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誤った採用戦略/戦術が「3ヶ月(以上)」の代償を生む

「〇〇のポジション(求人)の採用を進めるにあたり、〇〇の媒体と〇〇の媒体を使うのですがそのスカウト代行をお願いしたいです」

というご依頼をいただく事があります。

また、
「〇〇のポジション(求人)を採用するために〇〇の媒体で3ヶ月ほど動いてみたのですが、成果が上がらず、山根さんどうしたらよいでしょう?」

というご相談をいただくことがあります。

上記した2つの事象について、いずれも採用の戦略/戦術が誤っています。採用の領域以外でも、マーケティング/営業/財務/その他様々な事象に対して、戦略/戦術は非常に重要だということは皆さんご認知の通りですが、戦略/戦術を誤ってしまうと、3ヶ月間ほど無駄にしてしまいます。言うまでもなくその期間は痛いでしょうし、事業計画も遅れてしまいます。

本ブログのタイトルである「3ヶ月」という期間。これは戦略/戦術を誤って無駄にしてしまった期間です。むしろ、最低3ヶ月と認識したほうが良いかもしれません。後ほど詳しい話を記載しますが、半年、1年と時間を無駄にしてしまうことは何度も見てきました。

本ブログでは、戦略/戦術を誤らないためにはどうしたら良いか記載したいと思います。


0. 好ましくない事例を2つご紹介

ポテンシャライトが、採用支援前にお打ち合わせをさせて頂く際に、「この採用戦術は本当にまずいな…」という企業様が相当数いらっしゃいます。つまり、「魚がいない家で釣りをしている状態」と言いますか、それをやり続けても採用はできないだろうと。

もう一つ事例をあげるとするのであれば、例えば「目黒区の草野球チームが大谷翔平選手をスカウトしている」。そんな事象もあったりします。

上の2つの事例について「いやいや山根さん、それはないでしょう」と感じるかもしれませんが、意外とやってしまっている企業様は多いです。
もう少し詳しく2つ事例をご紹介しましょう。

 0-1. サーバーサイドエンジニアのプレイングマネージャーを採用したい場合

その企業様は、サーバーサイドエンジニアを募集していました。小規模な企業様でしたので、マネージャーではなくプレイングマネージャーとして、主にプログラミングを中心に実施するメンバーが欲しい、というニーズでした。
その企業様が使用していたある採用媒体。ポテンシャライトの解釈としては、上記のペルソナを採用するのに適した媒体はその媒体ではありませんででした。ただ、もちろん採用の手法についての知見がない方は、その採用媒体が著名であること、優秀な人材が多いことなどが要因となり、掲載を確定したのかと思いますが、もし仮にその採用媒体を用いて、3ヶ月程度スカウトメールを配信したとしても、良い成果が生まれる可能性は低いでしょう。

先に答えを申し上げてしまうと、上記のペルソナであれば

- Forkwell
- Findy
- Wantedlyスカウト

が適切です。また、開発言語がPHP/JavaであればGreenを使うのも1つの手です。

 0-2. 知名度がない企業様がハイレイヤーなエンジニアを採用する場合

知名度がない企業様が、年収800万円程度のリードエンジニアの募集をしておりました。ペルソナの在籍企業としてはメルカリ、サイバーエージェント、LINEなど。
このターゲットの選定をすること自体は悪いことでは無いのですが、この知名度がない会社に対してそういったメガベンチャーで実績を残したエンジニアが興味を持っていただける可能性は低いです。

誤解がないように申し上げると、知名度がない会社でも「魅力」をたくさん作れる場合は、メガベンチャーを退職をしてそのベンチャー企業にジョインする理由があれば採用できる可能性はあります。
ただ、冒頭に申し上げた採用の「戦略」を立てないまま、とりあえずスカウトメールを実施したとしても、ほぼ100%うまくいきません。なぜならば自社の魅力の打ち出しや、スカウトメールの文面設計、また体験設計等ができていないまま勝負をしても、間違いなく勝てないからです。

上記2つの事例を見ていただいて、「いやいや、山根さんこれはうまくいかないでしょ」と感じる方もいらっしゃると思いますが、皆さん意外とこれをやってしまっています。


1. 採用の戦略/戦術を立てる際に必要な3つの事項

戦略/戦術と言うと少し大きな話に聞こえてしまうかもしれませんが、「下記の3つだけ明瞭にすれば良い」と言われると少し気が楽かもしれません。順番に見ていきましょう。

 1-1. 募集職種

これは言わずもがな、採用活動をする前に「募集職種」を明瞭にするかと思います。例えば、サーバーサイドエンジニア、フロントエンドエンジニア、フィールドセールス、カスタマーサクセス、人事、経理などのいわゆる職種です。ここについては詳しい話は割愛します。

 1-2. 募集職種の「ペルソナ(ターゲット)」

ここがものすごく大事です。
ペルソナと言うとまた大きな話に聞こえてしまうかもしれませんが、つまりターゲットのことです。どのような企業様もなるべく優秀な人材を採用したいという気持ちが強いかと思います。
ただ、ターゲット設定についてポイントが3つあります。

