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日本ではまだ知られていない「逆リファレンス」について

「●●さん(外部の方)、もしよろしければ最終面接に進んでいる候補者様に、当社のことを第三者的にお話しいただけますでしょうか?」

当社ポテンシャライトの最終面接に進んでいる候補者様に対して、どのような情報提供をすれば当社の解像度が上がるのか、と考えた結果、発生したのがこの施策でした。

僕らはこれを「逆リファレンス」と呼んでいます。

簡単に申し上げると、当社の従業員ではない方が、当社のことをどのように捉えているのか、感じているのかを選考中の候補者様に聞いていただく事です。この施策はすごく効果があると個人的には感じています。

この「逆リファレンス」はどういった背景で生まれ、どういった手法で設計/運用していくのかをこのブログに書きたいと思います。


0. 逆リファレンスとは?

選考中の候補者様が、選考企業のことを「第三者」に質問できる機会を創出すること

皆さん、「リファレンス」はご存知でしょうか。直近数年間でリファレンスの知名度も上がっており、おそらく皆さんご存知かと思います。リファレンスとは、選考中の「企業様」が選考中の「候補者様」に対して、候補者様の近くで働いていた上司/同僚に身辺調査を行うことです。リファレンスの目的は「選考の精度」を上げることです。つまり、面接で見極めきれなかった候補者様の仕事ぶりや癖を知ることに目的を置いています。

ただ、そこで感じたのですが、なぜ企業⇒候補者に対してのリファレンス「のみ」が存在しているのか。

これは僕の価値観ではありますが、「選考」は企業側と候補者側が対等であるべきであり、双方において自社/自分にマッチするのかを見極める権利があります。なんとなく採用する側の企業が上に立つような構図があるかと思いますが、本来どちらも対等であり、双方において見極める必要があります。
繰り返しになりますが「リファレンス」は採用企業側が候補者様側を見極めるために存在しており、もちろん仕組みとして素晴らしいかと思うのですが、逆のパターンも充分あり得るのでは?と感じて発生した施策が「逆リファレンス」になります。


1. 逆リファレンスの手法

絶対的にこの手法で進めなければならない、というものはありません。ただ、抑えておいていただきたいのは、その採用企業のことを割と熟知している第三者に対して、選考中の候補者様にお話しいただく機会を設けることです。

いくつかステップに分けて説明したいと思います。

 1-1. 逆リファレンサーの選定/ご依頼

まずは逆リファレンスにご協力いただける方の「選定」をします。
いくつかのパターンがあるのですが、まずご協力を仰ぐようであれば「退職者」が好ましいです。もちろん円満退職をした方が好ましいかと思いますが、社内を熟知しているメンバーの1人ですし、第三者的に採用企業のことを語っていただけます。そして、勤続年数が長いメンバーが好ましいですし、自社の良い点/改善点などもきちんと把握しているメンバーが好ましいかと思います。もちろんあまり好ましくない退職をしてしまった方にはご依頼すべきではないかと思いますが、うまくお話しいただける方にご依頼いただけると良いかと思います。

次に、「パートナー」の方。パートナーの定義は様々かと思うのですが、親しく接していただいている代理店の方や協力会社様で、自社に頻繁に来社していたり、多くの社員と接していたり、そして会食等で多くの時間を共にしていただいてる方はその企業のカルチャーを客観的に把握していらっしゃる方が多いです。採用企業が1人称として発信している内容とはまた別の角度でお話しいただける可能性が高いです。

最後に「お客様」です。営業のサービスを「受けている」方がどのような印象を持っているのか。皆様も親しいお客様は何社さまかいらっしゃるかと思います。お客様に逆リファレンスを依頼するのもおこがましいですが、意外とご協力いただける事も多いです。

3つのパターンを記載しましたが、基本的に自社のことを詳しく把握いただいている方であれば役割は全ういただけることが多いので、前述した方々以外の方でも問題ありません。

 1-2. 逆リファレンスの対象者(候補者)

選考に進んでいただいている全候補者様に逆リファレンスを実施しなくても問題ありません。特に候補者様の志望度が高い場合は、そのまま内定承諾をしていただける可能性も高いですし、ケースバイケースで考えるべきです。

対象者(候補者)の2つのパターンを申し上げます。

1つは内定提示段階で自社への入社を迷っている方。言わずもがな、迷っている理由は様々ではあるのですが、オファー面談を実施したとしても決断できていないパターンは発生します。そのタイミングで、新たな気づきを与えるために逆リファレンスを実施すると効果的です。

