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#9 ポシュロウの人たち【高野 元貴さん】

渋谷のミヤシタパークの屋上は、春の日差しと、スタバを片手にした若者で賑わっている。
 

「少し考えさせてもらってもいいですか?」

 
私の質問に対し、
高野さんは静かに、そしてゆっくりと、質問を味わうかのようにそう言った。

 
私にはそんな、
まるで渋谷の喧騒とは真逆のような高野さんの様子がうらやましく思えるほど、かっこよく見えた。
 
 
今回は、ポシュロウのシステムを開発するパートナーである、株式会社スプーキーズより、システム構築のプロジェクトマネージャーを務めて頂いている高野さんと、お話させていただきました。


高野 元貴(Takano Motoki)
株式会社スプーキーズ 企画開発部 部長

学生時代より株式会社スプーキーズに入社。初期6年間程をソーシャルゲームの開発・運営に従事し、主にバックエンド領域の機能開発・パフォーマンス改善を担当。その後、Webサービスやアプリなどのシステム設計・開発において、バックエンド・インフラ・フロントエンドまで広く担当しつつプロジェクトを推進。

【好きなこと】
・登山、スキー、トレラン
最近頻度は落ち気味ですが、働き始めたころは槍ヶ岳に毎年登ったり、継続的に続いている趣味は山に関わることが多いです。非日常性が魅力なのだと感じています。トレランは友人に誘われて(ダイエットを兼ねて)最近始めましたが20km辺りで精一杯…ですが、各所ロケーションも魅力的で爽快です。
・カレー、辛いもの、お酒
社内のメンバーとランチに行くときに「またカレーですか?」と言われてしまいすみません。スパイスカレーも喫茶店のカレーもいいですよね。「辛い+美味しい」ものって元気が出ますよね。

【苦手なこと】
・熱しやすく冷めやすい
長所・短所の両面があると思いますが、変化を柔軟に受け入れ、その時々で面白い・好きだと思ったこと、そのときできる経験を大事にしていきたいです。とはいえ、視点を変えてみたり、環境を変えてみたりすると、改めて魅力に気づくこともありますよね。ポジティブな感情だけでなくネガティブな感情も、ありのまま受け入れて、そこからアクションを考える。そうして、コツコツと向き合った長いお付き合いをしていければと思います。

”高野さんとポシュロウ”

山本:
改めてになりますが、高野さんのこれまでのキャリアや、お仕事について聞いても良いですか?
 

高野:
私はスプーキーズで9年目になるんですけれども、学生時代からアルバイトで働かせていただいていて、そのままジョインした感じになります。
入社当時はソーシャルゲームの開発を主にやっていまして、それを5年くらいやらせてもらいました。
ソーシャルゲームなので、結構頻繁にイベントのリリースなどがあって、それに向けての設計や開発をしていくという中で、鍛えられました。
 

山本:
へえ!ゲームの開発!すごいですね!
 

高野:
そこから、toC向けのキャンペーンサイトであったり、toB向けの顧客の管理システムだったりを、Webからアプリまで割と広く担当させてもらっていました。その中で開発をしながら、プロジェクトのリーダーや、マネジメントを経験しながら今に至っています。
 

山本:
ポシュロウでの関わりがまさにそうだと思うのですが、今はプロジェクトのマネージャーというか、ちょっと俯瞰した立場で仕事をすることが多いですか?
 

高野:
そうですね。スプーキーズ自体がIT領域のエンジニアの集団ではあるので、開発しながら全体を見るという感じですね。
 

山本:
もとからゲームなどの興味関心が強かったのですか?
 

高野:
まぁゲームは昔から好きではあったんですけど、広く浅くタイプで。
社内にはもっとコアなゲーマーのメンバーもいますし、そこと比べると比較にならないですけど(笑)

IT業界の情報をウォッチしているのは好きで、新規でこういう事業ができたとか、こういう新しい技術でやっているとか、そういうのを追いかけるのが学生の時から好きではいたので、実際にこの業界に入って開発自体もそうですし、そういう、ポシュロウのようなサービスに関われているのはすごいありがたい経験だなと思います。
 
 
山本:
そんな風に言ってもらえて、こちらこそありがたいです。
 

高野:
これまでの経験を通してやれる領域も増えてきていますので、そこでお声かけいただき、お力添えできるものがあるというのは、自分自身もチャレンジになりますし、安定したサービス提供ができるようにがんばりたいです。
 

山本:
もうまとめちゃう感じになってる!(笑)
ちなみに話せる範囲で結構なのですが、ポシュロウの話が最初にきたときどんな印象でしたか?
 

高野:
最初はざっくりと、動画の配信サービスというような話を聞いていたので、
動画配信なら部分的に他の案件でやったことがあるので、その経験を活かせるかな?という感じでした。
その後、山本さんからプレゼン資料をいただき、具体的に、どのようにやっていきたいのかお聞きしたのですが、ここまで想いが全面に出ているサービスって結構新鮮だなと思っていました。
 
 
山本:
なるほど~新鮮だったんですね!
 

