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涙煌めく・The Rapper Cambodia🇰🇭【スーパースターを目指すカンボジアの若者たち】第52話

🇰🇭ノリの涙

ノリがネットニュースになってる!

長年に渡り、みんなのマネージャーを務めたミッキーから緊急連絡が来たのは、我々がヤンの結婚式に向かう前。

“平凡な人だと思われていたノリは、実はクレイジーだった!!”

記事にはそう書かれていた。

カンボジアでは、2023年10月ごろから「The Rapper 」という“次世代のラッパー発掘”番組が放映されていた。
つまり、オーディション番組である。

The Rapperのテーマソング↑
Vanndaはもちろん、ノリもリンも歌っている!
撮影&編集はヤン。ちゃっかりヤンもちらっと写っている。


解説を務めるのは、若者のカリスマ・ヴァンダ
そして我らがリン

一般公募で集まる若者たちをコーチングするのが、ノリ&その他3名のカンボジア人ラッパー。

その他3名のラッパーというのが、大柄&ドレッドヘアー&ごりごりタトゥーの「いかにも」な方々(アメリカ帰りの人も)。

確かにノリはその中に混じると「普通の人」っぽい出立ちだった。

しかし、ノリがコーチングした2人の名も無き若者のパフォーマンスが、視聴者を震撼させた。

ノリは彼らにただラップを歌わせるだけでなく、振り付け・演出に「アイディア」と「ストーリー」をぶっ込んできたのだ。
この2点は夫と働いていた時代に、みんなが厳しくしつこく言われてきたポイント。

“お前らは普通にパフォーマンスしては勝てない、アイディアを駆使して、作品にストーリー性を持たせろ”

ノリがコーチングした2人の若者がこちら。

ユーハイ↓

グーフィー↓

どちらも途中からノリが参戦するのだが、そこが一番カッコイイ!
(親バカ炸裂!)

カンボジアの携帯電話からの人気投票で、ノリがコーチングしたこの二人の若者は共に決勝戦へと進んだ。


決勝戦はクリスマスイブ。
私と夫が、ヤンの結婚式を終えて、カンボジアから帰国する日だ。
7名の若者が大きなステージでパフォーマンスし、一般投票でチャンピオンが決まる。

決勝に残った7名の若者たち


私と夫は成田空港から急いで実家へ帰宅し、ライブ中継を繋いだ。

めちゃくちゃ広いライブ会場に満員のお客さん。

日本からAwitchさん
ベトナムからSuboiさん
ビッグゲストをお迎えしてのビッグイベント。

ノリもAwichさんと歌った!!凄すぎるでしょ!



終盤、投票で選ばれたトップ3が発表される。
ノリがコーチングした2人の若者は、揃ってトップ3入りした!

そして、チャンピオンの発表。
ヴァンダとリンが投票結果が書かれた紙を開ける。まるでアカデミー賞の発表みたいに。

「ザ・ラッパー Season 1のチャンピオンは。。。ユーハイ!!

ノリがコーチングした若者の名前が叫ばれ、ガッツポーズと大歓声が巻き起こる中、ノリが泣き崩れる。
号泣するノリの肩を、リンとヴァンダが優しく抱いた。

超長いThe Rapper ファイナルの公式動画ですが、3時間ピッタリくらいからご覧頂きたい!ノリの生き様が伝わってきます↑


ヤンの結婚式が終わった後
The Rapper の決勝戦を控えたノリとリンは、プノンペンへ。
我々とはそこでお別れだった。

「あのさ、もし、オレがコーチングしたヤツが優勝したら…それは、ケンとレナの勝利でもあるからね」

「えっ…」

あまのじゃくだった。
出会った頃は、よく小競り合いをした。
そんなノリのそんな言葉が幸せで、
セリフに詰まったまま泣く私に、ノリはこう言って明日に駆けて行った。

「I’ll make you proud!」



ばーか
もう十分だよ、もう十分
もうとっくに自慢の息子だよ

ノリだけではない

揉めたりケンカしたり泣かせたり泣かされたりして、
私は全ての幸せをみんなからもらったよ

両親や家族、友達やチームメイトを愛する気持ち
今日や明日を大事に思う気持ち

今の私たちにある幸せは、全部、みんなから貰った

私たちを忘れてもいい
どこにいて何をしててもいい
どうか健康で幸せでいてほしい
私たちより長生きして欲しい

「オレ、いつか結婚して息子が生まれたら、ケンって名前にする予定なんだ〜」

酔っ払ってそう言うノリに、思わず

「それは、止めておきなさい!!」

声を荒げてしまう私、レナでした。

失敗を恐れず
どんどん前進していくノリ!



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