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「知的な思考を深める」モルディブのローカル島旅①各島の概要と建築美

モルディブ共和国という国を検索すると、#ハネムーン、#リゾートホテル、#水上コテージ、#青い海と白い砂浜のコントラストが美しいビーチ、そして#高級リゾートが出てくる。日本にいると、そもそもとても遠い南国リゾートで、料金も高額!という印象だった。

正直、モルディブは行きたい国の優先順位が高かったわけではないし、ハネムーン旅行とか結婚式をモルディブで挙げる人の気持ちがよくわからなくて(すみません!笑)、どちらかというと「沈みゆく国」とか首都マレは「世界最大の人口密集地」、「インドとモルディブ政治の行方」といったダークな部分を注視していた、超現実主義のインド在住日本人。

・・・で、結果、とてもハマるんですが。

実はモルディブって、高級リゾートホテルやハネムーンというイメージからは異なる、世界各国からの家族、グループ、女子旅、一人旅の観光客が、それぞれのリゾート島やローカル島を目指し、滞在期間も様々、過ごし方も様々な多様性を見ることになる国。釣りやサイクリング、シュノーケリングやパラセーリングなど、アクティブに過ごすのもひとつ、ビーチで非日常を過ごすのもひとつ。そして、親日家のモルディブ。草の根活動で、教育や防災に貢献してきた日本。ローカル島では、日本製の車両や、防波堤の整備事業に日の丸を見ることになる。観光開発に関わっていた身としても、この、ローカル島のそれぞれの時間軸での開発過程を見るのもまた、知的活動としてとても興味深かった。そして、日本の東日本大震災の際、義援金の他に、69万個のツナ缶を送ってくれたモルディブの皆さん・・・。

1億円当たったら、モルディブのあらゆる島を全部巡っても面白そうだな。たぶん、数か所巡って、全部同じように見えてくる気もするけれど・・・笑
(例えると、京都への修学旅行で寺社仏閣巡りをする感覚)

モルディブ共和国

モルディブ共和国(ދިވެހި ރާއްޖޭގެ ޖުމްހޫރިއްޔާ)
インド洋北部にあるモルディブ諸島を占める共和国。約1200の珊瑚礁の島々(有人島約200島、リゾート島約160島)から成る。1965年イギリスから独立。ココヤシを産し、カツオ漁業も盛ん。住民はイスラム教徒。主要言語はディベヒ語。首都マレ。面積298平方キロメートル。人口39万(2022)。

1965年独立以降、モルディブ共和国は漁業が主力産業の後発開発途上国から、観光を主力産業にし急成長を遂げた国。2023年度には南アジアで最も生活水準の高い高位中所得国に。

英語名の「Maldives」はサンスクリットで「島々の花輪」を意味する「Malodheep(マローディープ。マーラー(mālā、माला。「輪」)+ドウィーパーハ(dvīpāḥ、द्वीपाः。「島々」))に由来するとされる。これはモルディブの珊瑚礁の島々が輪を描くように並んで浮かんでいる様子を花輪にたとえたものである。

Wikipedia

訪問のきっかけ

1.何よりも、南西アジアにいるとき(インド在住中)に近隣諸国を全部周りたい
2.大学院のとき、モルディブ出身の博士課程の学生が執筆した論文が『国際観光入込客統計に関する実証分析とホテルの客室料金:モルディブの事例』で、私自身も観光関係の公共政策を研究していたので参考にしていた
3.バンガロールの新国際線ターミナルを使用するための良い海外旅行先だった
4.マレ赴任中の数少ない邦人の方から「インドに行きます」と連絡があったものの、その方はインド査証が間に合わず、結局私が行くことになった

ところで、バンガロールからManta Airの就航開始は、このDhaalu空港までだった!マレじゃなくて、南の座標まで飛ぶのか!

