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東京マラソン2023レースレポ 念願のサブ50達成しました!

1年前の東京マラソン2021。初フルマラソンでのサブ50、ダメでもサブ55、最低でもサブ3という意気込みで臨んだデビュー戦はハンガーノックで大撃沈(グロス3:10:51/ネット3:09:26)という結果に終わり、苦痛と悔しさに満ち溢れた大会でした。そもそもの自分の実力の見誤り、スタート直後のジグザグ走行、前半のオーバーペース、GPS自動ラップによるペース感覚の狂い、ジェルを落としたことによる補給プランの失敗、エイドの水を取る技術の不足、集中力と謙虚さの欠如…と、考えられるほぼ全ての失敗をしていたと思います。

この悔しさが1年間の原動力でした

この時の反省をバネに1年間で4,500km超の距離を積み上げ、金沢マラソンでの2:52:33、イヤーエンドハーフでの1:19:50と実績もつくって、東京マラソンのスタートラインに再び立てることになりました。

思い描いていたレースプラン

スタート直後は混み合うのは確実だから事故に気をつけ、ジグザグ走行をせず、とにかく冷静に入ること。最初の2kmはネット9分までなら合格点。
2〜37.5kmはできる限り余裕度を減らさずに巡航する。この区間の目標ペースは3’57”だけど、どちらかというと感覚重視で決める。向かい風区間はリラックス感重視で我慢して、押し風区間で少しペースに乗るイメージ。
田町折り返し(37.5km)から向かい風が強ければキロ5秒くらいまで落としてOK。

全てが予定通りにハマってくれれば2:47:30だけど、タイムにピリピリせずに、イメージのような快走と言えるレース展開にすれば、PB更新もサブ50もついてくる。あとは楽しむだけだ!(かなり余談ですが、YOASOBIの群青の歌詞がめっちゃ好きで、自分のマラソントレーニングのテーマソングにしてます)
積み上げてきた練習に自信もあったことで、そんなようなメンタル的にもいい状態を作れていたと思います。

スタート前

スタートブロックはCブロック。
開場と同時に入場して約2時間待ちましたがブロック内の先頭はキープ。号砲5分くらい前にロープが外れて前に詰めるように誘導され、後ろからのかなりのプレッシャーもあってBブロックと渾然一体になります。おかげでスタートラインまではかなり近いところまで進めましたが、満員電車並みのギュウギュウ感で、こんな状態でスタートできるの?という不安がよぎるような状態でした。

2時間30分台(なかには2時間20分台)のランナーがCブロックにひしめき合う中、その前のBブロックに3時間〜3時間30分目標くらいのスマホで写真を撮っているランナーが理由はなんにせよかなりの人数配置されているブロック構成はやはり異常でした。し、Bブロックになった方々の中にもこんなアンバランスな配置は望んでいなかった人が多かったのでは?とも思います。

0〜5km(ラップ20’13”)

9:10。いよいよ待ちに待った号砲です。スタートライン通過までは25秒。通過順位は1164位。
最初の400mは110秒(4’35”/km)で想定通りの混雑ペースでしたが、Cブロック先頭待機をしたおかげもあって混雑緩和は思ったよりも早く、最初の1km通過は4’15”、2km通過は8’20”で予定の9分より40秒速く、自分のペース作りに集中できるくらいのコース状況にもなってきました。このタイミングで、40秒稼げた分を使って目標巡航ペースを3’57”/kmから3’58”/kmに1秒引き下げる判断をしました。
この区間は周囲を走るランナーのスピードにかなりのバラつきがあるため、ペースの速いランナーに釣られそうになり自分のペースを守るのに苦労しました。思ったよりかなり抑えていい。ペースに乗りすぎない我慢。ここで上げて後悔するのは30km後の自分。1km通過ごとに微調整して、最初の5kmラップは20’13”、2km通過以降は3’57”67とほぼ完璧なペースを掴むことに成功します。

この区間ではナガソエ練のメンバーや仮装をしていて目立っていたみのりんさんに並走する度にエールを送ったり、Ryoさん、ねこすけさんとマッチングしたりと充実した時間帯でした。
ねこすけさんとは37.5kmの最終折り返し地点まで共闘しましたが、ほぼ実力が同じと分かっている(つもりだった)ランナーと一緒に運べたのは、今回のレースで最大の好運だったと思います。

