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  • 第27期盤聖戦振り返り

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【バックギャモン】これをテイクさせて勝つために

今期のJBS名人戦は名古屋リーグに参加し、本割2勝1敗でプレーオフとなりましたが、辞退することとしました。Xでも書いた通りその詳細については説明することはできませんが。 その最終戦、神谷正俊さんとの対戦での最終局面を紹介します。 ポジション1 黒 斎藤 22-21 白 神谷 25ポイントマッチ 白の早いダブルからレースになった局面。ミッドポイントのみになったこの局面はすでにレースと考えていいでしょう。レースでは勝っていることから、ここからは常にダブルを考えていくことになり

    • 【バックギャモン】初手21とフリードロップ

      まずは拙稿より、フリードロップおよび初手41に関する内容を紹介します。 今回は「相手にフリードロップの権利がある状態で初手21を振った場合」を検討します。 フリードロップとは? 前述のフリードロップ考にも書いていますが、フリードロップとはポイントマッチにだけ存在するテクニックで、「ポストクロフォード(残り1点でダブルをする権利が発生している状態)において、最初にダブルする権利が発生した相手がダブルをした場合にパスをすること」を指します。ダブルをテイクすると必ず2点単位に

      • 【バックギャモン】初手41スロットを使う

        初手の41は24/23 13/9のスプリットと、13/9 6/5のスロットの2種類があります。今回は2種類の初手41の特徴と、41でスロットする場面を考えていきます。 初手スプリットとスロットの特徴 初手41と21では、スプリットとスロットの2種類があります。それぞれ特徴がありますので紐解きます。 初手スロットは攻めの手です。5ポイントに下ろした駒がヒットされなければ次に5ポイントを作る目が多くなってよし、ヒットされたらねじり合いで頑張るというのがスロットの目的です。一方

        • 【バックギャモン】4away-2awayのキューブを紐解く

          4away-2away、「残り4点対残り2点」のスコアのことを私は「魅惑のスコア」と呼んでいます。ダブルをテイクさせてギャモン勝ちすればきれいにマッチ勝ちすることができます。今回はこのスコアのキューブを紐解いていきます。 なお、今回出てくる結論は非常に簡単なものです。結論だけ見たい人は最後まで飛ばしてください。そのあとで「どういうこと?」というのを確認するために道中を読み進めるというのでも問題ないと思います。また、この先ここでは「Xaway-Yaway」を「XaYa」と示し、

        【バックギャモン】これをテイクさせて勝つために

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        • 第27期盤聖戦振り返り
          2本

        記事

          【バックギャモン】5ポイントと4ポイント・ダブルタイガーかポイントメイクか

          課題ポジション アンリミテッド 白の32は? ランで負けていることもありヒットはすることになるでしょう。この場合13/11* 8/5*のダブルタイガーか、8/5* 6/4の2択になります。このように「ダブルタイガー」と「1枚オンザバー・ポイント1か所メイク・インナーブロット1か所」を選べる時どちらを選ぶべきかを検討します。なお今回は「インナーに2枚残すプレイ」を選択する可能性があることから、5ポイントと4ポイントに2枚晒すか4ポイントをメイクするかで比較することにします。

          【バックギャモン】5ポイントと4ポイント・ダブルタイガーかポイントメイクか

          【バックギャモン】桑名庵例会の運営を降りたワケ

          本日、現担当者のこーくんに、桑名庵例会の運営・企画を降りることをお伝えしました。担当者はすでに変わっているのですが私が運営にかかわっていくことはなくなります。名古屋例会との企画も私はやりません。こーくんにやっていただきます。 なぜという点でいえば知っている人には知っている(というよりは、察しが付くというレベルの)話なので深くやる必要もないことではありますが、私がマネジメントをやっても誰も喜ばないだろうというのが一番の理由です。その心境になったおおもとについてはここでは書きま

          【バックギャモン】桑名庵例会の運営を降りたワケ

          【バックギャモン】「大阪本町例会に通えば特殊能力を身に着けられる」は本当か?

          今回の話は「超」が付くほどオカルトな話なのでそういうのが苦手な人はお気を付けください。 バックギャモン大阪本町例会は原則毎週日曜日12時~19時で開催しています。東京赤坂よりも1時間長くプレイできること、参加者も多いことから実は私の中では「一番」の例会と思っています。私は大阪に住んでいたこともあり3年弱大阪本町例会に通ったのですが、本当にいろんなタイプのプレイヤーが「これでもか、これでもか」と訪れる例会なのでまったく飽きません。今回はそんな「大阪本町例会」にスポットを当てる

          【バックギャモン】「大阪本町例会に通えば特殊能力を身に着けられる」は本当か?

