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愛する母に捧げる歌「House of Gold」by Twenty One Pilots

越境ECのコラムを書きながら、今日はtwenty one pilotsを聴いている。

そういえば去年、やりたいことリストを作った時があって、その中にウクレレを習いたいと書いていた。

たぶんこの時は、Jason Mrazの「I'm yours」がマイブームだったから、大いに影響を受けてウクレレ弾きたい!と思ってのリスト入りだったんだと思う。

パンデミック前の、あれは何年だったかな~。
夫と日本に帰省した時に、お茶の水の楽器店で結構ちゃんとしたウクレレを買ってもらって、スペインに帰ってきてからしばらくは独学で頑張ってたんだけど、弦を押さえる指がなんせ痛くて、それで挫折してそれっきり…。

今あのウクレレは、寝室のクローゼットの奥の奥に押し込まれている。
…はず。

ウクレレを弾けるようになりたい思いは2024年になっても変わらないので、今年こそはリベンジ挑戦したい!

去年は「I'm yours」ただこの1曲を弾きたいがためだったけど、今年はもう1曲増やそう!

Twenty One Pilotsの「House of Gold」!

まだ始めてすらいないのに、ハードル上げるのだけは相変わらず得意w

母に捧げた賛歌「House of Gold」

アメリカ、オハイオ州のオルタナティブロックデュオTwenty One Pilotsの曲「House of Gold」は、2013年にリリースされた彼らの3枚目のアルバム「Vessel」に収録されている。

前半の歌詞を以下抜粋。

She asked me, "Son, when I grow old
彼女は私に尋ねました。「息子よ、私が年老いたら、

Will you buy me a house of gold?
私にゴールドの家を買ってくれない?

And when your father turns to stone
そしてあなたのお父さんが石になっちゃったら

Will you take care of me?"
私の面倒を見てくれないかしら?」

I will make you queen of everything you see
あなたの目に映るものすべての女王にしてあげましょう

I'll put you on the map, I'll cure you of disease
あなたを地図に載せてあげるし、病気だって治してあげる

老後の面倒を見てねと言う母と、喜んで受け入れる息子…という情景が想像できる、微笑ましいリリック。
「お父さんが石になっちゃったら」というのは、「お墓に入ってしまったら」という意味だろうからちょっとドキッとしてしまうけど、家族の会話ならこれぐらいが普通だと思う。

ところが歌詞の後半で、Tylerが一瞬シャウトする部分がある。

And since we know that dreams are dead
そして夢は死んだと知ってからは

life turns plans up on their head
人生は計画を覆す

I will plan to be a bum
そうなったら僕は浮浪者になるつもりだ

So I just might become someone
そうして僕は誰か別の人間になるかもしれない

前半までの幸せで微笑ましかった将来図が一気に崩れ、人生はそうは上手く転がらないという悲観的な内容になっている。

そしてここで畳みかけるべく、この曲のPVをご覧いただきましょう。

なかなか衝撃的な映像…。

歌詞のストーリーから、家の中でせわしなく家事をしているのはきっとお母さんで、体が真っ二つになってもウクレレをかき鳴らしながら歌い続けるTylerは息子という設定なのだろうと、三度の飯より妄想が好きな私は、容易に想像して涙まで出ちゃいそうになる。

曲もPVも高評価

実はこの曲、歌詞もメロディラインも、そしてこの衝撃的なPVも、専門家たちの間から好評で、一時期ちょっと話題になった。

しかも、後にCOLD PLAYのChris MartinやBECK、RED HOT CHILI PEPPERSのChado Smithなどで構成された1度限りのスーパーグループによる慈善コンサートでカバーされたり、COLD PLAYのアメリカツアーの際にカバーされたりもしている。

当然、一般リスナーの間でも人気の1曲で、Tylerの母への深い愛に感動したりとか、でもちょっと切ないとか、このYoutubeのコメントでもだいぶ盛り上がっているのがわかる。

家族とは…

リードヴォーカルのTyler Josephによって書かれたこの曲は、自身の母親に捧げた軽快で陽気な賛歌だ。

冒頭でも少し話したけど、この曲が収録されているアルバム「Vessel」は、家族にフォーカスしたアルバムで、ジャケットの2人のご老人は、Tylerと相方Joshのそれぞれの父方のおじいちゃんである。

思えばこれがスペインで初めて買ったCDかもしれない…。

PVの(きっとおそらく)家の中のお母さんに気づいてほしくて歌い続ける…というインパクトが大きすぎて、Tylerはお母さんLOVEなはず!と思いがちだけど、歌詞は結構辛辣だったりする。
お母さんが「お父さんが死んだら…」とか言っちゃったり、「人生とはそう上手くはいかないもので…」と後半のシャウトで「ホームレスになる!」宣言しちゃったり。

この曲がリリースされた時、Twenty One Pilotsの2人は25歳。
親の老後の世話なんて、この歳で真剣に考える人なんているー?
(アラフォーの私なんて最近ようやく…よ?)

欧米だから、家族LOVE、お母さんLOVEなのは、きっと当然。
だけどまだ若いし、やりたいことがまだまだたくさんある。
だからきっと、お母さんに突然「私の老後、面倒見てね」と言われて、「そりゃもちろん!僕が小さい頃、母さんが僕をいつでもプリンスのように扱ってくれたように、僕は母さんをクイーンのように扱って幸せにしてあげるさ!」と答えつつも、「あーでも人生なんてどう転がるかわからないからねぇ~。夢破れてホームレスになったら、別の誰か(違う人格)になっちゃうかもよ~。」とちょっとひねくれを入れた、私に言わせればごくありふれた家族の会話を切り取ったのが、この曲だと思う。

そしてそんな家族の瞬間が、幸せだったりもするのよねぇ~。

ウクレレで弾き語る

さてこの曲のもう1つの特徴は、ウクレレが使われていてフォーキーだということ。

Twenty One Pilotsの曲は、私の中ではどちらかというと電子音が多めのエレクトロポップのイメージが強く、MGMTやFoster the People、Team Me辺りのテイストにも似ているような気がするが、そこまでキラキラサウンドでもなく、聴かせる系でもないところが個人的には気に入っている。

そしてこの曲に限っては、楽器がいきなりアナログ!というか、よりによってのウクレレチョイスなところや、フォークソングでもあって一味違う。
そこがまたいい。

Tylerは元々、ウクレレは弾けなかったようだ。
ある日中古楽器店でウクレレを見つけて、手が小さい自分のための楽器だ!と買ったのがウクレレを手にしたきっかけ。
その後コードを覚え、学びたてのウクレレで書き上げたのが「House of Gold」だそう。

天才か!!!

よし!やっぱり私もウクレレやる!(←単純)

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