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【お料理クラブというスタイル】

初めまして。私は「お料理クラブ パルタージュ」の主催、竹本ともこです。
一般社団法人ジャパンラボという団体の代表を務めています。

ジャパンラボは日本各地に眠る貴重な食材、珍しい食文化を再発見して、新たな用途をご提案したり、商品化をご提案することで、新たな魅力を世の中にご提案する、そんな事業を行っています。2014年の設立から、これまで北海道・長野県をはじめ行政の皆さんや、農家さんや食品加工業者さんなど、食に関わる皆様に支えられながらこれまで活動してまいりました。

この活動を行うなかで、いつも思うことがありました。
地方にはこんなに素敵で、美味しい食材がある。なのに消費者のみなさんの関心は、”食”そのものから少しづつ離れていっているということです。

その傾向は、とくに私たちと同じ働き盛り世代に顕著だと思います。
体力も気力もあるし、忙しいから食生活まで気にする余裕なんてない。そんな方も多い世代です。

でも、体を作るのはまぎれもなく”食事”。

”このままじゃいけない気はする。でも食事に気を遣いなさいと言われても、どうしていいか分からない。”

多く届けられるそんな声に、私たちは応えたいと思いました。

そこで考えたのが、”お料理クラブ”です。
一般的な”お料理教室”は、包丁の使い方、焼き方、盛りつけ方など「調理技術」を中心に学ぶ場です。でも技術の習得ににこだわりすぎると、”料理すること”そのものが難しく、億劫なものになってしまうのでは。だから私たちの”お料理クラブ”は、お料理教室ではなくて、美味しいものについて話し、語り合う会です。

眠っている”食べること”そのものへの関心を揺り起こして、明日への活力を取り戻してもらうことが目的です。

この料理クラブのテーマは、”リヨンの家庭料理”です。
当クラブの料理は、リヨンで実際に家庭やブーション(リヨン特有の家庭的なレストラン)で食べられる料理のレシピ。和食でもイタリアンでもなく、リヨンの家庭料理にこだわるのには、理由があります。

リヨンは、フランス南東部の都市。フランス第2の都市で、ローヌ川とソーヌ川の2本の川の間、肥沃な土地に栄えた街です。

この街を有名にしたものは、何を置いてもその豊かな食文化にあります。

フランス料理界の”教皇”と称えられたポール・ボキューズ氏もこの街で活躍した料理人です。またボジョレーヌーボーで有名なボジョレー地方、コート・ド・ローヌ、ブルゴーニュといった有名なワインの産地にも囲まれ、ブレス鶏など高級食材の産地にも恵まれたこの土地は、紛うことなきフランス随一の美食の街。

そんな土地だけに、ここに暮らす人たちの、日々の暮らしを美味しく彩る工夫と姿勢には学ぶところが多くあります。
私はリヨンに魅せられ、何年もの間この街に通い、料理と生活文化を肌で体感してきました。

クロワ・ルスの朝市
この街にあるのは、ただ単に”おいしいもの”ではありません。
食を通して季節を感じ、食材と食卓を囲み、食事と時間を”分け合う”。

この”分かち合い” – Partage - パルタージュ – の精神こそ、リヨンの食をこれほどまでに魅力的にしている。私はそう感じています。

リヨンの食卓には、純粋な食と暮らしの喜びがあります。

グラタンが大きな皿で焼き上がり、テーブルに上るときの歓声。

コトコトと時間をかけてスープを煮込む贅沢。

1本のパンを切り分けながら、同じ時間を分け合うこと。
目まぐるしさと利便性のなかに私たちが失いかけている、大事な人や仲間と同じテーブルを囲む時間の心地よさを、パルタージュは体感できる場所にしたいと思います。リヨンの食を通して私たちが伝えたいのは、”リヨン流の生活のアート”そのものです。

私たちの心と体を育む糧となる食材に触れ、味わうその時間が、日々の疑問や悩み、ひいては人生の大事な瞬間そのものを分かち合い、幸福が育まれる時間になりますように。

合い言葉は、”パルタージュしよう!”
皆様にお会いできるのを、楽しみにしています。


お料理クラブ  パルタージュ 主催 竹本ともこ 



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