          【バックギャモン】日本バックギャモン界の「個性派」

          バックギャモンはすでにAIが浸透していて、eXtreme Gammon 2(XG)が最強ということでコンセンサスが取れている部分があります。XGの解析結果で最善手を確認し、解析結果が正式な認定でも使われています。良い点としては全体のレベルが飛躍的に上がるということが挙げられます。逆に、強い人ほど「個性」を失ってしまうのではないかという懸念もあるとかないとか。現代ギャモンでは機械解析の結果が台頭していますが、そんな中でも「個性派」と思う人は存在しています。今回は日本バックギャモ

          【バックギャモン】日本バックギャモン界の「個性派」

          【バックギャモン】七盤勝負のバックギャモン【桑名七盤勝負】

          「桑名七盤勝負」は、三重県桑名市の桑名囲碁将棋サロン庵で生まれた競技です。連珠・どうぶつしょうぎ・オセロ・チェス・9路盤囲碁・将棋・バックギャモンの7種を1列に並べて同時にプレイ、4種目先に取った方が勝ちというゲームで、2017年2月に第1回の大会が行われてから7年、明日(4/20)から2日間、「第9回世界大会」が開催されます。 今回は「桑名七盤勝負」、そしてそこから派生した「オンライン七盤勝負」のなかから、バックギャモンに焦点を絞ってお話ししようと思います。 桑名七盤勝

          【バックギャモン】七盤勝負のバックギャモン【桑名七盤勝負】

          【バックギャモン】BMAB Individual Applications

          バックギャモンの実力認定機関「BMAB」の「Individual Applications」について、公式に書いていることをもとに本稿をアップします。「解釈が違う」ということがあればご指摘ください。 BMAB - About BMAB 以前の記事。ここで書いた時とは少し事情が違うかもしれません。 認定されるための基本要件 今回は「Individual Applications」、個人申請での認定についてになりますが、それによらない基本要件について述べます。基本要件は以

          【バックギャモン】BMAB Individual Applications

          【バックギャモン】ゲーム展開のフロー化(3)

          前回 【バックギャモン】ゲーム展開のフロー化(2) 前回はゲーム序盤と終盤から真ん中をつなげていくという方針で進めました。今回は「ランニングゲーム系統の展開」についてみておきます。 ランニングゲームへ移行するかどうかの判断 ランニングゲームはすべての展開の基本になるのですが、ランニングゲームへもっていって良いかを判断する基本的なポイントは「ピップ」です。相手よりも先に進んでいるならばランニングゲームを考えやすくなります。もう1つのポイントは「バックマン」です。バックマン

          【バックギャモン】ゲーム展開のフロー化(3)

          【バックギャモン】ダブルを考えるために立ち止まるタイミング

          ダブルは非常に難しいです。誰でも、プロでさえこの判断を100%正確に下せる人はいません。それくらいには難しいです。とはいえ、ある程度のところでダブルを考えないと簡単にスルーしてダブルのタイミングを逃すということもあります。今回は「実際にダブルするかどうかは別問題として、少しでもいいからダブルを考えるために立ち止まる」というタイミングについて簡単に紹介したいと思います。 1.ダブルを考える要素 ダブルは「序盤~中盤でギャモン勝ちもある状況」か「中盤以降でランニングが絡む場合

          【バックギャモン】ダブルを考えるために立ち止まるタイミング

          【バックギャモン】ゲーム展開のフロー化(2)

          前回 【バックギャモン】ゲーム展開のフロー化(1) バックギャモンの様々なゲーム展開のフローチャート化第2回です。前回は「バックギャモンの5戦法+1」を簡単に解説しました。今回からいよいよフロー化を始めていきます。 今回は「最序盤の考え方」と「最終盤とそこに至る大まかなルート」について紐解きます。 最序盤の考え方 最序盤では、自分が有利になる進行を目指します。基本的には「プライム」「ブリッツ」のいずれかを目指し、その道中で「ランニング」になる、というプランです。 中盤に

          【バックギャモン】ゲーム展開のフロー化(2)

          【バックギャモン】ゲーム展開のフロー化(1)

          バックギャモンの1ゲームは非常にバラエティに富んでいます。どのような展開になるかは出目次第、読みを超越した展開も数多く現れます。初心者~初級者の間は展開の速さ、流れを見極めるのが大変です。それを多少なりともわかりやすくできないかと考え、様々なゲーム展開の中でもありがちなものをフローチャートにしてみることにしました。どういった展開とゲームプランで進むのかを図にしてみようと思います。 前提 バックギャモンの「5戦法」 バックギャモンがほかのゲームと大きく異なるのは、5つあると

          【バックギャモン】ゲーム展開のフロー化(1)

          【バックギャモン】最後の「お祈りタイム」を迎えるために

          課題ポジション この局面で白は「黒をヒットできなければバックギャモン負け」まで見えるところまで来ています。かなりまずい状態ですが、ヒットすればまだチャンスがあるかもしれません。そのために最善を尽くすのがこの局面で考えることです。 このような「普通にやっても(ヒットできなければ)ギャモンセーブできない」という状況であれば、ここで考えることは「ヒットしたときに相手が困る形を作ること」です。したがって自陣3~7ポイントの5プライムに手を付けてはいけません。ここを壊すと自陣が弱くな

          【バックギャモン】最後の「お祈りタイム」を迎えるために

          【バックギャモン】コックトダイスの扱い

          JBSの掲示板に以下のスレッドが立ちました。 コックトダイスの際にクロックをリセットするということについての話題です。また、ダイスがチェッカーの上に乗った際にもコックト扱いとしていますが、出目として認めるという向きもあるようです。今回はこの「コックトダイス」の扱いについて私の考えを述べていくことにします。 JBSルール JBSルールでは以下の通り規定されています。 公式トーナメントルール4.1.4項。 おや?コックトダイスに関する規定がない? はい、コックトダイスに

          【バックギャモン】コックトダイスの扱い