1つは「自社の魅力の身の丈にあったターゲットなのか」
つまり、設定をしたターゲットが自社に対してワクワクしていただけるのか。どのような企業様でも即戦力で優秀な人材を採用したいと言う気持ちもあると思うので、そのターゲットが自社の話を聞いたときに、現職を退職してまで転職をしていただけるのか、つまりワクワクしていただけるのか、という意味合いです。

2つ目は、「そもそもそのターゲットは日本にどの程度の人数存在してるのか」
募集職種において、採用ターゲットを設定した際に、そのターゲットがものすごく希少である場合、採用できる角度は低くなります。
特に、採用企業に在籍する方々が、著名企業出身だったり、優秀な方であればあるほど、とんでもない採用ターゲットを指定してくることがあります。
なぜかと言うと、著名企業出身者は採用活動に困った経験が少なく、待っていれば優秀な求職者様が集まると思っていらっしゃる方が多いです。著名企業であれば、その採用ターゲットは集まるかと思うのですが、何もないベンチャー企業にその採用ターゲットは集まりません、と言う意味です。

3つ目は、「キャリアダウンになってしまうこと」
これは、採用市場感があれば、その業界構図が頭に入っていれば発生しない事象ではあります。
わかりやすい事例を記載すると、プライム(1次請)のSIの人材が2次請のSIに転職を希望する可能性は低いです。一方で2次請のSIの方が1次請のSIに転職を希望する可能性は高いです。

もしくは、戦略/ITコンサル企業出身の方が、同業に転職を希望する可能性は高くありません。ただ、戦略/ITコンサル企業出身の方が、事業会社の経営企画ポジションに転職を希望する可能性は高いです。

そして、SI出身の方が戦略/ITコンサルに興味を持つ可能性も高いです。
つまり、御社が求めている採用ターゲットは、御社にジョインすることによって「キャリアダウン」にならないかは注視したほうが良いです。

「キャリアダウン」と記載しましたが、どちらかと言うと「キャリアステイ」と表現するほうが適切かもしれません。つまり、「転職してもそこまで変わらない」のであれば転職する意味もありません。

 1-3. ペルソナ(ターゲット)に対して訴求できる内容/情報があるか

前項(1-2)でペルソナ(ターゲット)の話をしました。仮に未経験採用をする場合は、そこまで神経を使う必要はないかもしれませんが、経験者採用であり、且つペルソナ(ターゲット)がハイレイヤーな場合は、訴求ポイント(魅力)が必要になります。これは当たり前ですよね。
ただ、「とりあえずスカウトメールを送れば何名か反応があるだろう」という軽い気持ちで採用活動を開始してしまう方がすごく多いです。明日にでも良い方を採用したい場合が多いのですぐに動きたい気持ちはわかるのですが、優秀な人材であればあるほど人材のパイ(人数)は少ないです。そのため、求めるペルソナ(ターゲット)に適切な魅力や情報を提供するべきなのです。


2. 採用の手法について

前述した内容を整理した上で、「採用の手法」を決めましょう。また、採用の手方法決める際に、御社が下記の何れに該当するかを見てみてください

 2-1. よくわからないけど流行ってそうな媒体をチョイス
 2-2. 他社が採用成功したと言っていた媒体をチョイス
 2-3. 媒体側の話を聞いてみて、採用できそうな媒体をチョイス
 2-4. 採用職種/採用ペルソナ(ターゲット)を明瞭にした上で媒体をチョイス
 2-5.  「2-4」に加え、自社の魅力(身の丈)を鑑みた上で媒体をチョイス

さて、皆さんは何れに該当しましたでしょうか?

おそらく、2-1、2-2、2-3に該当する方がほとんどなのではないでしょうか。2-4に該当する方もいらっしゃると思いますが、正直2-4の状態で採用媒体を決定してしまうと、うまくいかないことが多いです。なぜならば2-5の視点が非常に大事だからです。

下記図をご覧ください。

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最近リリースしているブログで、上の図を使用している事は少ないのですが、改めて重要だと思ったので掲載しました。こちらの図は、「求職者様の偏差値ピラミッド」と表現すると伝わりやすいかと思います。つまり、上にいけばいくほど優秀な方が登録している率が高い媒体といえます。そのため、採用ターゲットが登録している可能性が高い媒体を選べば良い、というシンプルな方程式はありますよね。
ただ、重要な観点としては2-5に記載した「自社の魅力(身の丈)マッチしてるかどうか」なのです。次の項目で詳しく見てみましょう。


3. 採用手法選定で確認すべき2つの項目

本ブログで伝えたい内容はこの項目だったりします。
これまでに記載した内容は「言われてみればその通りだし、一定部分は自分もやっている」という項目なのではないかと思います。
ただ、次の2つの項目を考慮した上で採用手法選定をしている方は少ないはずです。では、見てまいりましょう。