5〜10km(ラップ19’53”/ネット0:40:06)

市ヶ谷までの下りを終え平坦なコースになるのがこの区間。下りの勢いをそのままにペースアップしていくランナーもたくさんいましたが、ここも突っ込みすぎない我慢を継続です。全区間を通して唯一順位を落とした区間(980位→1042位)になりました。平均3’58”60とレースプラン通りに完璧にコントロールできていること、そしてMペースまで上げていない感覚なことも確認できており、全く焦りはありませんでした。
予定通り1つめのジェルも摂取。金沢マラソンでもご一緒させて頂いたkamiさんともエールを送り合います。

10〜15km(ラップ19’49”/ネット59:55)

引き続き抑えめのつもりでペースコントロール。
できる限り応援に応える!というのを走る前から決めていましたが、今年の沿道にはノリのいい外国人も多くレスポンスしてるうちに調子に乗ってきてかなりハイテンションモードで、時には声援を煽るゴール裏のような感じになっていました。周囲のランナーには「あいつうるせーなw」と思われてた気がします。そしてそういう時は自然とペースアップしてたりしたので、冷静に戻ったら再びペースコントロールです。

この区間ではHighさんにも追いついてエールを送ります。がすでにキツそう雰囲気…。Ryoさんも引き続き近くを走っていました。

15〜20km(ラップ19’55”/ネット1:19:50)

向かい風の影響が出始めた区間。たまに大柄な外国人ランナーさんの後ろに着かせてもらって少し休んだり、ねこすけさんと前後を入れ替わったりしながらお互いに消耗を抑えつつ、ひたすら一定の感覚で巡航です。
この区間ではMihoさんに追いついてエールを送れました。
浅草寺を通過した辺りで2つ目のジェルを摂取。毎回むせた感じになって苦手ですが、ハンガーノックで地獄を見ないためにはそれも我慢です。

20〜25km(ラップ19’47”/ネット1:39:37)

押し風もあって全区間で最速ラップになったのがこの区間。スライドでは男女それぞれのトップ集団とすれ違えたり、リーニンで前を走るしゅーさんにエールを送れたり、なによりもここまで来ればあとは先週試走したコース後半18kmを残すだけだという安心感があったりで、走っていてとても楽しい5kmでした。

25〜30km(ラップ19’55”/ネット1:59:32)

それまでペースを抑え込む感覚でラップ20分を切れていたのが、一転して努力感を上げて20分を切りに行くようになったのがこの区間。この感覚になるのはもう10km先をイメージでしたので、心の中では撃沈への不安が頭をよぎります。

思い返してみると序盤から心拍数は172bpm前後で推移していたのが少し気になっていました。2/12のMペース(3’59”)30km@駒沢公園の平均心拍数は164bpm、2/19の目標Mペース(3’54”)17km@駒沢公園の時は170bpm。それと比較しても明らかに高く、普段より糖質も多く使ってしまっている感覚もありました。

ここまで自分が前に出てねこすけさんを引っ張ることが多かったですが、ここからは出来るだけ前に出てもらって後ろで楽をさせてもらうことにしました。ペースが上がりがちになりそうなねこすけさんに、もう少し我慢しよう、この集団はすぐに抜かずに少し着かせてもらおう、そんな声掛けをしてコントロールしてもらっていましたが、実際には単に実力差だったんでしょう。彼にはもう2〜3秒速く巡航する力があったんだと思います。普段の練習会での走りや謙虚な言葉で実力を見誤っていましたが、彼自身が思っている以上の実力を既に持っているんだろうなと感じ始め、気にせず先に行ってくれていいから!と伝えました。

それでも、こんなところで終わりたくない!ここからが自分との勝負だ!と気持ちは強く保ち、カフェイン入りのジェルを摂取し、アドバンスト・マラソン・トレーニングにあったマラソン中のフォームチェックを思い出しながら集中力を高め、全力で立て直しを図ります。
長距離種目はキツくなってから長く粘る競技ではなく、キツくなる地点を少しでも先送りする競技。もしキツくなってきたら、そこからさらにキツくなる地点を先送りする競技。そんな言葉を思い出しながら、閾値ギリギリを探り続けました。

