見出し画像

【移住新築レポート】棟梁の一言で痛感した、上棟式の意味

 こんばんは。来年3月の南魚沼移住にむけて、新築している家がどんどん形になってきています。ついに骨格ができ、先週棟上げまでこぎつけました。基礎工事からは、ホントにあっちゅーまという感じ。今日は、先日実施した上棟式で感じたことをレポートします。

基礎工事完了から棟上げまでは、早い!

 7月に地鎮祭をして、夏場から9月中旬までは、家の土台をつくる基礎工事がつづいていました。基礎ができ足場が建った後は、一気に骨組みができました。そして、棟上げまでは一瞬の出来事でした。体感的には3日間で柱・梁・棟まで垂直立ち上げされた感覚です。

 骨格ができると、もうそれは家のカタチをしています。お腹の中の赤ちゃんパーツがクッキリすることで、人間ぽく見えるのと似ています。

上棟式=建前(たてまえ)とは?

 さて、今回実施した上棟式とはなんでしょうか?

 家の構造が建ち、屋台骨となる一番上の棟木を立てることを上棟といいます。もともとは棟上げを祝う神事の儀式だったようですが、近年は宮司などはよばず、大工の棟梁の仕切りで安全祈願をする場合が多いようで、私たちもそれに倣いました。

 近所の方を招いて、棟のうえから餅をまいたりお菓子をまいたりして家をお披露目をする場でもありました。この風習はまだ魚沼地域では残っているようです。特に、魚沼では上棟式とは言わず、建前(たてまえ)といい、私も子供のころは近所の建前を楽しみに参加していたことを覚えています。

 今回はコロナのせいもあって、近所の皆さんをお呼びしたりはしませんでした。それはおろか、人数も最小限にすべしとのことで、私も東京からいくことあきらめ、妻だけに仕切ってもらいました。

 この上棟式、施主(私たち)にとってはもう一つの側面があります。それは建ててくれる大工の皆さんへの感謝を伝える場ということです。大宴会をして接待する場合もあるようですが、さすがにご時世でそれはやらず、祝儀(チップ)や折弁当を大工さん全員に渡して、毎日のご苦労をねぎらわせたいただきました。

初対面の棟梁からの一言

 さて、これまでお伝えしてきたように、東京に住む私たちは遠隔地でのリモート建築かつ、コロナによりほぼ新潟に帰らずここまで家づくりを進めてきました。なので、よく考えたらまだ大工さんたちと直接ご挨拶できていませんでした。

 上棟式当日。施主である妻を見かけた棟梁さんが近づいてきて、開口一番おっしゃった言葉が、大きな気づきを与えてくれました。

「図面を始めてみた時、これは大変な工事になると思いました」

 わざわざ呼び掛けて、放った一言。ずっと施主に言いたかったのでしょう。こんな家はみたことないし、建てたこともない。

 それは、「やりがいがある」を通り越して、「貧乏くじを引かされた」というニュアンスに近かったと妻は言います。

 重層的な招き屋根の家。梁や棟が複層的に絡む構造。私のこだわりは、家をつくる人への負担にもつながっていると、思い知らされました。

 そして、当たり前ですが関わってくれる全ての方に感謝する、感謝力が大事なんだと改めて思いました。


上棟式、やんなくていいんじゃね?

 上棟式、やるかどうかは施主次第。お金も10万以上かかります。正直当初はやらなくてもいいんじゃね?という意識が頭をよぎりました。でもやってよかったと痛感しています。大工さんがどんな思いでこの家の図面と対峙しているのか。そしてそれに対して施主ができることは?
 十分なご祝儀ではなかったかもしれませんが、来年3月完成まではまだまだありますし、このあと少しでも気持ちよく仕事していただけたらと思います。

 ちなみに、棟梁の一言を設計士の堤さんに伝えたところ、笑って

「これでも手加減したつもりなんですけどね」。

 この人も、頼もしい!


Show must go on!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?