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表裏一体

特養と言う場所は医師が常在しているわけではないので、ある程度・・・というより、かなり看護診断がモノを言う。

とある寝たきりの方で食事の時だけ車椅子に座る方が腰痛を前々から訴えられていた。入所前からだということなのだが。

整形外科にお連れしたところ、腰椎のほとんどが潰れていた。これは高齢だから仕方ないとのこと。うまく痛みと付き合っていくしかないというのだ。

そこまでがお医者様の仕事なのだろうけど、人生は長い。この方の痛みにもピークがあるので激痛と呼ぶほどの痛みの時期には無理に起こさず屯用の鎮痛剤を飲んでしのごうということになった。

これがそう申し送っても、話を聴かない介護職員はかなりの頻度で起こす。『筋肉が衰えるから。』という自己判断で。

起こしちゃいけない人を起こして、起こさなければいけない人は『重い』と言って起こさない。
糖尿病と不摂生で片足が無くなった人にはうるさいからと言ってお菓子を与える。

想像以上に酷いな、この施設。と言ってもそんなことする人々は4人も5人も居るわけじゃない。
分かる人の方が多いのだから悲観することはないという考え方もあるのだが、油断ならないというのが現実。

とうとう叱るしかなくなった。逃げて行ってしまうほどの恐怖を感じていたようだけど、ハイエナのようにまた思い込みの介護・・・いや、介護とは言えないことをする。

あきらめるのか?

いや、想像以上だということが分かったので想像以上に介護だと思い込まれている虐待を防いでいくだけだ。

『諸説色々ありますが・・・』といつものように理屈をこねる賢いぶりっこに言う。
『諸説じゃない。痛いんだよ!』と。

それはご本人がその痛みを知る瞬間まで続けたろか?と思うほどだ。

段々中途半端では居られなくなって来た。仕方ない。

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