ペルソナ3リロードを遊んでみた話

先日発売されたペルソナ3リロードを遊んでみたのでその感想をつづりたいと思う。

結構な数のRPGを遊んできた私だったが、実のところアトラスのゲームとはほとんど縁がなかった。先日遊んだばかりのPS版真・女神転生を遊ぶまで、私が遊んだことのあるアトラスのゲームといえば「ダウンタウン熱血行進曲」のGBA版が最初で最後だったのだ。
このゲームもオリジナルはテクノスジャパンが発売したFCのくにおくんシリーズなので、本当の意味でアトラスオリジナルのゲームというのは本当に縁が無かったのだ。

そんな中昨年の12月頃にふと思いつき遊んだのがPS版の真・女神転生。非常に独特な世界観を持ったゲームで「なんなんだこの宗教色が妙に強いシナリオは・・・」と思いながら、初見でエキスパートモードを選択し、ニュートラルルートで無事クリアするに至った。癖のある3Dマップに、非常に強い感電などの状態異常や、前触れもなく訪れる物理反射による自死など、簡単なのか難しいのかよくわからない難易度だったが、世界各国の神話をある程度学んでいる私にとっては世界各国の神様が登場する悪魔合体の要素など満喫できたのだった。

そして今回はP3Rでペルソナシリーズに初めて触れることにした。

いや、正確にはペルソナ4ジ・アルティマックスウルトラスープレックスホールドという格闘ゲームを遊んでいたため、3のキャラは事前に一部知っていた(むしろ美鶴、コロマル、天田についてはトラウマになっていた)のだが、P4Uで見る各キャラはどうも3の時とはだいぶ印象が違うようだという話を聞いていたので、それならと思いP3Rをスタートさせた。

1.おおまかな概要

主人公は高校2年生、転校生として月光館学園に編入される。その当日に夜時間と呼ばれる不思議な世界を体験する。間もなくシャドウと呼ばれる怪物に襲われ、主人公はペルソナの力を覚醒、現実とは違うもう一つの世界を知ることになる。

といった感じでストーリーがスタート、このゲームは大きく2つの軸に分かれ、日中は学園生活を過ごしいろんな境遇のキャラと親睦を深めるコミュニティパート、夜はシャドウ討伐、謎の施設タルタロスの探索、そして新月に襲い来る大アルカナをモチーフにしたボスとの戦闘といういわばRPGパートに分かれ、日々を過ごしていく。
4月にスタートし、1月末までの10か月間の間に、主人公のステータスを磨くことはもちろん、大アルカナにちなんだ22のコミュニティを進めていき、強力なペルソナの開放を進めて戦闘面での強化を図る。そして夜にはコミュニティとは別軸で仲間たちとの交流を深めたり、ダンジョンを攻略し、ストーリーをひも解いていくわけだ。

2..バトルのシステムやダンジョンについてあれこれ感じたところ

ゲームシステムとしてはいたってオーソドックスなコマンド選択式のRPGといったところだが、独自のシステムとしては「ワンモア」がやはり目立つだろう。相手の弱点属性を突いたりクリティカル攻撃が発生すると、もう一度行動できるというというダメージをとりつつもさらに上乗せできるシステムだ。このシンプルなシステムだが、戦闘にとんでもない緊張感をもたらすものである。 

「ワンモア」は敵味方関係なく発動するため、敵がこちらの弱点を突いても発生するわけだが、下手に複数回ワンモアされてしまうと一発で全滅の危険性が伴うものになっており、ボス敵ほど的確に弱点を選んでくることもあって、非常に気が抜けない。メガテンシリーズではおなじみだが、このゲームは主人公が倒れた時点で全滅扱いになるため、唐突に即死魔法にあたって終わりなんてことも往々にしてある。

なんとも怖い「ワンモア」ではあるが、こちらがうまく利用できればかなり爽快感のあるシステムだ。本作の主人公は複数のペルソナと呼ばれる式神やスタンドのような力を持っており、その構成次第ではあらゆる属性に対して弱点を突くことができるためこのワンモアを利用しやすいようになっている。相手の行動も制限することが可能なので、このワンモアをどれだけうまく使いこなせるかがペルソナ3をうまく遊ぶためのコツといってもいいだろう。
そして相手シャドウ全員の弱点を1ターンの間に突くことができればご褒美として全体に特殊演出攻撃である「ボコスカアタック」を仕掛け追加でダメージを取ることもできる。

