はじめての漏電
またぽんぽ子が何かやらかしましたよ。
(前回はオートロック機能の罠で自宅に入れなくなりました。)
かなり不注意優勢で、一般的な人がしなくていい苦労をするので、よく自分が嫌になります。でも、そんな人生も退屈しなくて楽しいのかもしれません。いつか間違ってあの世に逝かないようにだけ気を付けないといけませんね。そこは、行ったらなかなか戻れないらしいので。
おことわり
この記事を読んで、私を莫迦にしたくなる方、あるいは私に怒りたくなる方もいらっしゃるかもしれません。でも、私が莫迦なのは私が一番わかっています。同じ失敗を繰り返さないように対策はしているので、どうかそのような言葉は胸に留めていただきますよう。よろしくお願いします。
ポチャ…
その日は7月も終わろうかという日。最悪なほど良い天気の昼でした。
私は晴れている日は毎回洗濯するようにしています。私は洗濯に粉末の酸素系漂白剤を使うのですが、我が家の洗濯機はお湯が出ないので、ちょっと手間が増えます。
1. 一番少ない量で洗濯層に水を張る
↓
2. ぬるま湯で粉の酸素系漂白剤を溶かして入れる
↓
3. ちょっと回す
↓
4. 洗濯物を入れる
↓
5. 洗剤と柔軟剤を所定の穴に入れる
↓
6. 水位を増やして洗濯
だいたいこんなルーティンで洗濯してます。
書き起こすと「こんなに面倒なことを毎回やってるの!?」と思われるかもしれませんが、実際は1分ほどで終わります。
事件は、3. の時に起こりました。
いきなり洗濯機が止まったので、何かと思いました。すぐ気づきましたが、洗濯機どころか電気が何もかも消えてるんですよ。
よく見たらドライヤーが、コンセントにつながれたまま洗濯機の中に落ちてたんです!よりによって水を張ってるときに!
漏電の知識がなかった私は、「よくわからないけど、コレのせいで停電したんだな」と理解し、とりあえずドライヤーのプラグを抜いて水から救出しました。私の背では届かないので、ハンガーを使って分電盤の一番大きいつまみを動かしてみました。電気の使い過ぎでブレーカーが落ちることはよくあるので、ここまでは冷静に行動できました。でも、電気は戻ってきませんでした。どこに行っちゃったの……。ブレーカーをいじるためにちょっと動くだけですでに汗だくでした。
スマホの充電残量は十分にあったので、夫に電話してみました。まず仕事中にかけることはないので、すぐに出てくれました。
「どうしたの?」
「あのー、今、ドライヤーが水に落ちちゃって。電気つかなくなっちゃって。」
「えっ。」
「ブレーカー動かしてもつかないんだけど。」
「それ完全に漏電だよ。事故だよ。」
「どうしよ。」
「とりあえず、ケガとかないのね?」
「ない。」
「電力会社に電話して。今から帰るから。」
電話してる間に全身から汗がにじみ出て仕方なかったです。
電力会社に電話する前に、急いで冷蔵庫の牛乳とアイスを消費しました。おいしいものは味わって食べたかったのに。
自覚できないパニック
電力会社のオペレーターはすぐ電話に出てくれました。女性の声でした。ことのいきさつを話すと、
「ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。」
と、思いがけず謝罪の言葉が。こちらこそこんなことになって申し訳ないです。
この時、分電盤の状態についても訊かれたのですが、角度のせいでよく見えないまま、曖昧に答えていました。今思えば、オペレーターの方をお待たせしてでも踏み台を持ってきて、ちゃんと見える位置で確認すべきでした。
興奮して暴れたくなるようなことだけがパニックではなく、いつもならできる判断が自分でも気づかないうちにできなくなることもパニックなのだなー、と思います。
契約者、住所、屋外の電力メーターの番号、色々な情報のやり取りをしているうちに、10分以上経っていたでしょうか。修理の方が来てくださることに。なお、「停電の責任がお客様にある場合は修理費を請求します」と、ことわってくれました。そりゃそうだ。払う払う。払うから早く直してくれ~ということしか頭にありませんでした。
電話を切る前に、「水分補給を忘れずに、くれぐれもお気をつけて」と、私を気遣う言葉をいただきました。物理的な解決にはならないけれど、ずいぶん心が救われたものです。
避難
夫の指示で、冷蔵庫の中の傷みやすそうな食品を、ありったけの保冷剤とともに発泡スチロールの箱に移しました。私の判断で、ステンレス製のタンブラーいっぱいに氷を入れ、残っていた麦茶を全部入れました。暑さに耐えきれず、電話している間に裸になっていたので、仕方ないけど服を着ました。私が居たところに、汗で世界地図ができていました。