フライト・観光ビザ・現地通貨・WiFi

いざ、行こうとなったときに、まずどのようなフライトが選択肢としてあるのか、観光ビザの取得は必要なのか、現地通貨は必要なのか、現地のネットワーク状況を確認を。

フライト
インドは、コチ、バンガロールなど主要都市からマレまでの直行便あり。(フライト調べていて、ふと気づいたけれど、そういえばインドとモルディブには30分の時差があった・・・!)もしくは、スリランカ航空やFitsAirでコロンボ経由。

コチ:1時間半(コチ10時5分発マレ11時10分着、マレ12時10分発コチ13時45分着)
バンガロール:2時間(バンガロール13時10分発マレ14時40分着、マレ14時10分発バンガロール18時10分着)

観光ビザ
観光目的は、到着空港で30日間滞在可能な観光ビザが取得可能(事前取得不要)。モルディブ入国前の96時間以内に、旅行者申告書IMUGAの提出は必要。機械読み取り式旅券で残存入国時1か月以上、出国用航空券、ホテル予約確認書、そして、これは国籍により異なると思うけれど滞在費用証明(現金およびクレジットカード等)が必要。(出国用航空券とホテル予約確認書は、バンガロールの空港でチェックあり)

現地通貨
ルフィヤ(アメリカドルやユーロも使用可能)。ドルがあれば充分だった。ローカル島に行かない限りは、現金を使うことも無いらしい(友人談)。ただ、ルフィアのほうがレートが良いことが多い。

変換プラグ
BFタイプ。宿泊場所によっては、全世界対応の変換プラグを用意してくれているところも多々。

WiFi
まず、空港を降りて入国した後に、パスポートをスキャンして発行される無料SIMがあるので、こちらは持っておいて損は無い。WiFiは、市内のだいたいのホテルにあるけれど、パスワード入力が必要で、ベトナムのようにカフェやホテルのおこぼれをもらうことはできない(笑)。ローカル島ではホテルにはあるけれど、カフェは少ない。そしてスピードが遅い。

モルディブ観光の島選び

「モルディブに行く」と言っても、ほとんどの国際線が到着する首都マレ市フルレ島にあるヴェラナ国際空港におりたち、マレ市内に行くか(ボートで15分ほど)、滞在期間が短いのであれば観光開発が進んで陸路で10分ほどで行けるフルマーレで過ごすか、そのままリゾート島かローカル島に行くかを決めないといけない。

リゾート島:リゾートホテルが島を占領するオールインクルーシブ(日本からのツアーだとこちらのリゾート島)
ローカル島:近年、観光客の立ち入りが許可されたローカル島(島内に銀行ATMや飲食店、ツアー会社が揃う)観光客が行けるローカル島は少なく、フェリーやスピードボートの交通手段も1日1本、運航していない曜日もあるので事前に確認が必要になる。

右上:フルマーレ、左下:マレ市内

ヴェラナ国際空港
従来は空港島からモルディブ首都のマレ島は海で隔てられていて船やボートなどの水上交通により結ばれていたが、2018年8月30日に空港島南部からマレ島に向け橋梁開通で車両での行き来が可能になったが、これら事業は2014年に中国との首脳会談で決定していて空港は北京城建集団(Beijing Urban Construction Group)が施工していて、橋梁名称も中国モルディブ友好橋(China-Maldives Friendship Bridge)とも呼ばれている。

Wikipedia
右上のマレ島を中心に、1000以上の島々から成る

マレ島


マレ島の見どころは、マレ魚市場(Male Fish Market)、お土産通り(Chaandhanee Magu)、ジャングルのような街の公園(Sultan Park)、そしてアポロ11号が月に行った際に持ち帰ってきたという月の石が展示されている博物館(National Museum, Maldives)など!そのほか、お洒落なカフェやデザインの素敵なモスクも。

リゾート島

すべての島にひとつずつ、リゾート会社が入り経営管理。モルディブには現在約120のリゾート島があり、今でも約20のリゾート島が建設中なのだとか。あとの800ほどの島々は無人島で、リゾート島のゲストは、日帰りの島旅で訪れることが多い。代表的なのは、Four Seasons Hotels and Resorts(1961年カナダ発祥)、Jumeirah Hotels & Resort(ドバイ発祥)Anantara Hotels & Resorts(2001年タイ発祥)、Hilton Hotels Corporation (Conrad Hotels) (1982年米国発祥)など。あと私は知らなかったけれど、Sun Siyam Resorts(1990年モルディブ発祥)というリゾートホテル系列のホテルも日本人に人気なのだとか。

Four Seasons Resort Maldives At Landaa Giraavaru
Jumeirah Maldives Olhahali Island

ドバイ発祥で高級リゾート展開。Jumeira Vittaveliも、ネット検索では出てくるけれど、どうやらこちらは閉業した模様。この建築美は、豪華絢爛でなかなか落ち着かない・・・!

