カップルたちよ、山に登れ
山は人の本性を暴く。
非婚化問題が叫ばれる令和日本ではあるが、今でも多くの男女が付き合い結婚して家庭を築いている。しかし地獄のSNSツイッターをひとたび覗けば、そこには結婚相手に恵まれなかった既婚者男女の阿鼻叫喚の声が溢れている。
結婚相手とは人生のパートナーであり、いくら相手の顔や性格が好きだったとしてもそれだけでは幸福な家庭は築けない。生活を共にしていくためには最低限クリアして貰わなければならない、そんな人としてのハードルが存在するのだ。
生活できるだけの稼ぎ、育児をこなせるだけの体力、ご近所や親族とトラブルを起こさずに付き合えるコミュ力、それらがないと結婚生活は上手くいかないのである。世知辛い話ではあるが愛だけでは幸せな家庭を築くことは難しい。
結婚生活は長ければ40年50年ともにひとつ屋根の下で生活することになる。結婚相手がろくに仕事をしなかったり、ちょっとした過労ですぐ寝込んでしまったり、些細なストレスが原因で八つ当たりしてきたり、自分の両親や親族と会うたびにもめ事を起こしてしまうような相手であればたまったものではない。ダメなところもお茶目でカワイイ!で済むのは恋人時代までである。
結婚後、特に子育てが始まる頃になればそれまで気にも留めていなかった価値観や文化的資本力、身体の強さや頭の良さ、それらが一斉にお互いの過ごして来た人生の背後から這い出して来る。その時になってしまった!と思ってももう手遅れなのだ。どれだけ目の前の彼氏彼女を愛していたとしても、シビアな目で「本当に結婚して共に人生を歩んでいける相手なのか?」と冷静に判断することを怠ってはならない。
しかし恋で曇った瞳では数字化できない相手の能力を正しくにチェックすることは難しい。稼ぎについては給与明細や勤続年数を見れば一目瞭然であるが、体力の有無やコミュニケーション能力、知識の豊富やさや物事に対する要領の良さや段取りの良さ、心身が疲れ切っている時にどのような態度をとるのか、などの数値化が難しい特性については、同棲でもしない限りは中々判断を下すことが出来ない。しかし、実は1回のデートでその人の本性や結婚への適性をある程度判断できるイベントがある。
それが山登りやハイキングだ。
山登りデート(そこまで険しくないハイキングコースで十分)でわかる情報、その一つが”体力”である。日頃のデートではそこまで長時間歩くことがないのでわからないが、ハイキングなどで山道を1時間以上歩くことで、その人の持つ体力をある程度把握することができる。歩くことは人間にとって最も重要な動きの一つである。1時間ぐらいならスニーカーで山道をモリモリ歩ける男女は体力マンである可能性が高い。
女性はともかく男性ならハイキングコースを1,2時間歩くぐらい楽勝じゃない?と思う女性が多いかもしれないが決してそうではない。デスクワーカーで全く運動習慣がなく肥満体形のアラサー男性の中には、女性よりも歩くのが苦手な男性も少なくないのだ。筋力では男性は女性よりも圧倒的に優れているが、長時間の軽い自重運動に対する耐性に関しては必ずしも男性が優れているとは限らないのである。
次にわかるのが”疲れてきた時にどのような態度を取るのか?”である。実は結婚生活を長期的に継続していく上で最も大切なのがこの部分だ。
人は誰しもが心身が付かれた時ほどそれを態度に出してしまうものである。些細なことで舌打ちしたり、ちょっとした口論で怒鳴ってきたり、近くのモノや人に八つ当たりしたり……もしそのようなパワハラ気質の人間と生涯一緒に暮らしていくことになれば、いつも相手の顔色を伺って生活するはめになってしまう。そんな生活を長期間続けていたら、いつしか心は壊れてしまうだろう。
山はその人間が持つ根源的な体力の指標である歩く力と、いつもは理性の壁で覆い隠している他責性の強さを炙り出してくるのだ。
さらに幅を広げて友人同士でのキャンプなどさらなるアウトドアイベントにもトライできれば、段取り力や要領の良さ、不測の事態に面した時の態度なども目にすることが出来る。どうしようもない圧倒力を持った大自然と向き合ったときに見せる態度こそ、抗えない運命にその人が直面したときに見せる表情なのだ。
ただキャンプまでいくと、歩けばいいだけのハイキングと違いかなりハードルが高い。しかし、もっと簡単でかつキャンプと同じぐらい相手の結婚適性がわかるイベントがある。
さらに、女性にはちょっとしんどいアウトドアイベントとは違い、女性が楽しみながら彼氏の忍耐力や体力を見抜く”男の器測量イベント”も存在する。上記と併せてそれらの詳細について書いていこう。
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