高野:
実は自分自身のバックグラウンドが元々教育学部なので、障害のある方と関わる機会もこれまであったのですが、
ただ、自分の場合は、障害のあるなしに関わらず、人と関わるというところで、一教員としてマンパワーで実際できることって、限りがあるかなと思ってしまって。

ソフトウェアを通しての関わりの方が、自分の性格にマッチしていると思って、方向性を変えたんです。

その中で、ポシュロウの「人の課題を解決する」「人に寄り添う」みたいなところに、ソフトウェアの力を通して価値を提供できるって、すごい自分としてもやりたいことに近いし、面白いなと思いました。
 

山本:
高野さんのバックグラウンドに響くところがあったというのは個人的にもすごく嬉しいです。


”ポシュロウの開発における難しさ”

山本:
実際に今着々と開発を進めていますが、その中で難しいことはありますか?
 

高野:
最終的にはやっぱりユーザーさんに対して、どのような形であれば、価値が伝わるかなっていうところは考えながら進めていて、そこは一番難しいところではあります。
でもそこに対して、早い段階で、クリエイティブの部分の形が見えてきて、
山本さんや、ユーザーに近い方、TMJ社内の当事者の方からフィードバックを頂いて、良い方向に向かっているのかなというところで一旦は安心しています。
 

山本:
一旦は安心してもらえて、よかったです(笑)
 

高野:
あとやりたいこと、実現したいことを、予算感やスケジュール感に対してどう落とし込んで進めていくかというところは、どうしても完全フリーにはできないという、しがらみはあるので、難しさでいうとそういうところはありますかね(笑)
 

山本:
それはもう「僕も」ですね(爆笑)
 
 
高野:
でも進める上では、山本さんと結構電話でも細かくやり取りをしたり、定例のミーティングでも思った事は言って頂いているのかなと思っていますし、
そこから見えてくることに対してしっかり検討して、またその検討した結果にフィードバックをもらって、っていう開発のサイクルがちゃんと取れているのは、ありがたいことだなと思ってます。
 

山本:
それでいうと、ほんとに言いたい事は遠慮なく言えてますし、
言いやすい雰囲気を高野さんにはいつも作っていただいてます。
 
あと、こういう開発の最初って、僕の持っているイメージに対して、
まずは「じゃあこんな感じ?」っていう提案というか、たたきのような物を作ってから揉んでいく作り方かなと思っていたんですが、
高野さんたちは、その最初のたたきから一緒に作るスタンスというか、対話をして、情報交換をして学び合いながら、一緒に解像度上げていくという進め方は、すごくありがたかったなぁと思います。
 
ちなみにこれから高野さんがポシュロウに期待していることってありますか?
 

高野:
「働く」って人から切っても切り離せないものだと思うんですけど、ポシュロウの開発に関わらせていただく中で、改めて「働く」ってなんだろうって考えるんですよね。
 
私も今の会社で9年くらい働いてますが、
世の中では、働き方も本当に人それぞれで、他の方がどんな働き方しているかって意外に知らないですし、コロナで働き方が変わった方も多いかと思います。
そんな中で、自分が働き方を選べること、選択肢自体があることってすごい幸せなことだなと…。
 
それがふとしたきっかけで、その選択ができなくなったり、
難しい状況になったりすることが、自分自身も含め、誰にでもあると思っていて、
それに対して選択肢を広げることができたり、いろんな選択肢がある社会だと良いなと思っています。
 
でも、それが様々な事情によって届かないところに、アプローチできる、そういう仕組みが何かあれば、それによって助かる人もたくさんいるだろうなと感じます。
 
まさにポシュロウが、そんな働き方の選択肢を少しでも広げたり、
困っている人たちに寄り添ったりするという、期待感がありますし、理念としてすごい意義があるなと。
 
自分の関わり方は開発という側面ではあるのですが、少しでも『良い形』で届けられると良いなと思います。
 

山本:
おっしゃるとおり、誰しもがライフステージの変化だったり、ちょっとした変化で、選択肢が変わったり、自分の在り方みたいなものが、社会の仕組みとの間で、揺らいでしまいますよね。
そもそも、選択肢が少ない方も多くいますし、働く中で障害を感じる方々に対して、選択肢やアイデアを届けられたり、社会に問題定義ができるようになるというのは、すごく大事だなと思います。


”ポシュロウのバランス”

山本:
私は「自分らしく働く」を実現するためには、作り手の私たちが「自分らしく働く」を体現する必要があると思っていて。

大なり小なり、自分たちの「らしさ」や「やりたい」みたいなことをサービスに乗せたいなと思っているのですが、様々なコスト含め、いろんな制約がなくて、高野さんはポシュロウの中で何やりたい?って言われたらどうしますか?
 
 
高野:
そうですね・・・。
 少し考えさせてもらってもいいですか?
 

山本:
もちろんです!
 