Anantara Dhigu Maldives Resort

自然の緑と木々がある風景が特徴だと思う、タイ発祥のAnantara。温もりがあり、落ち着く空間。あと、思ったけれど木漏れ日って素敵。

以下は、Google Map見ていてふと気になった雰囲気の良いリゾート島のホテルたち。

Kagi Maldives Resort & Spa
Nova Maldives
Sun Siyam Iru Veli Premium All Inclusive
Kuda Villingili Maldives Resort 

Mar-Umi (Peruvian Japanese)

この、サーフィンスポットで有名なローカル島の隣にあるリゾート島Kuda Villingili Resort Maldivesには、ライブラリーと日系ペルー料理(Comida Nikkei)のMar Umiレストランが!(日系ペルー料理は、ペルーに移住した日本人が、ペルーの食材を使って和食を作っていたことがはじまりだそうだけれど、その日系ペルー料理をモルディブで食べられるとは!)面白いのは、Marはスペイン語で海という意味。そして、Umiはもちろん日本語でも海!言語を組みあわせて店名にしたセンスよ!

ベトナムの山奥にあるリトリートでオーナーが飼っていた子猫の名前に、Nekoと名づけたのを思い出した。今でも、ちゃんとNekoって呼ばれているかなぁ~?

モルディブって、結構日中の日射しと湿気がスゴイので、島のライブラリーで知的活動(読書)ができるのも素敵だなぁと。いろいろ見ていて気付いたのは、アジア発祥、西洋発祥、そして中東発祥のリゾートホテルにはそれぞれカラーがあって、やっぱりアジア人にとっては身近な木々や少数民族などの伝統や文化がどこかで表現されている気がすること。

追加で番外編(水中レストランとホテル)

Ithaa Undersea Restaurant
Conrad Maldives Rangali Island

そして、近くにある水中ホテル。

THE MURAKA 

個人的には、こんな水中空間で寝ると、なんだか悪夢に苛まれそうでお断りだけれど(笑)、興味ある方には是非。ちなみに水中レストランの食事自体も、あまり評判は良くないので、場所代として割り切ると落胆しなくて済みそう・・・笑

ローカル島

マレに到着して、そのままリゾート島に行くとあまり経験しないかもしれないけれど、モルディブの国教はイスラム教の為、ローカル島ではお酒が飲めないし、販売がてきない為、例えばMafushi島では、島の沖合にサファリボートを停泊させて、そこでお酒を提供している。今回の旅では、ローカル島にハマり、帰ってからいろいろモルディブのローカル島について調べてまとめてみた(完全に自己満足でやっているので、各自調べてからお気に入りの島を是非見つけてみてください!)。

Hulhumale

人工島だけれど、ローカル島として分類。北マーレ環礁。首都マレの人口増加を解消する目的で作られ、空港がある島と道路でつながっており、空港からはバスや車で約10分弱で到着。

Maafushi

マレ島から近場で交通の便が良く、観光客に人気。南マーレ座礁。マレのJetty No.5民間スピードボートで30分(10~30USDほど)。フェリーはマレ島のVillingili Ferry Terminal(所要時間1時間15分、2USD~3USDほど)。外国人専用のBikini Beachがある。Maladiwa Beach & Spa

Villingili

マレからフェリーで約10分。島1周が約30分とコンパクト。

Dhidhdhoo

マレ国内線空港からハニマドゥ国内線空港まで飛行機で約45分。ハニマドゥ国内線空港よりスピードボートで約25分。病院や銀行、カフェも充実した島。

Fulidhoo

Ukulhas

Thulusdhoo★

(交通の便が良く、サーフィンスポットあり)
モルディブ随一のサーフエリアに位置する小さな島。コカ・コーラ工場がある。北マーレ環礁。宿は25か所ほど、センスが良いお洒落な宿やレストランあり。このローカル島の隣にはKuda Villingili Water VillasとKuda Vilingili Resort Maldivesがあり!(写真上記)

左:ローカル島Thulusdhoo  右:リゾート島

ローカル島内のオシャレな空間。
Thesandbar、Indulge Thulusdhoo、Cordia Cafe、Palms Thulusdhoo
Zen Patio Thulusdhoo。

