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【旅行記】高知・足摺「海のギャラリー」で邂逅する、建築と海とアート。

足摺は、荒々しい波が打ち付けているのが記憶にあるせいか、雄大で豪快なイメージがあります。
その中にあって、穏やかなときが流れる場所。それが「海のギャラリー」です。

土佐清水市観光協会による紹介を引用して以下に示します。

1967年にオープンした「海のギャラリー」は、国内外の多種多様な貝を約3000種類8万点収納、展示しています。
全ての貝は、土佐清水市在住の洋画家・黒原和男氏によるコレクションです。

https://www.shimizu-kankou.com/spot/uminogallery/

詳細については上記のリンクをご覧ください。
入館料は300円と安価ですが、土日でも人は多くありません。みな、近くの水族館(足摺海洋館 SATOUMI)に行ってしまうからでしょう。

ここは少し大人向けかもしれません。

建築は林雅子氏の設計によるものです。2019年には、国の登録有形文化財に登録されたそう。

この特徴的な屋根の形状は、内部からも観察できます。

四国はお遍路の例にもあるとおり、弘法大師にゆかりのある土地です。特に高知県南部ではかなりの箇所で空海の名を聞きました。そして、ここ足摺も例外ではありません。
空海にも「見残し海岸」と言われたこの地を、四国を離れる際にしかと見ておこうと、2泊して堪能しました。

内部に立ち入ると、採光窓から差し込む光の美しさに息を呑みました。
まるで、丘の上の船のよう。

奥の部屋では、黒原和男氏による作品が展示されています。
私はこれまで、貝を使用した絵画は見たことがなく驚きました。「貝」という自然のマテリアルと、氏の筆遣いとが、みごとに融合しており、このふしぎな建築の中に独自の世界観を形作っているように感じました。

階段から2階に上がることができます。
屋根の裏側からも、外と同じ形状が見て取れます。光が織りなす陰影が美しいです。

こちらにも多種多様な貝が展示されており、同じ種類でも一つ一つに表情の違いがあります。同じ模様は一つとしてありません。

展示を見ていて、子供の頃にアワビの貝殻の模様が美しくて見入っていたことを思い出しました。螺鈿細工を見ると今でも心惹かれてしまうので、そうした感性はおとなになっても変わらないのでしょうね。

今回は、高知県足摺にある「海のギャラリー」を紹介しました。
観光地としてあまり主張していないことが、訪れる者としてはありがたいことがあります。ここもその一つで、素通りしてしまう方も多いのでは。

しかし建築と海とアートが一同に会している様は他では見ることができません。今は引っ越しによって遠くなってしまいましたが、館内に入った際の感動をまた味わいたいと思ってしまいます。

(おしまい)

写真はすべてTS-E24mm F3.5L ⅡとGFX 50Sで撮影しました。

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