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「知らない方がいいこともある」

「知らない方がいいこともある」

とはよく言ったもので
誰々さんは○○さんのことが好きらしい
とか
◯◯さんのことが嫌いらしい
とか
そんな物知ったところで
実際何になるというのだ

もしもその人に好意を寄せていたのなら
僕は間違いなく不愉快になるし
なんとも言えない気持ちになるだろうし

知らない人なら
知ってしまった時点で
その人が物語に登場することになるし
○○さんのことを知りもしないで嫌いになるかもしれないし

この世には余計なことを教えてくる者や物が沢山ある

他に知らなくても
良かったことはあるだろうか

僕は考える

例えば音楽を知らなかったらどうだろうか
単純に音楽が好き
音楽の何が好き
楽器が好き
メロディが好き
リズムが好き
文学的で好き

知識と共に知りたいという欲求が増え
いつしかその曲のことを客観視出来なくなり
聞きやすい音楽が嫌いになっていく
そんな人も少なからずいる

なんで嫌いになったかと言えば
知ってしまったから
である

音楽は知れば知るほど面白いものでもあり
悲しくなるものでもある

それが好みというものでは無いか?

そんな簡単な言葉で済ませられたら
楽だろう

AI技術が発達し、
最近ではAIが作曲できる時代と
なってしまったこの世界に
好みだけで片付けられる問題かと言われたら
もうそんな余裕は無い

コード進行なんて知らなければ
シャッフルなんて知らなければ
スケールなんて知らなければ
ノイズなんて知らなければ
縦の線なんて知らなければ
作曲なんて知らなければ

今ここに来てこんなに盛り上がってる
お客さんたちみたいに
僕ははしゃぎ散らかせたのかと思うと
自分は何様だと思うし
自分はフラットな気持ちで聞けなくなったことが悲しくてたまらなくなる

この曲いいよね〜
だけで済ませられる人間の方が
どれだけ幸せだろうと思いながら

今日も僕は音楽を
解析する
解析する
解析する

分解して、理解する

人間味のある音楽を
機械で作る
もう戻れないかもしれないけど
またあの頃に戻れるなら
戻りたいと思う気持ちを置いて
曲を書く
せめて歌詞だけは
リアルを描こうと

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