そして食材や飲み物を抱えて、冷房をマックスにした自家用車に移動させました。その間の暑いこと暑いこと。数歩移動させる間にかえって食材が傷んでしまったのではないかと思ったほどです。
これも今だから考えられることですが……、水は使えるので、冷蔵庫の食材は浴槽に放り込んで流水で冷やしてもよかったな、と。ついでに私もそこに放り込めばもっと涼しく過ごせたな、と。
次があったら活かそうと思います。(次があってたまるか)
ツイッターありがとう
車で修理の方を待っている間、特にやることがなかったので(強いて言えば生存?)、手癖でスマホでツイッターをやっていました。(その時はまだ、『X』なんて名前ではなく、『ツイッター』だったのです。)
「そんな時に何してるの!」と思われるでしょうか?それが結果として良かったんです。フォロワーさんに色々な気遣いをしていただき、言い表せないほど助かりました。日常から逸脱している時こそ、いつもやっていることをして、いつも関わりのある仲間とお話しすることは、自分の心のために本当に大切だと思います。こんな時にひとりという状況は、パニックを加速させそうですから。
そして、あるフォロワーさんが、漏電ブレーカーの存在を教えてくださりました。一度家に戻り、風呂場のイスを持って来てのぼり、分電盤を確認したところ、小さいつまみの下に『漏電』の文字が!さっそく動かしてみると、視界の横からパッと明るくなりました。復旧できたんです!やったー!家中が息を吹き返したようでした。
戻ってきた日常
電力会社にふたたび連絡し、修理は必要ないということを伝えました。悪いことをしたなと思います。
食材を元通りにしまいました。全部冷たいままで、無事でした。リセットされた給湯器の時計を合わせました。一連の騒動の間、中途半端にしていた洗濯もできました。
気が抜けた瞬間、貧血の症状のようにクラクラしてきました。当然の結果ですが、暑さにやられていたようです。ガンガンに冷房を効かせた部屋で横になって休みました。
まもなく夫が帰宅しました。会社には「家庭内トラブル」と伝えていたようです。まあ間違いじゃないけども。
「ケガないならいいよ。」
安心したようで、帰ってくるなりパソコンで作業をはじめました。「仕事かな?」と思うでしょう?私の自作したアニメーションの編集作業でした。
↑その結果完成したものがこちら。
ありがたいけれども、なぜ汗だくで帰宅早々これをやる……。横になったまま、何度も何度も聞こえてくる広瀬香美の『promise』。モニターには荒ぶり続けるヴァンくん。
揺れる 廻る 振れる 切な〜い気持ち〜♪
この件でまともじゃなくなったのは、夫の方だったようだな?
そして、私が元気になってきた後、その日のうちに新しいドライヤーを買いに行きました。
夏の停電に備えて
今回は完全に私のせいで電気が使えなくなりましたが、近日の豪雨災害により停電や断水した地域があったと聞きます。被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
もし、夏場に停電したら本当に命に関わります。身にもって感じました。今の日本の夏、電気がなければ生きられません。かといって対策できることがあるかといえば、私にはあまり考えが出ませんでした。飲み水を多めにストックしておく、常にガソリンを満タンにしておく、保冷剤や凍らせる飲料を冷凍庫に入れておく…そんなことしか思いつきません。間違いなく、この時代の暑さにうちわなどでは太刀打ちできません。
確実に備えるなら、家庭用バッテリーの購入を検討すべきかのかもしれません。
おまけ・後日談
漏電ブレーカーのことを教えてくださったフォロワーさんは、いわきFCのサポーターです。後日、ホーム試合の日に、直接お礼を言えました。命の恩人と言っても過言ではない方です。
「感電しなくてよかったですね」
そうか、ちょっと運が悪かったら…熱中症になる以前に、一瞬であの世に逝っていたのかもしれない、と怖くなりました。多少不便で不快な思いはしたけれども、とりあえず生きていることに感謝しないといけませんね。
そして、私を見て「思っていた年齢と違った」と。
うふふ^^
ソースはもう覚えていないけれど、「ネットで素性を明かされずにやりとりをした人物を、人は自分と同じくらいの年齢だと推測する」という説をゆる〜く支持しています。
おしまい
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