P4Uを遊んでいた私にとってはこの「ワンモア」と「ボコスカアタック」は懐かしく、「おおっ!これがあの!」と思ったものだ。原作のPS2版を遊んでいた友人たち曰く当時は仲間たちに行動の指示が出せないDQ4式のAI戦闘だったらしく、思うようにいかない戦闘にやきもきしたそうだが、P3Rになって全員に指示を出すことができるようになり、その辺のストレスは大幅に減少したと言っていいだろう。

そんな楽しい楽しい「ワンモア」だったのだが、終盤に進むにつれて敵の弱点がどんどん少なくなっていき、敵によっては耐性だけ持っているような相手もどんどん増えてワンモアのリスクがこちらにのみ降りかかるケースもしばしばみられるようになるのがちとつらかったところ。こういった形で敵が強くなることを感じる演出といえばそうだが、システムである以上こちらも利用したいので、もうちょっと漬け込む隙が欲しかったという面はある。

その他では敵のバリエーションが少ない点が少し気になった。同じモデルの色違いの敵が高頻度で登場するために弱点を勘違いしやすいというのもあるが、敵の強さを見誤りやすい作りなので、もう少し敵グラにバリエーションがあったほうが良かったのだろうと思う。あとはタルタロスの単調さがやはり少ししんどさを感じてしまう。計270階弱の超高層のダンジョンではあるものの、自動生成されるダンジョンの風景は50階に一度ぐらいでしか変化が無く、遊んでいる間は終わりもわからないため、いつまで続くんだ・・・というちょっとうんざりした感は否めなかったのだ。もう少しダンジョンに幅が欲しかった。

ペルソナの育成などについては、真女神転生にもあった悪魔合体と似たような形でペルソナの合体を行うことができたため、非常にとっつきやすかった。しかも今回はスキルの引継ぎができるということで、より自分好みの構成のペルソナを作れる自由度もあったし、なにより結構な数のペルソナのビジュアルは、真女神転生でも登場した悪魔と同様のデザインのままで旧作ファンにもうれしい仕様となっていた。
一部の強いペルソナはコミュニティパートをこなさないと作成することができない仕様のため、今回3人ほどコミュニティをMAXに出来なかった私は残念ながら一部最強種のペルソナの作成ができなかった。非常に心残りである。

3.コミュニティ部分について

 ではもう一方のコミュニティ部分についての感想だ。クリアしてみて感じたのは、このゲームは周回プレイ前提だったんだなということ。初プレイでは何月何日までゲームが続くのかわからないため、コミュニティに割く時間やイベントに割く時間、主人公の魅力や学力を育てる時間に割く時間などの配分が難しく1周では満足いく形で遊びきれなかったのは心残り。対応コミュニティが23人分と結構な数存在していたことに加え、夜時間に好感度を上げることができるアイテムの存在に気付いたのがゲーム終盤だったため、なおのこと効率が悪い遊び方になっていたようだ。3名コミュMAXを逃してしまったのがくやしい。登場人物につていは同級生、部活の友達、生徒会の仲間などありふれた高校生の関係から、通販番組の社長や僧侶や兵器など結構個性的な面々が多く、彼らと何が起きると信頼関係が結べるのか、斜め上の展開もあり飽きさせない作りになっていた。

  あまりネタバレになるのもよくないと思うのでストーリーについて深くは触れないが、伏線をしっかり敷いて、うまく回収しているなという印象を受けた。各キャラの境遇を考えると、全体的に暗めのストーリーになるのは仕方ないものの、遊んでいるうちにどんどん主人公に愛着がわいてくる中でのあのエンディングは、非常に心に刺さるものであったが、もうちょっと救いがあってもいいとは思うものの曖昧にぼかすよりも明確な形で閉じるあの終わり方でよかったのかもしれない。ただ、エンディング後の世界のことはあまり考えたくないなというのは私だけが感じた思いではないだろう。

4.総合的な感想として

非常に遊びやすく、ペルソナ入門として楽しめるゲームだったと思う。シナリオの評判がいい理由も納得。PS2版開発時のアトラスの苦境もちらほら垣間見える部分もあったが、非常にまとまった作品だったのではないだろうか。このシリーズ手を出してみて正解だったなと思わせてくれた、今度はP4Gを遊んでみようと思う。

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