さっき起きたちょっとしたホラーなこと
この話は90%の事実と10%のフィクションです。
私の日課は散歩だ、毎日1万歩を目標に近所を歩いている。
しかし近所の景色も見飽きてきたので、土曜日ということもあり少し足を伸ばして三重県津市の港町、白塚町で散歩をすることにした。
16時頃から歩き始め、大体1時間が経過。おおよそ8000歩ほど歩いたところで車を停めた場所まで折り返すことにする。
17時を回ると日が落ち始め辺りが暗くなってくる、俗に言う逢魔が時というやつだ。その帰りの道すがら、近鉄白塚駅の踏切を通過するために、電車が通るのを待っていた。
この白塚駅は電車の車庫があり、普通電車の上り下りの終着と始発駅であるため、3本の線路は常に忙しく電車が行き来する。
駅のすぐ横にある歩行者専用の長く幅の広い踏切が開くのを長々を待っていると、スッと横に自転車を押した上下黒い出立ちの70歳ぐらいの老婆が私の横に立ち止まった。
すると老婆が私に
「ここの踏切ってね、たくさんの人が亡くなっているの」
といきなり声をかけてきた。
いきなり話しかけられたこととその話の内容に面食らった私は「は…はぁ」と返事を返すのが精一杯だった。
ちょうどその時電車が通過し、踏切が開く。
得体の知れない老婆に少し怖くなった私は踏切に踏み出した。
しかし踏切を渡るために待っていたはずの老婆は一歩も動かない。
どうしたんだろうと訝しみながら踏切を渡っていると、広い踏切の半分に差し掛かったあたりでまた遮断機が音を立てて降りてきたのだ。
あまりに早い電車の往来に、慌ててて走って踏切を渡り、振り返ると
そこにはもう老婆の姿はなかった。
という話なんですけども、冒頭の通り10%だけフィクションが混ざっています。
というのは最後の部分、老婆の姿はなかったの部分なんですが、実際は踏切を渡り切った後、老婆はまだ踏切の向こうに居ました。そして慌てて踏切を渡る僕を見て笑っていたんですね。
おそらく地元民の老婆はすぐ次の電車がくることを知っていたんでしょうね。
なんかハメられたようなモヤモヤとした気持ちが残る出来事でした。
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