高野:
・・・。
 
 
山本:
僕、高野さんちょっと見習わないとだな。
どうしても僕、しゃべりながら考えちゃって、立ち止まって、じっくり思考するみたいなのができなくていつもなんかすごい焦っている人みたいになってしまうんです。
一度立ち止まれるってめっちゃかっこいいなって思います。
 

高野:
人の良いところ見つけるの上手ですね(笑)
 

山本:
いやいや(笑)ちょっと落ち着きたいんですよね。

 
高野:
事業を推進していく人はそういうタイプなのかもしれないですね(笑)
 

山本:
たしかに、ちょっと多動な方は多いかもしれないです(笑)
 
 
高野:
・・・。
 
それで、やってみたい事は、
poshulouのコンセプトやロゴデザイン、テーマカラーを踏まえて、関わった人それぞれが自分の選んだ色のロゴマークを所有できて、それをサイト上で表現したりステッカーとして貰えたり、というのは面白いのではと思いました。
 

山本:
いいですね!おもしろい!
何かつながりを感じたり、みんなで盛り上げる仕掛けは作りたいですね。

 
高野:
山本さんが、poshulouは様々な凸凹をもった人たちの重なり合いで作られていくものでありたい、という想いも仰っていたので、その辺りの表現が出来ると良さそうだなと。

大事にしたいことでいうと、
サービスとして大事にしたいことや、作っている人たちの色をのせるというのは面白いですし、作っている側の想いって、使う側からすると、見えた方が安心すると思っています。
 
一方で、実際使うユーザーの方に対して、押し付けになっちゃう可能性もあるなと思っていて、バランスが難しいとも感じています。
 
社会的な事業は、進めている人のエゴが大きくなってしまう事もあると感じているので、ユーザーさんの視点と、ちゃんと両輪で動かせる、ビジネス的なところも含めたバランスは大切にしたいです。
そういうのも含めて『良い形』で届けたいという想いです。
 

山本:いやぁ、すごい。すごすぎます。
そういった感覚を持った方が開発に携わってくださっているのは感動です。
 
最近だと「合理的配慮」という言葉を耳にする機会も増えましたが、一方的に配慮しなきゃいけないと思っているケースも多くて。

本当は勝手に配慮するのではなくて、双方向での合意形成が必要なのですが、まだまだそういうのも、社会的に理解が必要な中で、
ポシュロウも当事者の方を抜きに考えないというのはポリシーの一つとして持っていますが、独りよがりになってしまうリスクが常にあって気を付けなければいけないと思っています。

高野さんは、そういう視点をナチュラルに持っているように感じるのですが、その視点はどこからくるんですかね?
 

高野:
持てているかはわかりませんが、いろんなルールとか、当たり前の事って、割と本当にそうなの?とか、みんなやってるからやっているだけじゃないの?とか思うことはあります。
 

山本:
それだ!それが高野さんのベースにあるからこそ、常にいろんな視点で考えられるのかも知れないですね。
 

高野:
あとは、それを、じゃあこうした方がいいとか、だからこう進めましょうっていう推進力が自分の課題かなと思っています。
 

山本:
それでいうと、高野さん自身がプロジェクトマネージャーとして話しやすい場をつくる立場ではあると思うのですが、そういう立場だからこそ、話しにくくなったりしてないか少し心配になりました。僕自身も、高野さんが話しやすい場にできるようにちゃんとしないとですね。
 

高野:
言いたい事は言っているタイプだと思いますよ!(笑)
 

山本:
それならよかったです・・・けど、もうお酒飲みながら話しましょうか?
 

高野:(笑)

【編集後記】
高野さん、改めて今回はお時間いただきありがとうございました。
記事を起こすために、対談の録音を聞いていると、私(山本)ばっかり喋っていて自分自身に非常にがっかりしました(笑)
でもそれだけ、高野さんに色々話したくなっちゃうのだと思います。

そういえば、高野さんとお会いし、ポシュロウについて初めてお話したとき、
システムを開発するのに必要な説明のイメージが全くできなかった私はとても緊張していて。
でも今回の対談のように高野さんはじっくり耳を傾け一つ一つの言葉を受け止め、話しやすい空気をつくってくださったことを今でも鮮明に覚えています。

高野さんはその時も、「言われたことをどう作る」か、よりも「誰に、どう届けるか」という視点をもって話を聞いてくれていることが伝わって、一緒に仕事ができたらすごく良いものができるのではないかとてもワクワクしながら、その時も話しすぎてしまった気がします。
そして、それは私の中で、ある種の「想像を超えた」体験でもありました。

高野さんたちの仕事は、システムの開発という、ともすれば表にはなかなか見えにくい仕事なのかもしれませんが、そんな高野さんのようにユーザーの視点を忘れることなく、大切にできる方がチームにいる事はとても心強いですし、
そんな高野さんの想いや、こだわりや、工夫が周り周って、きっとユーザーの方の価値になるのではないかと思っています。
引き続き、もし僕がひとりで走りすぎているときは、ぜひ一緒に立ち止まっていただいて、一緒に考えて頂けると嬉しいです。

                                山本

スプーキーズさんのコアバリュー
「BEYOND THE IMAGINATION!!」


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