もう1つのパターンは「とにかくその候補者を絶対に採用したい」という企業側の評価が高い方。前述した通り候補者様側の志望度が高ければ問題ないのですが、御社が絶対に採用したいと思う方は、大体他の会社も採用したいと思っていることが多いです。そのため、効果的に逆リファレンスを挟むことによって他の企業様との情報の差別化をすることができます。

 1-3. 逆リファレンスのタイミング

こちらもケースバイケースですが2つのパターンがあります。

1つは「内定」フェーズ。
つまり、選考は既に終えており、あとは候補者様がその企業に入社するか否かを選択するフェーズ。このフェーズにおいては逆リファレンスを実施するクリティカルな状況になっているため効果的です。
もう一つのパターンは「最終面接実施前」のフェーズ。誤解がないように申し上げると、逆リファレンスは実施いただく側の方に負担をかけます。後述しますが、実施いただくにあたっての「お礼」も必要です。
そして、最終面接前に実施するパターンは、ある程度内定の角度が高い方で良いかと思います。ただ、その方の採用をスムーズに進めるために、最終面接前に志望度を上げておきたい時に実施すると良いかと思います。


2. 逆リファレンスの内容

では、実際に逆リファレンスを実施する際にどのような内容を設計すれば良いのかを説明したいと思います。

基本的な流れとしては下記になります。

双方で簡単な自己紹介
逆リファレンサーと採用企業の関係性
逆にリファレンサーが思う採用企業の強み/弱み
逆リファレンサーが思う企業のメンバーの特徴/カルチャー
質疑応答

こちらの内容にルールは無いのですが、候補者様から逆リファレンサーに対して「質疑応答」のみの時間にしてしまうと、候補者様様に負担がかかってしまうため、最初は逆レファレンサーのお話を聞いていただく時間にするとスムーズにことが進むことが多いです。


3. 逆リファレンスの懸念

本ブログを読んでいただいて、「懸念」を感じる方も一定いらっしゃるかもしれません。例えば、逆リファレンサーが採用企業が意図しないことを話してしまうかもしれない。逆に志望度が下がってしまうかもしれない。そんな懸念を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

もちろんそれは発生し得る可能性もあるのですが、
皆さん少し考えてみてください。

候補者様は転職活動の時に「誰かしら」に相談をしています。相談する相手が、採用企業のことを全く認知していない可能性もあります。

御社のことを全く認知していない方が、その候補者に対して御社に入社するか否かの相談をうけている。もちろんその候補者様にとっては「信頼」を置ける方になるので、その方が発したことを信頼するかと思います。ただその内容の「正確性」と言う切り口においては大いに欠けている可能性も高いです。なぜならば採用企業のことを正確に理解していないからです。

これらが発生し得る可能性がある中で、今回の逆リファレンスにおいて、御社が「信頼」のおける方に、御社の話をしていただける方が効果的である可能性が高いかと思っているのです。


4. 候補者さまは逆リファレンサーの話を信じるのか否か

候補者様は「採用企業がお願いしている逆リファレンサーは、その企業の良い面について話すに決まっている。なぜならば、その企業が選んでいる方だから」と思っている可能性も大いにあります。

類似事例に置き換えると、

皆さまのなかに、エージェントにご登録され、エージェント経由で最終選考に進んだ事がある方がいらっしゃるかもしれないのですが、エージェントを通してある企業の最終選考に進んだ場合、大体エージェント様から

その企業の志望度はどうですか
もし内定が出たら入社しますか
その企業はすごくいい会社で
なかなか最終面接に進まないんですよ
とにかく一緒に内定を勝ち取りましょう

のようなコミュニケーションがあるかと思います。この場合、候補者様はエージェントさんの言っていることを100%信頼していないことも多いです。なぜならばエージェントはもちろんビジネスなので、自社経由で進んでいる企業様の志望度を上げるのは当然の動きです。そのため候補者様もそれをなんとなく察知し、最終選考段階に入ったタイミングでエージェントとの距離を取る方もいらっしゃいます。

話を戻して、今回の逆リファレンスについて、候補者様が逆リファレンサーが話していることに対して疑心暗鬼になってしまう可能性も考えられます。

話を整理すると、

エージェントよりも信頼がおける話を聞くことができると思いますし、
採用企業のことを全く認知していない、候補者様が信頼を置いている方よりもその企業のことを詳しく語ることができる、

つまり、バランス感を持って採用企業様の事について語ることができるため、効果的であると当社は考えています。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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