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【隔週(日)開催】戦後スタンダード詩を読む

PoetryFactoryは詩を読んで楽しめるイベントを行なっております。以前までは気軽に詩を楽しめるイベント、ポエカフェを開催しておりました。
そして今回からは、普段、詩を読まない人でもより詩をディープに本質的に味わえる講座を始めております。

講座案内

現代詩の魅力を専門家、仲間と学べる! 連続講座を荻窪で開催
日常的に詩を読むという人はなかなかいないかもしれません。なぜでしょう? 一つには詩を味わうには少々コツがあり、それを学べる場がほとんどないからです。
そのため、詩の魅力を知りたい人のために連続講座「戦後スタンダード詩を読む」を開催します。

戦後詩を読んで、知の新たな扉を!
戦後のいわゆる現代詩はときに難解、ハードルが高いと言われます。しかしその深層には、この時代の社会変動を背景にした日本人の精神史が息づいています。先行きの見えにくい今だからこそ、生き方のヒントを詩に見いだせるかもしれません。そこで、東京外国語大学教授の西原先生を講師としてお願いしました。先生のご経歴は以下をご覧ください。

テキスト中、各回6編の候補作をお示しし、参加者の投票で深掘りする2編を選びます。講師から作品の背景を伺ったり、受講者どうし感想や解釈を披露し合ったり。
初回の参加者からは「目からウロコ」「伝記的情報がとても面白かった」と感想が寄せられています。

お申し込みはこちらのPeatixよりお願い致します。
日程は、8月20日、9月3日、9月17日、10月1日、10月15日の日曜日、15時〜@荻窪です。各回単発で3000円で粗品・教科書レンタル付きと参加しやすいようにプランを変更しました。もちろん、まとめてお申し込みいただいた方がお得になります。

第1回の様子

第1回の様子の写真と朗読風景をチラ見せします。とても暑い中ではありましたが涼しい場所で詩をじっくり味わいました。

また、講師の西原先生よりメッセージを頂きました。

  記念すべき第1回は、大変充実した会になりました。講師としてとても喜んでいます。テキスト『日本名詩選3』(笠間書院)から2篇を読みました。
1篇目は原爆の詩、栗原貞子「生ましめん哉」です。口語自由詩なのになぜ末尾3行だけが文語になってしまうのか。なぜ存在しない「ローソク」「マッチ」に言及しているのか。事実を淡々と書いたように見える詩も、実はしっかりした技術に裏付けられています。
2篇目は、伊東静雄「夏の終り」。教科書によく出る作品です。台風一過の景色を描いた詩ですが、詩人の悲惨な青春を念頭に読み返すと、全く違う意味が見えてきます。作者の人生をどこまで解釈に盛り込むべきか。参加者から様々な意見が出ました。
1回2時間のこの講座では、「わかりやすくてためになる」読みを目指しています。
次回に向けてのメッセージ
 連続講演第2回目となる8月20日(日)は、テキスト『日本名詩選3』(笠間書院)の7~12作目の6点から、参加者が選んだ2篇の詩を取り上げます。どれも昭和20年代の作品です。「読めばわかる」やさしい詩は、どこに注目すれば良いのでしょうか? 支離滅裂に見える難解な現代詩にも、すっと読み解くための鍵があります。優れた名詩を読みながら、人生について、社会について、自然について、語り合いたいと思っています。日曜日午後の2時間の講座です。是非ご参加下さい。

運営、平井よりメッセージです

詩を共同で読むとは

スタンダードとされている詩作品をみんなで読む、という試みに初めて挑戦しました。私自身詩を書いているので合評会はよくするのですが、名詩とされている作品を共同で読むことにどんな意義があるのか。
第1回で確認できたのは、「詩も伝記的情報があると読み方がまるで変わる」ということ。作品を、作者の人生や社会背景を念頭において読むことで、参加者はまったくそれまでとは別物として受け止めることができました。講師の西原先生にさまざまな伝記的情報をレクチャーいただいたおかげです。
読み手の側もそれぞれに生活経験、人生経験を抱えて集っています。いわばそれらは「読者側の伝記的情報」と言えるかもしれません。詩が作者と読者のあいだに立ち現れるものだとすれば、それぞれの人生が少しだけ交錯することによって、この場に集ったメンバーだからこその共同の読みが成立するでしょう。

とはいえこの講座では、別に参加者に人生の吐露を求めたりはしません。講師や他の参加者の話を黙って聞いているだけでもいいのです。それでも自宅や図書館で一人で読むことでは見えてこなかったものを確認できるでしょう。
詩の豊かさは解釈がたくさんあること。これまでの解釈を更新する喜びを体験しにきてください。


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