見出し画像

担当作のことが好きすぎて、好きなポイントを書き出したら52個ありました

担当作のことが大好きすぎて、オススメポイントを一つに絞れません。どうしよう。

そんな編集者と思えぬことを言いだした軟弱者は、この私・森です。どうもこんにちは。
しかし本当なのだから、しかたありません。

本を作る際に、訴求ポイントは一つか二つに絞るべきだと言われます。あそこも良いし、ここも良いし……と言われても、「結局どこがいいの?」ってなりますよね。
なので、「号泣!」とか「どんでん返しがすごい!」とか、本のオススメポイントを絞って広告などで打ち出していきます。
ちなみに余談ですが、人は通常2つ、最⼤3つまでしか一度に要点を覚えられないそうですよ。へえ~。

まあそんなわけで、たくさんの人に本を読んでもらうためにも、その魅力ポイントは絞るべきなのですが、絞れないのです。
3月5日に発売になる、山本幸久さんの『花屋さんが言うことには』という本が、もうほんとめっちゃ良くて、最高過ぎて、一言で語り切れぬのです。


表紙がマジかわいい

<内容紹介>
24歳、ブラック企業勤務。身も心も疲れ果てていた紀久子が深夜のファミレスで出会ったのは、外島李多と名乗る女性だった。彼女は「川原崎花店」という花屋さんを駅前で営んでいるらしく、酔っぱらった勢いで働くことに。
やたらカレー作りがうまい青年や、おしゃべり好きの元教師、全体的に適当な李多。バラエティに富んだ従業員と色とりどりのお花に囲まれながら、徐々に花屋さんの仕事に慣れていく。
花を求めるお客さんの事情はそれぞれ。誰かを祝う花もあれば、少し切ない花もある。いろんな想いが詰まったお花を届けているうちに、紀久子は自分の心にもう一度向き合いはじめ――。

駅前の花屋さんを舞台にした小説で、2年前に単行本として刊行になりました。単行本が出たときは「王様のブランチ」に取り上げられたり、明屋書店さんの「ハルイチ」に選んでいただいたりし、各所で話題になって本もよく売れました。

山本幸久さんと森のお付き合いは長く、僕が編集者になってすぐに担当を引き継がせていただいたので、初めてお会いしてから9年近く経ちます。何冊も本づくりをご一緒させていただきましたが、映画のノベライズや前任者が手掛けた単行本の文庫化などが続き、一から本づくりをご一緒することができたのは本作が初めて。自分自身としても感無量の思い入れがある本です。

そんな『花屋さんが言うことには』ですが、本当に大好きなんです。僕の推し本と言っても過言ではありません。
(なお、編集者は非常に惚れっぽいので、次の担当作が出るときには、その本が推し本になっていますが悪しからず)

この推し本をどうかたくさんの人に読んでほしいから、その魅力ポイントを絞って伝えたいんですが、好きなポイントが多すぎてまとめられない!
悩みに悩んだ末、こういう結論に至りました。

好きなポイントが多すぎてまとめられないなら、まとめなきゃいいじゃない

もうね、全部、まるっと伝えようと。
この本の大好きなポイントをすべてありのままに伝えればいいのではないか。
これだけたくさんの魅力がある本だということがむしろ伝わるのではないか。

そう思って、だーっと書き出してみました。

52個ありました。

★★★

・主人公が夢を追う姿に泣ける
・自分も夢を持とうという気持ちになる
・自分のやりたいことってなんだっけ?と振り返る
・ラストで泣く
・マジで泣く。応援泣きする
・いっぱいお花が出てくる
・読みやすくて一気読みしちゃう
・装丁がめちゃくちゃおしゃれ
・カシワイさんのイラストが最高
・この構図が天才的
・カバーの花が鮮やかできれい
・誰かに本をプレゼントしたくなる
・登場人物みんないい人
・人を信じようと思える
・書き下ろし短編が載ってる
・ブラック企業に疲れ果てていた主人公にわかりみが深い
・主人公を救う花屋の女性店長がかっこいい
・花に詳しくなる
・花言葉に詳しくなる
・各話で花言葉がニクイ使われ方をしていてすごい
・帯の裏にあるお花がめちゃかわいい
・帯の二色デザインがおしゃれ
・この花屋さんで働きたい
・この街に行きたい
・主人公と親友の友情が良い
・古い友人に会いたくなる
・主人公の奥手な恋を応援したくなる
・いろんな形の恋と愛が出てきて好き
・ちょっと不思議な話もあって好き
・ちょっとビターな話もあって、それもまた好き
・ビターだけどちゃんと救いもあるから良い
・三輪自動車がかわいい
・家に花を飾りたくなる
・お花があれば、日々が豊かになるような気がする
・誰かにお花を贈りたくなる
・章扉のデザインがセンスいい
・花に詳しい常連小学生が癒し
・バイト君の絶品カレーが食べたくなる
・愛に形やきまりはないんだと思う
・カバー見てるだけで元気が湧く
・いいことあるかもなあと前向きな気持ちになる
・花屋さんのお仕事に詳しくなる
・お仕事小説としても名作
・群像劇としても名作
・人生いろいろあるけど、なんとかなるかなあと思える
・働いている人それぞれのドラマがまた泣ける
・小さな街の物語としてもよく出来てる
・きっと応援してくれる誰かがいる
・誠実に、まっすぐに生きようと思う
・お花にまつわる古典の話もあって勉強になる
・お花は昔から身近にあったんだなあと思う
・タイトルのセンスもいい

★★★

こんなに素敵な所がある本って、すごくないですか?
本を求める理由は人それぞれですが、これだけ良い所があるならば、きっと誰かの求めるポイントに刺さるはずです。

52個のポイントのどれかにピンときた人がいれば、ぜひ『花屋さんが言うことには』を読んでみてください。
ぜったいに損はさせません。

この春におススメの一冊、どうぞよろしくお願いします。

担当:森潤也


この記事が参加している募集

編集の仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?