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森友学園問題と維新②安倍晋三と松井一郎

 私は統一地方選挙までに出来るだけ維新の悪性を可視化することにした。その中で私がTwitterは始めるきっかけとなった森友学園問題は維新が発端だと主張してきた。
 森友学園問題と維新の関わりをこの連載を通して振り返ることにする。前回は籠池氏が小学校設立を目指した理由から、幼稚園法人が小学校設立認可申請を出来るように維新関係者に働きかけた事までを、第一弾に掲載した。
 第二弾は安倍晋三と松井一郎の出会いに関わった人物や団体を検証する。
   (肩書等は当時のもの)


日本教育再生機構

 ちょうど11年前の2012年2月26日。
   大阪市であるタウンミーティングが開催された。

日本教再生機構作成チラシ

 「大阪教育基本条例の問題提起とは」と題されたタウンミーティングなのだが、何と出席者に安倍晋三衆議院議員と松井一郎大阪府知事の名前がある。

 当時安倍氏は下野した自民党の一議員であり、松井氏は大阪府知事だった。安倍氏は連発した閣僚スキャンダルと自身の体調不良により2007年に首相を辞任し、2009年には政権交代により野党に転落したことから、戦犯扱いされ失意の状況であった。

 当時政界では維新が頻繁に安倍氏と接触していたことから安倍を担ぎ、新党を作るのではという噂が囁かれていた。その中で開催されたタウンミーティングだった。

 このタウンミーティングが開催された当時、大阪では松井知事と橋下市長が「大阪教育基本条例案」を議会に提出し大問題になっていた。何が問題なのかここでは詳しく説明しないが、首長が教育目標を決める、教員評価を相対評価にする、3年連続定員割れの公立高校を廃校にするなど、教育の独立性を侵害する異常ともいえる条例案であった。

 第一次政権で教育基本法を改悪していた安倍氏が、教育に権力者が介入出来る条例を作成した維新に共鳴したことは容易に想像できる。しかし、誰が安倍氏と松井知事を繋げたのか。チラシの写真の人物を注目してもらいたい。主催団体「日本教育再生機構」(以後、再生機構)理事長の八木秀次氏である。彼は新しい歴史教科書をつくる会(以後、つくる会)の元会長であり、安倍氏のブレーンとして教育基本法改正に対して影響を与え、第二次安倍内閣では「教育再生実行会議」の委員として参加するほど安倍氏からの信頼が厚い人物である。

    八木氏は戦後の教育行政が自虐史観を子供に植え付けていると考え、つくる会に参加する。つくる会は日本会議や安倍氏を含む自民党右派とも連携して活動をしていた。八木氏はつくる会を通じて、安倍氏や日本会議と関係を深めたと見られる。

 その後八木氏はつくる会を脱会し再生機構を設立することになる。つくる会では内紛により八木氏は追い出されるように脱会したが、その後次々と有力者が脱会し、再生機構に合流する。再生機構は、つくる会との関係を解消した扶桑社が2007年に設立した育鵬社の教科書に各自治体に採択させるための活動を行うようになる。

 2014年には「教育再生首長会議」(以後、首長会議)を発足させ、会長には山口県防府市長松浦正人氏が就任した。松浦氏は後に籠池氏に依頼され、維新の中川隆弘大阪府会議員や、会社経営者に森友学園への協力を依頼した人物である。

 首長会議は慰安婦問題に触れた学び舎の教科書を採用している灘中学校を始めとする学校に大量の抗議ハガキを送りつけたり、育鵬社教科書を採択するよう各自治体に圧力をかけるなど活動を行った。実際、ハガキ抗議活動には松浦氏や籠池氏自身も参加し多数の抗議ハガキを送っている。育鵬社教科書採択活動では日本会議神奈川と連携し横浜市に働きかけ、同社の中学校教科書を採択させている。

※lite-laの記事より

  以上から、再生機構は日本会議や安倍氏、右派の政治家と関わりが深い事を理解してもらえる思う。

2・26タウンミーティング

 私は日本会議や安倍氏と連携して、教育における歴史修正主義活動を行ってきた八木氏が教育現場の介入に力を入れる維新に興味を持ち、安倍氏と接近させる為にタウンミーティングを開催したと推測する。他にも維新が右派界隈と関係があった事例もあるが、次回で紹介することにする。

 事実、タウンミーティングの中で八木氏は「大阪の条例案は安倍先生の志を受け継ぐもの。大阪の動きは『戦後レジームからの脱却』の大阪版」と安倍氏のキャッチフレーズを引用し、維新を褒め称えている。

 このタウンミーティングの後、安倍氏と松井知事は打ち上げの居酒屋で意気投合し、その後安倍氏が死去するまで蜜月関係を続けることになる。この打ち上げには、衛藤晟一参議院議員(日本会議国会議員懇談会事務局長)、馬場伸幸堺市議会議員(現日本維新の会代表)、中田宏元横浜市長(後に日本維新の会に合流)という香ばしいメンバーが参加している。因みに日本教育再生機構大阪会長は自民党の遠藤敬氏。このタウンミーティング後、日本維新の会に合流し、衆議院議員となる。ひょっとすると遠藤氏が松井知事を八木氏に紹介したのかもしれない。

遠藤敬衆議院議員

    第一弾に書いたように、前年の2011年に籠池氏は維新の東とおる大阪府議会議員に小学校設置基準緩和を相談している。更に同年、安倍昭恵氏と籠池夫妻は森友学園PTAの父兄を介して知り合っている。安倍晋三氏と松井知事はタウンミーティングのこの時には籠池氏の小学校設立構想を知っていた可能性が高く、二人の話題になったと推測する。また、籠池氏は日本会議の会員(本人曰く大阪代表)であり、八木氏も籠池氏を認識して小学校設立構想を知っていた可能性がある。(籠池氏はタウンミーティングに参加していない)
    一見、このタウンミーティングや安倍氏と松井氏の繋がりが森友学園と関係無い様に見えるのだが、「日本会議」「安倍昭恵」というキーワードがこれらを結び付けることになったのだ。

    この2012年2月26日から、安倍氏と松井知事(維新)が八木氏や日本会議を通じて、森友学園(籠池氏)が共通のキーワードとなり、小学校設置認可に向けて動き出すことになる。

    第三弾は維新と森友学園の関わりをテ一マにすることにする。維新は元々自民大阪府議会議員のメンバーが結成したことから、様々な右派界隈とも繁がりがあった。その事も含めながら、記事を書いていきたいと思う。

赤木さんが公文書改ざんを指示された日

    今からちょうど6年前の2017年2月26日、休日を妻の雅子さんと過ごしていた赤木俊夫さんが勤務先近畿財務局の上司、池田靖統括国有財産管理官に呼び出された。近畿財務局に駆けつけた赤木さんに信じられない指示が行われた。財務省から森友学園小学校建設用地の国有地売却に係る決裁文書の書き換えである。

    国家公務員倫理カードを常に持ち歩く赤木さんにとって、公文書改ざんはどれだけ屈辱だったろうか。自分を築いてきたものを、自ら壊すという行為を強制される。やがて、心身に不調をきたした赤木さんは自ら命を絶った。


赤木さんが持ち歩いていた国家公務員倫理カード      時事通信より

     何回も言い続けるが、私は森友学園問題は維新が発端と思っている。

     小学校設置申請基準緩和が無ければ。
     強引な小学校設置認可が無ければ。

     森友学園問題は起きず、公文書改ざんも起きず、赤木さんが命を絶つ事も無かった。

     私は何処までもこの問題を追い続けていく。


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