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私を創ったもの(随想)

朝方からの雨で
昨日剪定した木々も少し肌寒そう
雨の止み間に出たベランダ
鉢植え桜のふくらんだ蕾

またくる春を感じる中で
何を考えようか
昔の事かこれからの事か

春は私と弟の生まれた季節
母はどうにか3月に産みたくて
病院内を歩き回ってたらしいけど
4月になり
学校に通わせはじめる時が
1年先になってしまったと言っていた

私と弟は双子
2人の子育ては2倍お金がかかる
大変だったみたいだけど
入学式や遠足等の学校行事は1回で終わったから
逆によかったと言ってた

双子は羨ましがられるけど
当人はたまったものではない
特に私は身体も弱く勉強も運動も劣っていた
バカ兄貴だったので
常に比較され辛いなんてものではない

弟は出来るのに何故あなたは出来ないの
そんな雰囲気が今の私の卑屈な人格を形成した

同じ母から
同じ様に生まれ
同じ環境で育ったのに
おまけに名前の字画も同じで
まさに同じ運命を辿るはずなのに
なんで出来ないのかな…
何故違う
そんな事私が教えて欲しかった

顔は少し似てるけど中身は全く違うと思う

弟は先輩からも好かれ
女の子からも人気があった
でもそれでよかった
じゃない方が私で
弟の方が劣っていなくて
可哀想や…逆だと

これでよかった

親父が付けたかった名前が弟について

この桜の蕾は私の心を膨らませてくれる
それだといいな…

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