食品工場の中の人たち
"私には『この仕事への理解を深めてもらいたい』などという考えはなく、工場で見聞した面白いと思えた出来事や、職場の雰囲気をリアルに描きたいだけだったかは、気軽に読めるような作品になったのかもしれません'2018年発刊の本書は過去数年間の著者の勤務体験をもとにしたコミティアでの話題作。
そろそろマスクが蒸し暑くなってきている最近、新型コロナに関係なく常にマスクをつけて頑張っておられる食品工場の方々の様子を知りたいと思って本書を手にとりました。
そんな本書は、経験した研修時代から基礎情報、作業中の様々なエピソードが四コマや短いページで切り取った様に描かれているのですが。著者自身が述べている様に何かしらの義務や責任を背負ってというより【淡々と、あるいは飄々とした感じの描写】が一種独特で、まるで【工場見学を追体験しているような】印象でした。
また、とかく一日中スマホやSNSにかじりついて何かをアピールしている人が発言力があるように【マスメディアで誤解されて報道されがちな最近】ですが。そもそもスマホも職場に持ち込めずに、ライン仕事、ルーティーンワークを黙々として業界を支えてくれている沢山の方々のおかげで、安心して食べ物を口にする事ができている事実をイメージさせてくれるのがとても良かったです。
工場勤務の誰かや、食品業界について知りたい人にオススメ。
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