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オススメの食に関するエッセイ41冊、まとめ。

小学生の頃、シール集めが流行ってましたが、その中でも私のお気に入りはお料理やお菓子のシールだった。ミニチュアも昔から好きだけど、突き詰めるとフェイクフードが好きなんだと思う。ともかく昔から、"食べ物" を愛でることが好きなんです。

その延長戦で、食べ物に関する本もたくさん読んできた。特にエッセイ。70冊ぐらいあるんじゃないか?と思ったのに、大学生の頃から利用しているブクログ(読書記録サービスhttps://booklog.jp)の記録を見ると、食メインの本は41冊しかなかった。うーん、かなり記録し忘れている本がありそうだ…

のですが、とにも角にも、後述する今私が「いつかちょっとやってみたいこと」の為に、少しこちらで個人的メモとしてまとめ直してみます。かなり粗雑なまとめで、エッセイだけでなく小説も一部入ってます(早速タイトルに偽りあり)。最初の四桁数字が刊行年です。出版社は、途中で切り替わってる本とかあったので省いてます。

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1. 
1946 御馳走帖 / 内田百間
アイスクリームを「食べる」とするか「飲む」とするか、百閒さんが表現迷ってるところがあって、ああ新しい食べ物に対しては、それに使う動詞も最初は決まってへんのか、とおもった。あとソップがスープのこととか、へーそんな風に言うてたん。そんな習慣があったん。みたいなのが多くて面白かった。

2. 
1963 巴里の空の下オムレツのにおいは流れる / 石井好子
シャンソン歌手の石井さんの食エッセイ。

3.
2011 東京の空の下オムレツのにおいは流れる / 石井好子
ロールキャベツにご飯入れてさらにグラタンにするやつの印象が強い。

4.
1968 女たちよ! / 伊丹十三
日本にアルデンテの概念を持ち込んだのは伊丹十三だとかなんとか。サラダの作り方・お酒の飲み方・ローストビーフのこと…。

5.
1987 フランス料理と私と / 伊丹十三
これ実は読んでない。絶版なのよ。人の感想見る限り面白そうなのでとても読みたいのだが…というメモ。

6.
1970 檀流クッキング / 檀一夫
火宅の人。女優檀ふみのお父ちゃんの料理エッセイ。たまに太宰や坂口安吾が出てくる。

7.
1975 礼儀作法入門 / 山口瞳
グルメ本ではないけど、マヨネーズは食卓に出してはいけない、というのがめちゃくちゃ頭に残っているのでメモしておく

8.
1976 聡明な女は料理がうまい / 桐島洋子
霧島ローランドの母さん。なかなか挑発的なタイトル実は男性への挑発のように思える。ロートレックの残したレシピに奮闘する話が面白かった。本編と関係ないがこの人、船上出産は金がかからぬとして、子供をマルセイユからの船の上で産んでいる。凄いというか、やばいというか。

9.
1977 散歩のとき何か食べたくなって / 池波正太郎
ちょいとだけ昔の日本の食べ歩きをしてみたくなったら…これがいい…(池波さんは…を多用する…)

10.
2004 池波正太郎の食卓 / 池波正太郎
これは池波正太郎本人じゃなく、その書生さんと料理人さんが色々写真付きで池波dishesを解説してくれる。

11.
1977 富士日記 / 武田百合子
グルメ本ではないのですが、昭和の毎日の買い出し・献立の様子が見えて面白いです。ただ百合子さんの夫の作家泰淳さんは朝から串カツとか食べてて、それが昭和の普通ではなかろう(笑)。胃はもたれないのかしら。

12.
1984 ことばの食卓 / 武田百合子
※読んだ記録はあるが感想のメモが残っていない

13.
1981 地球はグラスのふちを回る/開高健
超オモチロイ〜美味しそ〜オーパ!オーパ!

14.
1982 美酒について / 吉行淳之介・開高健
お酒とお食事の勉強ができる。おなかがすいて、いいものが食べたくなる。開高さんがよく喋り、淳之介さんが相変わらずいいおとこ。

15.
1982 象牙の箸 / 邱永漢
中華料理のいろいろを集めた名エッセイ。他の著作読んでないが読みたい。

16.
1988 村上龍料理小説集 / 村上龍
エッロ。目次が料理名になっているので試し読みで確認して気になったら読んでみるよろし。

17.
1988 わたしの献立日記 / 沢村貞子
ヒィ〜丁寧〜!丁寧な暮らし〜!ひたすら献立。好き。


18.
1990 ムツゴロウ雑食記 / 畑正憲
ムツゴロウさん、ベースは常規を逸しているということがわかりました。常規を逸しています。

19.
1991 イギリスはおいしい / 林望
イギリス滞在の前には必ずご一読を!!わたしの英国生活はこのエッセイのおかげで食に関してはめちゃんこ楽しくなりました。

20.
1995 田園の快楽 / 玉村豊男
グルメ本じゃないかもですが。元祖スローライフ、丁寧な暮らし with money.

21.
1999 料理の四面体 / 玉村豊男
フォンド・ボーとか、そういう意味だったの!?なんだろ、タイトルの通り、調理法を色々分けて分析して考える感じ。面白い。

22.
1997 中国怪食紀行 / 小泉武夫
あ〜〜中国は広い!奥が深い!

