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たったの0.6%!専業主夫の理想と現実

専業主夫』という言葉をご存知だろうか?専業主夫とは男性が家事や育児を行い、女性が外で働いて家族を養う夫婦の形のことだ。

男女平等、女性の社会進出、それらの推進によって学力や体力やコネに恵まれた女性たちは今や男性かお前の高給取りも珍しくない。同一賃金同一労働、同じ学歴で同じ会社に入れば男女ともに給与は横一線、実力さえあれば女性でも昇格昇進できる世界がようやく日本にも定着した。

しかし男女の賃金格差の統計データを見ると、未だに男性の方が女性よりもより多くの稼ぎを得ている。確かに男性の方が女性よりも体力的に無理が聞くため、長時間残業などをして稼いでいるという側面もあるだろうが、それだけでは説明できない給与格差である。この給与格差の最も大きな原因となっているのが既婚女性のパートタイマー化である。多くの女性は結婚と出産を機にフルタイム労働から下りる傾向が高いのである

内閣府「男女共同参画白書 令和4年版」

共働き家庭の割合は年々増加の一途を辿っているが、増加しているのはフルタイム旦那×パートタイム奥さんの組み合わせであり、フルタイムで働く女性の割合は増えていないのである。そしてパートタイムで働く女性の多くが、三号被保険者制度を利用し年収を100万程度に抑え、フルタイム正社員として働く夫の扶養に入っている。そうすることで税金が優遇され手取りが多くなるのだ。これが俗にいう”年収の壁”である。

Yahoo:パート主婦は年収106万以内がお得

働く男女の賃金格差を創り出しているのはこのパートタイム女性たちであり、正社員としてバリバリ働く男女の賃金格差は統計ほどの差はないのである。特に医者や薬剤師、弁護士などの資格業に就く女性はそこら辺の男性よりも圧倒的に稼げている。

このような社会構造の変化により、新たに生まれたのが『専業主夫』という概念だ。男性並みに働く女性が登場したのだから、女性並みに家事育児を行い働く女性をサポートする男性がいてもいいじゃないか。男女平等の概念からも筋が通った考え方である。10代~30代の若い世代の男性たちの半分は専業主夫になることに前向きであり、なかには専業主夫になりたくて養ってくれる女性を募集している男性もいる。

PRTimes:何が何でも専業主夫になりたい若者が1割


稼げる女性は沢山いて、家事育児をやる気満々の男性も沢山いる。キャリアを大事にする男児にする女性と、家で妻をサポートする男性。平等の追い風にも乗って専業主夫家庭はいま続々と増加しているのだろうか?早速政府統計データをもとにグラフを作成してみたところ、驚きの結果となった。

政府統計窓口:2017年で60歳未満家庭の専業主夫率は平均0.6%のみ


20代~50代までの夫婦で専業主夫世帯の割合は、平均0.6%しかなかったのである。
そう、専業主夫家庭は男女平等が進んだ現代社会においても、めちゃくちゃレアケースに過ぎなかったのだ。ちなみに夫婦無職の平均が1%のため、専業主夫家庭は夫婦無職家庭よりも珍しいという結果になってしまった。確かに筆者の周りのご家庭を見渡してみても、専業主夫家庭は1例も見当たらない。肌感覚からしてもこの統計データは正しいと確信できる。

しかしなぜこれだけ女性が稼げる時代になったにもかかわらず、専業主夫は増えていかないのであろうか?その大きな理由として挙げられるのがハイパーガミーとも呼ばわれる女性の”上昇婚”である。

上昇婚とは読んで字のごとく、女性が自分よりも格上の男性としか結婚したがらない傾向のことである。つまり稼げる女性ほど自分より稼ぐハイスぺ男性としか結婚したがらない、ということになるのだ。稼げる女性が無職の専業主夫と結婚することは、この上昇婚の傾向からあり得ないのである。女性の上昇婚志向という函谷関並みの高い壁の前に、専業主夫を夢見る男子の挑戦はあっけなく跳ね返されているのである。

PRTimes:女性の88%が「自分より稼ぐ男」との結婚を望んでいる

ただし、専業主夫家庭が全く増えていかない原因は上昇婚だけではない。実は専業主夫希望の男性側にも大きな問題が潜んでいるのである。

また非常に数は少ないとはいえ、0.6%の夫婦は専業主夫家庭として運営されている。この0.6%の家庭はどのような理由で狭き門を突破しレアケースに辿り着けたのであろうか?

まずは上昇婚以外の専業主夫家庭の増加を拒む要因について書いていこう。女性の上昇婚に次ぐ専業主夫世帯が増えない原因として大きいことが……

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