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広小路通の春

桜がそろそろ散った。
あっという間に葉っぱが出てくる。
そんな昼下がり。

おやつを買いにオフィスを出る。
前の通りは広小路。
中心街から少し外れた場所。

今まで気づかなかったが中央分離帯にチューリップが咲いていた。
それも1本ではなく、通りに沿って大通公園まで続く。
黄色の一色でも鮮やかだ。
所々で歩道脇にも咲いている。
誰かが手入れしてくれているのだろう。
今日まで気が付かなかった。
まだ朝にはチューリップは咲いていないのかもしれない。
もう夜にはチューリップは咲いていないのかもしれない。

歩道脇に咲くチューリップにベビーカーの幼子が触れていた。
その子は桜が去った今日にも春を肌で感じているようだった。
その子の方が私よりも人生を楽しんでいるように見えてしまった。
もっとぼーっと、世界を広く見ていたい。

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