23.
1997 文人悪食 / 嵐山光三郎
嵐山光三郎さんの文章大好きだからもうこの人の本というだけで読む価値がある。夏目漱石や与謝野晶子などの文人たちの食エピソードが37人分も読める。しかも嵐山光三郎の文章で。めちゃくちゃ面白い。

24.
1998 ああ言えばこう食う / 阿川佐和子・檀ふみ
女優檀ふみさんと今や有名インタビュアーの佐和子さんの往復書簡。佐和子さんのコメの研ぎ方がヤバイ。

25.
2007 太ったんでないの!? / 阿川佐和子・檀ふみ
白子のリゾットトリュフがけが食べたい。

26.
1998 大江戸美味草(むまそう)紙 / 杉浦日向子
コメディお江戸でござるの解説の方の本(彼女の漫画も好きだ)。江戸の四季の食べ物の話。彼女の他著作『一日江戸人』にも江戸グルメ話は多く載っている。

27.
2004 4時のおやつ / 杉浦日向子
日向子ちゃんの好きなおやつが知れるのかと思ったら、短編集やった笑

28.
2004 ごくらくちんみ / 杉浦日向子
感想が残っていないが、面白かった記憶がある。

29.
1999 なにたべた? / 伊藤比呂美・枝元ほなみ
詩人の伊藤さん、料理研究家の枝元さん。へ〜このお二人仲よかったのか!内容としてはなんか結構エグい往復書簡。

30.
2001 面白南極料理人 / 西村淳
ご存知映画の南極料理人の原作です。写真もたくさん載ってて面白いよ。

31.
2006 笑う食卓 / 西村淳
※感想のメモが残っていない

32.
2002 旅行者の朝食 / 米原万里
ゴルバチョフの通訳も務めた、天才ロシア語通訳者まりさん。この人のエッセイは最高に面白いので、これも最高に面白いしうまそうだし超おすすめだよ。ハルヴァというトルコ 蜜飴的なお菓子を超絶食べてみたくなる。この天才が亡くなったことが、私はいまだに信じられないでいる。

33.
2003 京のおかし歳時記 / 中村優江
※感想のメモが残っていない

34.
2006 ひとくちの甘能 / 酒井順子
甘味が好きで、酒井さんの、こう、独特な言い回しが好きな人は、とても楽しめる。

35.
2006 がんばれ自炊くん / ほぼ日刊イトイ新聞
自炊のすすめ。パスタ最強説。

36.
2007 白洲次郎・正子の食卓 / 牧山桂子
白洲家だからさ、器もいいんだこれが。

37.
2014 あさめし・ひるめし・ばんめし / 日本ペンクラブ
※感想のメモが残っていない。

38.
2015 もの食う話 / 文藝春秋
食のアンソロ。有名作家たちの食エッセイを読みたいがどこから手をつけようか悩むという人には、とってもいい一冊。

39.
2020 フィッシュアンドチップスの歴史 / パニコス・パナイー
そのままですがイギリスでのフィッシュアンドチップスの歴史がわかって面白い。

40.
2020 奥村彪夫の豆腐百珍・卵百珍 / 奥村彪夫
江戸時代もレシピ本がたくさん刊行されたことは杉浦日向子さんの本で知っていたが、それらを今作る場合のレシピ本。(レシピ本だからエッセイじゃないかな…)

41.
(刊行年調べきれなかった) 薬菜飯店 / 筒井康隆
食に関する小説というと、私は真っ先にこれが思い浮かぶ。最近体調悪いので特に。最近体調悪い人は是非読んで欲しい。この店にものすごく行きたくなるよ。あと筒井さんの『定年食』、これも凄い。定年になる上司にプレゼントしたら、絶対喜ばれない小説第一位。

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有名どころが多いので、読んだことある本もたくさんあったのでは??ところで、これらの本は私が大学生の頃に読んだものが大半なのですが、今読み返してみると、ものすご〜くひっかかることがある。

それは「料理は女がするもの」という前提で語られているものがほとんどということ。自ら料理する男性作家のエッセイも、そこには「料理もしちゃう、ちょっと変わったオレ」というアイデンティティが透けて見える気がする。

ここに挙げた本は昭和〜平成初期が多いので、それは致し方ないのでしょう。
で、私が最近ぼんやり「これやったら面白そうやな」「いつかやってみたいな」と思っているのが、こういう時代別食べ物エッセイから、人々の料理の性役割の捉え方を読み解いて、その変遷を追ってみたいな。ということ。これ絶対面白いので、先行研究は数多ありそうだけど。

私結婚して、共働きになって、その後図らずも突然専業主婦になって、その間基本的にずっと料理は私の担当だった。私は料理とても好きなのでそれは構わないのだけど、なんかこう…やっぱり、私の好き嫌い得意不得意は関係なく、その担当分担は共働きの頃から自然とこちらに寄ってきた感がある。でも数年前の私はそれを特におかしいとは思わなかったんですよね。それは、数年前までは上記に挙げた食エッセイの数々を読んでも、何も疑問を抱かなかったのと同じように。いつから私はそれを不思議に思うようになったんだろう〜?


ま、それは置いといても、ここにあげた本、基本的には全てオススメ!是非読んでみてね〜

おしまい。

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