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イギリス新卒就労ビザの難しさ KPMG内定取り消し

前回の投稿で、BIG4ですらビザが必要な学生の選考を保留している、ということに触れたのですが、なんとKPMGでは今回の規制強化で一部の留学生が内定取り消しとなってしまいました。これはかなりかわいそうですね…。

https://www.ft.com/content/b0fc44c8-2936-431a-8f80-9bd6aa628351

規制強化後、就労ビザの年収要件は26歳以下で£30,960となりました。BIG4でも初任給のレンジは£25,000~£35,000で、ポジションによっては、£30,960に届かないようです。この記事では、KPMGが最早留学生を雇うのをやめたと報じています。(Actuaries=保険数理士だけは、まだ留学生にもチャンスがあるそうです。)

私が就職活動を始めたとき、真っ先にチェックしたのが産業ごとのビザの発行数でした。その中ではprofessional services industryがダントツだったのですが…。今後、留学生にとってはイギリスでの就職活動が本当に厳しくなりそうです。(*理系の場合はまた違ってくると思います。)

BIG4ですらエントリーレベルではビザの年収要件を満たせない、となると、ビザを獲得して長期的にイギリスで働くためには、職歴を積んでから渡英するのが現実的、ということになりそうです。

私の場合は、日本での就労経験がイギリスで活かしづらいものだったため、日本での職歴をイギリス就活で活かすことができませんでした。

また、人類学が専攻だったこともあり、就職活動ではかなり苦労しました。それでもQualitative research(主にインタビュー)のスキルや日本語力を評価していただき、市場調査の会社から内定をいただくことができました。現在は、各国語話者が在籍するMultinationalな環境で楽しく働いていますが、この年齢でエントリーレベルであること、そのため給与もかなり低い、というのが現実です(笑)

当たり前のことですが、イギリスでの就職を目指す場合は、関連する職歴を積むこと、就きたい仕事につながる分野での修士号・博士号を取ることが今後ますます重要になってきます。

参考までに、UCLの友人の例を挙げておきます。

ー物資調達マネージャー、UCL化学、物資調達コンサルタント
彼女は、インドの大手製鉄会社で原材料調達に関する部署のマネージャーとして勤務していました。UCLで化学関連の修士号を取得した後、同じく原材料調達に関するコンサルタントの仕事で内定を獲得しました。試用期間後に就労ビザもスポンサーしてもらえるそうです。このように関連する職務経験があり、修士号も職務内容と関係している場合は、ビザの年収要件をクリアできるということです。

いろいろな人から話を聞いている限り、(中国、韓国、イギリスと比べると)日本の新卒での就職活動は比較的楽なようなので、日本で新卒で大手に入社し、職歴を積んで渡英、というのが一番賢いやり方なのかもしれません。

(Photo by Saufi Mazlan on Unsplash)(05/05/2024)



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