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思わぬ原因

物事に『絶対』というものは無い・・・と言いたいところなのだけど、高齢者看護の場合はそうとも言えない。

今の施設に来てから皆さんの日々の飲み物がカルピスだのなっちゃんだのというソフトドリンクがぶ飲みの一辺倒だった。商品名出してごめんなさい。

毎日がぶ飲みでなければ全然害はない飲み物です。念のため。

その上、どんな食形態の人々にもケーキを買って来て食べさせる。それなのに糖尿病の害について語る専門職がいた。『我が○○ホームは長年これでやって来ているのっ!』の一点張りだった。
が、利用者様がふりかけを食べたいと言うと烈火のごとく怒るこの矛盾。

身体的にも精神的にもそりゃ元気が無くなる。

というわけで、長いこと不毛なやり取りを続けて来ていて、途中経過では『もう、ええかな。』と思うことがあった。
相手が言っていることがあまりにおかしいと、本当に面倒になってしまうもので。

しかし、面倒臭がりの割には不屈だったらしい。定期的に言い続けていたら、ここに来て話が進んだ。

栄養管理出来ないならこちらでやるぞという勢いだったところ、改めてくれたところが二つ三つと出て来た。何せこちとら図や絵を駆使して訴え続けたから。

もう一つ、最大の妨害があった。それは、人がディスカッションしていると丸く収めようとしてしまう人の存在だ。いつも話を止められた。

話を丸く収めようとして止めようとしている人も体調不良になっていらしたが、私と二人になると『あれは絶対おかしい!気が狂っている。だってこれこれしかじか、こうだから!』と熱くなるのだけど、本人の前では言えないし、他の人が同じことを言うと止めてしまうということで埒が明かない。

そこでこの連休前に、その人抜きで話したら、思いのほか、頑固だった人が素直。あっという間に話がついた。
まあ、この施設では初めてのことばかりらしいから、これからも色々と大変だろうと思うけど、うまく行かなければその度に見直せば良いだけの話。

後から考えてみると、長引いた原因というのは、案外困ったことをしている本人ではなく、後者だった気がする。人対人がガチンコで話しているところを、本心すら言えないものが口を挟んではいけないのだろう。目的は揉めないことではない。より良い結論を出すためにするのが会議だから。

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