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『Jason Mraz・Look For The Good』アルバムレビュー【音楽】

Jason mraz

Look For The Good

↓↓動画はこちら↓↓


はいということで本日はジェイソンムラーズの2年ぶり7枚目のアルバム

Look For The Goodをレビューさせていただければと思うのですが、

ジェイソンムラーズといえば2008年に恐ろしい程世界的にヒットした

I’m Yours


で 一躍世界で大注目の的になりましたよね。

そのブラジリアン的なレゲエジャズリズミティクサウンドは

ポジティブに世界の人々を幸せな気分にしてきました。

それは今作も健在で

今作はこれまでにない程

アンプの効いた、レゲエバラード的アップビートアルバムになっております。

今作を一言で表すと

平和と感謝

です。

音楽的には彼のデビュー初期のスタイルではあるのですが、

20年に渡る厚みのある経験とレゲエへの愛が音に包まれて運ばれてきます。

太陽の下にいる様なオフビートはどこかジャックジョンソンの様でもあり、

曲の間に継ぎ目がないかのようなフロウとテンポはアルバムに一貫性を持たせます。

アルバムのテーマはこれまでにない明確さを持ち、

平和や公平性・自然・結束することの大切さと

今の時代に人が繋がることの大切さが歌われます。

ほとんどの曲は5分未満でスロウなテンポで始まりレゲエチックになっていきます。

2012年から前作に至まで、

リズミカルで乾いたアコギに

メロディックな曲が多く、

それはそれで僕は大好きだったのですが、

今作はこれまでにないサウンドで、

ムラーズ自身本当に気軽に楽しんでいることが感じられるアルバムになっています。

そんなジェイソンムラーズの Look For The Goodを

どんどんレビューしていければと思います。

1曲目

Look For The Good


一曲目のタイトルトラックは、

まさしく今私たちが生きている混沌とした世界を和らげるような曲です。

世界では様々な対立・紛争が起きている中でムラーズが懇願する

どんな時もLook For The Good in Everything

つまり良いところを見つけていこうという歌詞は

今人種問題で苦しんでいる人を和らげ安心させてくれます。

このようなポジティビティはアルバムを通して歌われ、

ムラーズの愛を持ってリスナーが持つ

憎しみを愛に変えていきます。

2曲目のMake Loveや3曲目のMy Kindでも同じように

ホーンと砂のようなファンクレゲエグルーブで

ボーカルを後ろから援助しながら、

愛を伝えることで、

このアルバムは人類の繋がりと愛をテーマにしたコンセプトアルバムであることを印象付けます。

音楽的にはこれまでのムラーズとは違い、

1曲目から同じようなレゲエファンクと同じようなメッセージ性を持つ曲が続くので

少し退屈に感じる方もここまで効いた段階でいるかもしれません。

4曲目の

Good Old Daze


のdaysとdazeを掛け合わし、

落ち着いたのんびりしたメロディーに

古き良き時間を懐かしむような歌詞が

そんな焦んなくてもいいんだよと

絶え間なくとてつもないスピードで進み続ける時間と対照的に

自分のペースで生きていけと言われているような気分になります。

5曲目の

You Do You

自分らしく自分の人生を自分の生きたいように進むことを、

1曲目から続くレゲエバイブに乗せて歌われます。

この曲はLGBTQや社会的弱者と呼ばれるマイノリティを励ます曲でもあり、

周りの誰が何と言おうと自分を内包し自由に表現することの大切さが

題名のYou Do Youというメッセージから伝わります。

途中でコーラスに入るレゲエレジェンドのシスターキャロルティファニーハディッシュの

重厚でキャッチーな声はこのアルバムで一番ソウルフルで力強いです。

今作はほぼ全曲と言っても過言ではないくらいレゲエ要素が非常に強いんですが

7曲目の

Time Out

で何故ここまでしてレゲエを通して曲を作り続けるかの理由がわかります。

彼はこれまで名誉の為に歌い全てを捧げ

それは彼を破壊し、彼から感情を奪ったと歌い、

そして休む時が来たとサビで歌い続けます。

このアルバムを1周した時、

ムラーズの脱力感を物凄く感じて、

上手く表せないんですけど、

良い意味で全力出してないなと思ったんです。

その理由がこの曲でわかりました。

このアルバムはムラーズ自身の為に作られていないんですよ。

これまで自分とファンの期待に答える為に

魂を捧げ作品を作り続けた彼が、

初めて、一息ついて

本当に紛争や貧困・悩んでいる人たちに

元気・勇気を与え励ます為に作った作品何だと思います。

それがわかった時に、波長の無いアルバムの理由が分りましたし、

スッと肩を下ろして聞くことができました。

最後の曲Gratitudeはアルバム勇逸の7分間の曲になっていて

君が生きている全ての経験が貴重で

その経験がどれだけ自分の人生を豊にしていることを知ることが

自分を形成していくと述べています。

全てのもの・こと・事象に対する感謝が

ゆったりとしたメロディーの中7分間ただただ伝えられ続けます。

全体的にみると

今作Good For THe Goodは決して万人受けするアルバムでは無いと思います。

特に本来のジェイソンムラーズを期待していると

何か違うぞと思うかもしれません。

しかし、もし貴方が辛い状況にいて希望やポジティビティを求めているのであれば

そんな貴方をjason Mrazの歌声が絶え間なく包んでくれ、幸せに満ち足りた気持ちにさせてくれます。

曲やサウンドは少し単調でレゲエが好きでは無い方は飽きてしまうかもしれませんが

ムラーズの作詞能力は凄まじく

この世界で起きている酷い状況を緩和する力を持っています。

何かに悩んでいる貴方

辛く悲しんでいる貴方の肩を

そっと撫で下ろしてくれるアルバムです。

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