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オルテガ/大衆の反逆

オルテガ/大衆の反逆

ホセ・オルテガ・イ・ガゼット(1883年5月9日 - 1955年10月18日)スペインの哲学者。

大衆が社会の主役に躍り出た時代
19世紀、20世紀のヨーロッパは、産業革命や農法の発展などにより、農村から都市部に人が流れてきていた。衛生環境もよくなり人口が爆発的に増えた。また市民革命を経て、社会の主役は市民になった。

またこのころ大衆は、帰属意識をどこに持てばいいのか人々は分からなくなってしまった。アイデンティティの喪失、根無し草になってしまったのである。

こういった不安の時代だからこそ、最も安直な偽物の帰属意識「皆と同じ」というアイデンティティにしがみつこうとしてしまったのだろうか?

では大衆とは?
大衆とは、主体性を持たず、人間集団の数の力や既成の権威に依存し、名前(私という固有性)という責任を持たない匿名に埋没する人々を指します。

大衆の特徴


大衆は他人と同じでありたいと願う人
皆と同じであることに苦痛を覚えないばかりか、かえって同じであることに心地よさを覚える。他人と同じ、集団と同じであることに喜びを覚え、個人の責任を希釈された集団的無責任に安心を感じます。大衆は、少数派を排除してしまう。

・大衆は過去の遺産に敬意を払わない

・多数派であることの慢心
現代が優れていると思い込んでいる。多数派であるがゆえに正しいと思い込んでしまっている。分かり合うための対話をしない。自分がよければそれでいいと思っている。

・専門家が大衆の典型になっている
専門が細分化され、専門以外のことであまり知らないにもかかわらず、物知り顔で様々な問題を語る専門家こそが、現代の大衆の典型である。

大衆の対概念としての貴族とは?
主体性を持ち、自己に厳しい課題を課し、自己を実現するための努力と人間的責務を果たす人々です。

最後にまとめと感想

つまり大衆とは自分は正しいと思い込み、少数派を排除する人である。また過去に敬意を払わず、何でも変えられると思っている。

大衆とは反対に貴族とは、自分と違う考えの人と分かり合おうとする人で、過去に敬意を払っている。つまり困難と義務を背負う人である。

革命やファシズム、ボリシャビキを批判している。

歴史や過去に学び、少しずつ変革を行っていかなければならないということでしょう。

人類の歴史には様々な失敗・成功の事例が残っています。完璧な時代はありません。過去から学びつつ、未来に向けて進んでいかなければなりません。

以上です。ありがとうございました。