 3-1. 媒体上の有効求人倍率

皆さん、「有効求人倍率」という言葉は聞いたことがあるかと思うので、説明は割愛します。
媒体上の有効求人倍率、これは文字通り御社が求めている採用ターゲットがその採用媒体にどの程度登録があるのかを指します。
そして、気をつけなければならないのは、ここで言う「登録者」と言うのは「累計の登録者」ではなく「ホットな求職者」を指します。

詳しくは上記のブログをご覧いただければと思うのですが、
ホットな求職者とは「その媒体上でアクティブに動いている方」を指します。つまり、仮に全登録者が多かったとしても、ホットな求職者がどの程度いるのかが重要です。皆さんが思っている以上にホットな求職者はものすごく少ないです。特にエンジニアについては想像絶するほどホットな求職者が各媒体に少ないので、ご注意ください。

ホットな求職者が媒体に何名存在してるのかを説明したブログがこちらです。
話を戻して、ホットな求職者の人数が把握できたとして、次に「募集している企業数(求人数)」も把握しておくべきです。ホットな求職者の人数と求人数が把握できれば、それを割り算すれば数字が算出されます。これが媒体上の有効求人倍率です。

ただ、媒体を使用する前にこの数値を正確に把握することは難しいです。当社ポテンシャライトの価値はここにあるのではないかと思っています。当社は、常時70社様程の採用実務をしておりますので、あらゆる媒体のジャストインタイムの状況(有効求人倍率) を感覚的に把握してるつもりです。

 3-2. 媒体に掲載している具体的な企業

前述したピラミッドを改めて見てみましょう。

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こちらのピラミッドの中で、上のほうに書いてある媒体は優秀な人材の登録が多いことを意味しますが、
皆さん冷静に考えていただくと、ここで上のほうに書いてある媒体は、必然的に「採用力が高い企業」が掲載していることが多いです。
イメージしてみていただければと思うのですが、
御社がスカウトメールをお送りした求職者様が、メルカリやサイバーエージェント、楽天、アマゾンからもスカウトメールを受信していた場合、「御社のスカウトメール」にご返信していただけますでしょうか。もちろん、その求職者様の志向性によっては返信をいただける可能性もあるかと思いますが、競合企業が強ければ強いほど、返信をいただける角度は低くなります。
そのため、媒体を選定する際に、「この媒体は優秀な人材が多いから」と軽率に決めてしまうことは危険です。「知人が〇〇という媒体で採用がうまくいっていると聞いたので、使ってみたら全然成果が出なかった」。この要因は様々あるかと思いますが、その1つがこちらに記載した内容です。御社とその知人の企業様では採用力が異なるため正確にタッチすることは難しいのです。


4. 採用戦略/戦術を誤ってしまった代償について

本ブログで最も伝えたい内容はここです。
前述した内容は、割と戦術面に寄った話をしましたが、こちらに記載した内容を考慮せずに使用する採用媒体を決め、具体的な採用活動を動いていたとしましょう。

その期間を数値で表現すると、

採用手法選定期間2週間程度
媒体契約1週間程度
媒体の取材や内容の設計2週間程度
媒体の掲載開始からスカウト送付3ヶ月程度

こちらの期間を合計すると3〜4ヶ月は消費してしまいます。
また、「時間」だけではなく「お金」も失うことになるのはご理解いただけるかと思います。
ただ、前述した内容を全て考慮した上で、採用手法選定することは、採用のプロフェッショナルな方でなければほぼ不可能だと思います。
ポテンシャライトもこれまでに250社様の採用の戦略から主に携わりましたが、採用のトレンドも変わりますし、新しい職種も出てきますし、何がベストプラクティスなのかを日々模索し続け、適切な会を提供しています。
自社のことを棚に上げるわけでは無いですが、
当社がこの戦略/戦術に入るのと入らないとでは大きな違いがあると感じています。もし誤った戦略/戦術を選択してしまった場合、半年程度、いや 長くて1年間程度、無駄にしてしまう可能性も大いにあります。

そのため、こちらに書いたブログもそうですし、
適切な採用の戦略/戦術を決めるためにポテンシャライトにお声掛けいただいたほうが間違いなく費用対効果は高いかと思いますので、お気軽にお声掛けください。

誤解がないように申し上げると、
ポテンシャライトと接していただいたことがある方はご理解いただけると思いますが、当社は決して「プッシュ型の営業」はしません。取引前のお打ち合わせで、適切な採用の戦略/戦術を口頭でお伝えすることも多いです。本来であればここでお金をいただいたほうが良いと思うこともあります。

ただ、日本全体の生産性を上げるためには、適切ではない採用手法を選び、糠に釘を打つような採用活動していては良くありません。僕らは日本のベンチャー企業が世界に対して羽ばたくことについての支援をしたいと思っておりますので、そういった意味でもお気軽にお声掛けいただき、お力になれればと思っています。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。

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