見出し画像

2023年度 新潟大学 法学部 前期試験 小論文 模範解答

 XがYを突き飛ばす行為は、自身の生命の保持という自己の利益のために行われている。他方、Yも自己の生存のために浮き輪にしがみつこうとする。その際、Yが一人用の浮き輪にしがみつくことは、Xの利益を損なうものとなる。他方、XによるYを突き飛ばす行為は、Xが自身の生存という利益を保持しようとし、Yの利益を害するものである。また、一般に自己の利益を得るために他者を害するような行為、たとえば他者をだましたり、殺したり、他人のものを盗んだりすることを容認する思考や行為は利己主義といわれる。したがって、XがYを突き飛ばす行為は利己主義的な行為と分析することができる。

ここから先は

709字

¥ 3,000

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?