柚帆

ひとりごと

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五月の夏空に溺れる

入院する前にやりたいことあるから明日空いてる? 深夜に送ったLINE。どこへ行くのかも伝えずに、 私達は駅前に集合した。 夏の間ずっと病院にいなくてはいけない友人と、 入院直前に一日限りの夏をするために 海へと向かった。 海へ続く特急電車は知らない住宅街から森、川へと 続き、終電は空港。 この電車に乗ったら自分のまだ知らぬ場所へ、 線路をなぞってどこへでも行ける気がする。 海に到着し、靴を脱いで皮膚で大地を感じる。 砂が足の形に変形していく。 改めて地球の上に2本の足

    • 触れ合い、入り込む

      ※性描写が含まれます ご注意下さい※ 肉体ってすごく、邪魔だと思う 魂は毎日目まぐるしく変化しているのに、 どっしりと構えた魂のいれものを毎日引きずり回している。 体に不調があると急に動きたくなくなる。 私は元気なのに、肉体が元気じゃない。 肉体に聞いてみる。 「朝は、やっぱりダメ?朝は苦手だよね。分かる。」 私の体は、脳みそを鷲掴みするように、鼓動するような感覚を私に与え、返事をする。 その返事の仕方はあまり好きじゃない。 そんな脳みそを抱えて家を出ると、つい目でな

      • 自転車に乗って夜の街を旅する

        自転車に乗っている時は、当たり前だけど『移動する』以外何も出来ない 自転車の上で自分が形成されたんじゃないかと錯覚するくらい考え事をする 冷たい風に脳が吹かれて、冷静で素直な感情が夜を漂う 自転車だったら好きに寄り道ができるし、好きな時に帰れるし、歩くよりもハードルが低い気がするので、家から一歩も出なかった日なんかは自転車に乗って夜の街を旅する 昼よりも、夜の散歩が魅力的に見えるのは何故だろう 知らないコンビニを見つけた 知らない場所のコンビニは、唯一自分が知っているも

        • 挫折の音

          「お前、よく分かんなくて気持ち悪いかも」 「うん、私も、私もそう思う」 数え切れない程の本が置かれた図書室で、 本の数を数えながらお互いの話をしていた 【小学二年生】 ピアノ教室に通わせてくれと頼んで、 近所の小さなピアノ教室に通っていた でも目の悪い私は楽譜が遠くて読めず、全ての楽譜を暗譜して教室に行っていた。 「多分楽譜読めてないです」 先生は、私の親にそんなこと言ってくれたようだが、 メガネを付けたらもっと目が悪くなるという 考えの為、買って貰えなかった。 目の

        五月の夏空に溺れる

          仮面浪人時代を振り返る

          まず本題を読む前に、結果を伝えておこう。 私は仮面浪人に成功した。だが、人に勧める気はない。仮面浪人の成功率は約5パーセント。5パーセントの確率にかけるなんて、あまりにも無謀すぎる。だって、95パーセントは失敗するってこと… でも、挑戦する人はそんなの気にせずに突っ込むんだ。と言いたい。5パーセントか…と諦められるのなら、きっとその大学でも何とかやっていけるさ、きっと。 それでも諦めがつかないなら、挑戦すべきだと思う。 なんでこんなに言ってるかって、あまりにも辛いから。結果は

          仮面浪人時代を振り返る