30〜35km(ラップ20’05”/ネット2:19:34)

前を走るねこすけさんは、イギリス人ランナーのスティーブンと、どこから来たの?目標タイムは?とコミュニケーションを取ってる。自分は背中に食らいつくのに必死。話を振ってもらったけど、英語どころか日本語すら出てこないレベル。それでもとにかく着いていく。

ここで心の支えになったのは日本橋丸善前(32.2km地点)で応援してくれている家族の存在でした。その前はせめて颯爽と駆け抜けたい!
姿を見つけてハイテンションになり、ありがとう!このまま行くよ!オッケー!と精一杯の大きな声で声援に応えました(が、あんな大きな声出さなくていいと、帰宅後に伝えられました…そりゃそうだわ)。
そのもう少し手前には練習会でお世話になっている宮原さんもいて、2人ともちゃんと動けてるよ!このまま行こう!とエールを送ってくれたのも力になりました。大丈夫。まだ動けてる。

銀座へと続く中央通りに入った昂まりで?スティーブンは「あと10km!Come on!」と手で合図をしながらペースアップしていきました。3’55”は切っていそうな勢いだったので、その背中は一旦見送ります。
日比谷通りに入って最後のカフェイン入りジェルを摂取。キツいのは足でも心肺でもなくて脳系統の糖質不足。前半のペースコントロールの中で頭を使い過ぎたのかも?リーニン飞电2.0 ELITEの軽快さと推進力が無ければ足も動かなくなっていたかも知れません。
本当はここの区間でペースアップして最速ラップを刻みたいと思っていました。

35〜40km(ラップ20’05”/ネット2:39:39)

ここからが本当のマラソンの醍醐味。ここで勝負するために今までトレーニングを積み重ねてきたし、カウントダウンが進めば冒険できる範囲も広がってきます。

スティーブンにも追い着きながらエールを送って先に進み、田町まで粘り続けて37.5kmの折り返し。ここのコーナリングでポジション取りが悪くて大きく膨らんでしまい、ねこすけさんとの間にも3人ほど入って差が一気に10mくらい広がりました。ペースアップしてこの差を詰める余裕度は残されておらず、ここからペース落とすからもうそのまま行っちゃって!と伝え、ここからいよいよクライマックスの単独走に突入です。

先週の試走では復路で東京タワーと増上寺の景色を楽しめれば勝ちだね!なんて話をしていましたが、余計な情報はシャットアウトして、自分のフォームと距離表示、こぼれてきたランナーを抜き続けることだけに集中したので、この景色を見た覚えは全くありません。
かなりペースダウンしていたつもりでしたが、この区間でのラップは20’05”とサブ50ペースはキープできていました。

40km〜ゴール(ラップ8’44”/ネット2:48:23)

去年はハンガーノックで完全に立ち止まらざるを得なくなった40kmの給水所も、大きく垂れることないまま通過して残りはあと2km。帰ってきたかった2時間47分台には間に合いそうもないけど、ペースを緩めてもサブ50は達成できそう。ほんの一瞬そんな考えもよぎりましたが、そんな日比谷公園くらいのタイミングで沿道から声をかけてくれたのが済美山、ナガソエ練でお世話になっていて、先日の勝田でサブ45を達成した練習仲間の翔さんでした。
気を取り直してそこからもう一度ペースアップして、丸の内仲通りをウィニングロードとして駆け抜けて、最後の200mは3’20”/kmペースまで上げて会心のゴールをガッツポーズで迎えられました!

かなり早い段階からキツい展開になってしまいましたし、37.5km地点まで共闘したねこすけさんのロングスパートはすさまじく、ラスト4.7kmだけで34秒(7.2秒/km)もの差が開いていました。
それでも、しっかりと立て直して大きく垂れることも、順位を落とすこともなく、むしろ35km通過の874位から758位へと116人抜きでのゴール。イメージしていたタイムからは約1分の後着とは言え、前半ハーフ1:24:13、後半ハーフ1:24:12と完全イーブンでいい走りができたと言えるのではないでしょうか。

要因分析は改めてします。次に向けての収穫も課題もたくさんあります。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました!

追記:収穫と課題も振り返りました

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