カフェのデザインやメニューが人気!
Iru Maldives

フェリーはマレ島のVillingili Ferry Terminal(所要時間1時間30分、2USD~3USD)Thulusdhoo島は、Dhiffushiからのフェリーで経由地として行った場所だった。

Dhiffushi


Crown Beach Hotel Maldives
Sky Beach Maldives - Dhiffushi
Araamu Holidays & Spa
Dhiffushi Inn
Isla Dhiffushi

http://altecmaldives.com/dhiffushi-ferry/

Guraidhoo

Himmafushi

Thoddoo

Dhangethi

ローカル船で6時間5USD、マレのVillingili Ferry Terminalを9時発、スピードボートで1時間半~2時間35USD、マレのJetty No.1を16時発。宿は15軒ほど、飲食店2軒、これといって惹かれるところは無い。

Dharavandhoo

この島は、ユネスコ自然保護区内の島で、Hanifar Bayやマンタ目当て(5月~11月)に訪れる人が多い。

国内線が発着するバー環礁への玄関口であるダラバンドゥ空港あり。

Dhigurah★

宿は18軒ほどあり、お洒落な空間が多い。

Seaside Dhigurah

Maamigili

国内線が発着する南アリ環礁の玄関口・マーミギリ島。マンタやジンベイザメツアーが人気。Holiday Islands、Sun Islands

Hangnaameedhoo

Ocean Lily Inn

Addu Atoll(最南端)

モルディブ最南端のアッドゥ環礁。この環礁の玄関口で空港もある「ガン」は、イギリス王立空軍が秘密基地を置いていた島。元々は独立国だった場所というのも面白く、現在も独自の言葉を話し、独自の食文化を持つのだとか。Ganから、Feydhoo、Maradhoo、Hithadhooの計4島はリンクロードと呼ばれる道で繋がっており、車や自転車で自由に往来できる。

未開発のローカル島

Kendoho

Dhoani Maldives Guesthouse

島のレビューで気になったメモ。

基本的には、過密な観光のない、小さくて美しい村でしょう。人々は観光にそれほど慣れていません。 しかし、島全体が文字通り、砂に覆われたゴミ捨て場です...何年にもわたって、かつて埋められていたものが今再び現れています。私たちのゲストハウスとオペレーターはとても素晴らしく、温かいです...すべてが美しくレイアウトされ、多くの情熱を持って設計されています。しかし、彼は間違いなくゲストハウスのある島を間違えています。

そういえば、友人の論文でも、各島はそれぞれの機能(リゾート、ゴミ捨て場、生活の場など)にわけられているようなことが書かれていた・・・。

Kudarikilu

Nihaali Maldives

完全なるローカル島って、まだまだデザインが洗練されていないというか、カフェが少ない気もするな~。モルディブは、完全に「1島1リゾート」だけが点在しているかと思っていたけれど、そうではなくて、周囲にたくさんのローカル島もあって、その中でも、観光開発が進んでダイビングショップやツアー会社、カフェ、ホテルなど多くがあるローカル島と、観光客の立ち入りはできるけれど、お店は地元の人々が利用するところしかなくて、選択肢も限られるような、島もたくさんある。

改めて観光開発って難しいなぁと思いつつも、この難しさがまた、モルディブに行きたいと思わせてくれる動機づけでもある。いざ、建築美の旅へ。

余談:モルディブ観光省年間統計Tourism Yearbook 2023によると、2022年のモルディブへの日本人観光客数は8,543人。2018年、2019年は40,000人超えだったので、このコロナ禍前後の差が激しい。そして、日本に代わり、韓国の台頭!(コロナ前と同数推移で戻ったと言ったらよいのか)インドは2022年の観光客数240,000人超え。まぁ、地理的にも歴史的にも、桁数が異なるのは理解できる。この2国間は、今後、政治的(モディ首相のラクシャディープ諸島訪問X記事に対して批判したモルディブ副大臣に起因するインドのモルディブボイコット運動)な事柄も含めて、2023年、2024年の動向が気になるところ。(先日のThe Hindu記事には、2024年第一四半期のモルディブへの中国人観光客の急増(これまた政治的な理由がでかい)が掲載されていたけれど、そもそも、それ以前の急減があったとは)

Region/ Nationality
North East Asia
South Asia
Accommodation Establishments & Bed Capacity 2018-2022

ローカル島への旅について、こちらのサイトでも良くまとめてくれていた。


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