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私が最強、と願うべきらしい


謙虚さは美徳ではないのかも? と感じた話

小学生の娘がずっとダンスを習っています。名目としては「ヒップホップ」ですが、担当する先生によって内容は少しずつ違う印象。

若い女性の先生が多く、「東京に行ってさらにダンスを学びたい」などの理由から退職されたりと、色々あって3人目の先生についています。

今の先生は30代からダンスを始め、楽し過ぎてハマりすぎて講師としてデビューしたやる気いっぱいの女性(子持ち)。

もうすぐ発表会、追い込み中

まもなく年に2回の大舞台である発表会を迎えます。この日のために数ヶ月かけて振り付けを覚え、練習を重ねてきました。

チームのメンバーは全員女子。

先日、発表するダンスを通して踊った後、先生が子どもたちを集めて言いました。

先生「はい、目を瞑って! 今踊ったダンスで、私が一番輝いてたって思う人は手をあげて」

子どもたち「シーン」

先生「じゃあ、二番目くらいかなって思う人!」

子どもたち「シーン」

先生「うーん、じゃあ三番目かな?」

子どもたちの数人が少し手を挙げる。

先生「残念ながら、一番下手だなって思う人は?」

10人以上の集団の中で誰がどう見ても一番うまい女の子(我が子ではない)が、おずおずと手を挙げました。あなたはどう見ても立ち位置がセンターだよ!と心の中で突っ込んだ大人は私だけではないはず。

「私が一番、をテーマに」

そこで、先生が彼女たちに伝えたメッセージが印象的でした。

「みんなは私の教え子の中で一番大和撫子タイプだね。遠慮しちゃうし、他の人をたてる。でもね、ダンスは個人でやるものだけと、一人ひとりが自分が一番可愛い、一番うまいって思うことが大事なの。私が一番だって思いながら踊ると、集団になった時にもっと輝けるの。できるだけその思いを持ってください」

これは、全分野に生かされるメッセージだなと感慨深く聞きました。

集団で動く時、うっかり自分ごとじゃないと感じた瞬間から、関わっている業務の質は落ちていきます。

「これはあの人がやるだろうし」
「これは向こうの誰かが」

いやいやいや。自分ごとが大事。だからって全部を自分でやれというわけではないし、無駄な手間をなくすために役割分担もするのだけど。

→しかし最近、知人が短期派遣的なスタンスで公の施設で働いていたら、新卒でずっと働いている若手ホープから「この仕事は頭を使うからあなたには無理です」と言われたという負の「俺が一番」に出会ったエピソードを聞いたばかりです。間違えると大変!

いい意味で、「私が最強」を貫けるといいなと思った瞬間でした。

自分が一番=自分ごとの認識が増す

「私がこの中で一番」と思うことは、私が頑張ることでもっと作品や仕事が良くなると信じながら動くことにつながります。

そうなると、時計の針を見て「早く時間が過ぎないかな」と思う可能性は下がるし。
来週までにもっと練習しようと思うだろうし。
※実際、先生が「笑顔で楽しそうに踊る方が上手く見える」「自分が可愛いと思って」と精神論を出し始めてから、娘は毎日音源を聴いて真面目に練習するようになりました(今まで全然しなかった)。こういう指摘って大事だなーと。

「自分が一番」と捉えて動くことを、私は「自分ごととして捉える」と表現しました。

フリーランスが集まる現場仕事で、カメラマンさんが「自分が一番写真がうまいと思って挑んでる」とおっしゃった時、それ、大事だなと思いました。「いやいや俺なんて」のスタンスで撮る写真と、「一番うまい俺」が撮る写真、きっと仕上がりに違いが出るでしょう。

また、一人でお店を切り盛りされている方のSNSを拝見していて、「弟子が独立します。嬉しいけれども大変です。将来独り立ちを考えている方で、修業をされたい方、ぜひ一緒に働きましょう」とメッセージを書かれているのを見ました。

将来独立するつもりで、「すべてを自分ごと」として捉えるくらいの人ではないと、少数精鋭で店を回せないのだろうと感じます。バイト代の範囲で頑張るのと、いつか独立する目線で動くのとでは、おそらく感覚が変わってくるからです。

だから、いつも、自分ごと目線を持って動きたい。

この姿勢、「選挙に行って国の運営に興味を持つ」「PTAの話し合いで率先して立候補して学校運営に興味を持つ」「仕事のチーム会議で発言する」などすべてにおいて言えることになってきます。が、でも不得意なことを無理して頑張る必要もないと思う一面も。

無理して発言するとか、無理して仕切るとかではなくて。「自分が一員だ」という気持ちを持って、私が私の役割を全うして、そんな私が一番すごいと思う姿勢で挑む。

「自分らしく頑張りながら、自分の魅力を伸ばせる自分がすごい」

そんなスタンスで生きたいと願う、今日このごろ。





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