』
彼女の同型船『平安丸』は、当時の大阪鐵工所桜島工場で建造されたんですよ😀
ちなみに、日本初の鋼船・タンカーも同社で建造されています。

 こちらの向島工場は、尾道大橋の向こうにも敷地が続いています。
 そこまでは今回行かなかったので、またにしましょう。
 そうそう、余談が過ぎました・・・。
 『日立造船』と名乗りながら、今やっている事業とカスってもいない上に、かの日立サンとも全く関わりが無いという、パネェくらいのブッ飛びぶりで、創業者のエドワード・H・ハンターも流石に少しは驚くことでしょう😐
 そんなこんなで、今年2024年10月付けで『カナデビア㈱』に社名を変更することになっています。
 でも・・・、経緯は分かりますが、地元大阪にいた頃から誰もが知っている、あの名前が消えて無くなるのは、やっぱり寂しいですね(/_;)

ふり返り

 尾道駅から市役所まで、のんびり歩いて30分もかかりません。
 なので、散歩コースとしてはちょうど良い距離です。
 日中であれば、海岸通り・商店街に多くのお店が並んでいるので、そこでテイクアウトしながら食べ歩きするのも一興でしょう😄
 尾道は、街並みやグルメといった観光だけではない、違った一面も持ち合わせていることに目を向けてもらえたら嬉しいです。

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