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「人体、なんで、そうなった?」HUMAN ERRORS(マーカー記録)

2019.8.1 第1刷発行。 ネイサン・レンツ=署 久保美代子=訳

本棚の整理をしているつもりが、わぁ面白そう→面白かった~という娯楽としての本買いをしているので全然減らない・・・また読みたいと手元に置いても、何かに活用するわけでもない。ので、目次と1度読んでマーカーしてる行を抜き書いて手放す予定に。◆内は感想メモ◆

はじめに:みよ、母なる自然の大失態を

1章:余分な骨と、その他もろもろ…P1

僕らの祖先が、ワクチンや手術などの存在する現代に移行するより前に、もう少し長く狩猟採集生活を送っていたら、進化しつづけて完璧な解剖学的構造を手に入れられたかもしれない。(P37)

◆そう。今現在進んでいる時代の予防医学の正解は、もしもの世界の話の話じゃない、ということは私にもわかる。◆

2章:豊かな食生活?…P41

したがって、肥満と二型糖尿病は、典型的な進化上のミスマッチ病(P76)

◆豊かさとは何か。食べる事は生きる事〇楽しみ△を越えて暇つぶし?◆

3章:ゲノムの中のガラクタ…P79

◆DNAの話、面白ポイントが多すぎて、抜き出せませんでした。◆

4章:子作りがヘタなホモ・サピエンス…P115

大多数の人は子どもを作る事に駆り立てられ、それに失敗すると、徹底的に傷つき、活力と自信が粉々に砕かれる。(P120)

現代医学が出現するまで、現在のようには長生きできなかったというだけでなく、ヒトの死亡率は生涯を通じてきわめて高かった。(P121)

なぜ、ホモ・サピエンスは特別に排卵が隠されているのだろう?(P125)

隠された排卵によって、ヒトはより長く続く男女の絆を形成し、子孫へ向け父系の投資が促される(P126)

米国産科婦人科学会(ACOG)によると…そんなこんなで、ヒトの受精卵…の驚く事に二分の一は、数日~数週間しかもたない。(~P127)

つまり、中年以上の人々にとって、現代医学は、実際は人の生涯の最後を5~10年引き延ばしたにすぎない。…女性は数十万年ものあいだ、閉経期を経験するほど十分長生きしてきたということだ。(P146)

卵胞に起こる老化は、徐々に蓄積されるものではなく、時限式で突然起こる。(P148)

◆動物としての進化、だけでは説明がつかない(ような気がする)人間として地球に生まれた意味を知りたいし、環境問題を思った時に、自分を含めて人類がウィルスやガン細胞だと思いたくない、んだと思う。◆

5章:なぜ神は医者を創造したのか?…P155

痛みは、あなたが感染した傷をかばって保護したり、横になって身体を休め免疫が戦うためのエネルギーを保持したりすることを身体が後押しする方法だ。炎症の症状はどれも、あなたを悩ませるものと身体が戦った結果なのだ。…炎症は感染症と戦うときにはたしかに有用だけど、アレルギーの場合はまったく役に立たない。(P172~)

衛生仮説…1970年代はじめから80年代にかけて、人々は極端に子ども、とくに乳児をできるだけ微生物に近づけないようにし始めた。…いまや、乳児期に行われる殺菌が、アレルギー発生増加の裏の理由である可能性が明らかになりつつある。…この仮説が正しいのなら、僕たちは、デザインのごく小さな不備であるアレルギーを、大きな問題に膨らませていることになる。…責任は僕たちにある。(P177~)

…まさしく、がんは最終的には僕たちをみな攻撃するが、それは妥協の産物なのだ。…これは変異によってもたらされる多様性に対する、いわば生贄なのだ。医師で作家でもあったルイス・トマスもこう言っている。”ちょっとばかりヘマをやらかす能力については、DNAは驚くほど秀でている。この特別な性質がなければ、われわれはいまだに嫌気性細菌のままだったろうし、音楽も生まれなかっただろう”(P190~)

6章:だまされやすいカモ…P193

ヒトが現在の解剖学的なサイズに達したのは、ほんの20万年ほど前で、…人類は文化的な生活を送るようになって以来、大きな遺伝的変化を経験していない。…ヒトの進化上でもっとも重大な時代は、およそ約260万年前に始まり、氷河時代の終わりまで、つまり1万2千年あたりまで続いた更新世時代で、この時代は文明の夜明けと呼ばれることもある。…言いかえれば、ヒトの身体と脳はここ1万2千年のあいだ、たいして変わっていないのだ。(P195~)

心理学者と経済学者は、…意見が一致している。大半の人はお金をそれほどうまく扱えていない。(P212)

資源が豊富なときほど人は軽率になって、せっかくの豊かな資源にさっさと別れを告げることになる。(P215)

僕たちは社会性が高く、効力的で利他的であると同時に、冷酷で抜け目がなく薄情な動物に進化した。(P242)

◆経済社会(今のシステム)の中でのお金というものは、身体で言ったら血液のような役割で、巡らせなければ健康が保てない、らしい。今読んでいる別の本とリンクして腑に落ちた。時の大臣が「老後の蓄え2000万」と言ったところで、びっくりはしても不安にはならない自分の根拠のない自信の正体を垣間見た気がする。◆

エピローグ:人類の未来

それらの危険に加えて、感染症の世界的大流行(パンデミック)はいつ起こってもおかしくない…その危機を乗り越える人々がつねに存在するだろう。(P256~)

ヒトは親の愛情を感じるよう進化したのと同時に、”われわれ”ではない者を嫌ったり恐れたりするよう進化してきた。(P258)

自然選択は長期計画を立てない。(P259)

僕たちはすでに自らの欠陥から自分たちを救うことのできる科学を手にしている。あとは意志の問題だ。(P268)

◆人間が消えても変わらぬ真理の自然科学と、人間ありきの人文・社会科学。科学は十分進化して、意志の問題なのですね。◆


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