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説得力は人から借りる。〜PR的ライフハック〜

こちらはTOWN Advent Calendar 2022 の6日目の記事です。

こんにちは、採用広報をしているシマヅです。
今回はPRの考え方を使ったコミュニケーションのライフハックをご紹介したいと思います。
(私が説明せずとも、特に気にせずに普通に使っている方もたくさんいますが、まあ聞いてくださいよ。)

特に若手の皆さんに、
「なかなか自分の提案が通らない」
「何度も提案しているのに、それに対して動きがない」
という時に使っていただきたいライフハックです。

新卒1年目の時、こんなことがありました。

PR代理店で働いていた私は、当時プランナーが作った資料をメディアに持っていき、取り上げてもらえないか交渉するメディアリレーションズという仕事をしていました。

あるとき、メディア用の資料としてA案とB案のどちらでいこうかチームで考えることがありました。自分はB案の方がいいと思ったので、上司であるプランナーに伝えましたが私の提案は通らず結局A案が採用されることに。

A案の資料が完成したので、それをメディアの方に見せにいったところ「これじゃ取り上げられないね」と言われたので、「実はこういう案もありまして・・・」とB案についても口頭で説明しました。

するとメディアの人から「絶対B案の方がいいよ!」という意見をいただきました。
そしてそのことを社内に伝えると、その日のうちにB案変更されました。

こういうことって結構ありませんか?
伝えている内容は同じなのに、それが誰の意見かで提案が通るかが変わるということ。

若かりし当時の私は「私が最初にB案がいいって言った時は却下したくせに・・!」と、やりきれない気持ちになりましたが、しかしPR的に考えると当たり前のことだなぁとも思いました。

「誰が伝えるか」って大事

何かの商材をPRするとき、「どのようなストーリーで伝えるか」と同じくらい重要なのは「それを誰に言ってもらうか」です。
それによって説得力が格段に違うからです。

例えば、健康訴求したい商品だったら医師や専門家に言ってもらったり、美容訴求したければ美容家やインフルエンサーに言ってもらいます。
このような人たちのことをオピニオンリーダーと呼びます。

「何を当たり前のことを」と思うかもしれませんが、この考え方って実際に私たちが働く上でも結構使えることなんじゃないかなと思います。

人の説得力を借りるとき

もちろん自分の意見をそのまま伝えて、それがすぐに認められ、すぐに進みそうな時なら、こんなことを考える必要はありません。

しかし仕事というのは、組織の上層部になればなるほど検討要素も多く、いくつもの重要度と緊急度の高い課題が同時進行していて、なかなか全てに手が回らない・・・ということも多々あるかと思います。

そんな時に「すぐにその提案を進めなくては」と思わせるよう、自分の提案の説得力を上げる工夫をするのも、一つの方法ではないでしょうか。
(もちろん若手の意見が頭ごなしに否定される場合は、伝え方以前に組織としての問題だと思いますが)

誰の意見として伝えると効果的かを考える

誰の意見として伝えると効果的かを考えます。その時にこの2点に注目してみてください。

①その人はどういう人か

・顧客
いうまでもなく、そのビジネスを成り立たせている顧客の声はとても重要です。

・その分野のエキスパート
直接の顧客ではなくても、その分野の知見に秀でたエキスパートの意見は重宝されます。

②その情報の価値はどのくらいか

・情報の希少性
情報は希少であればあるほど価値が上がります。「あなただからこそ、知ることができた情報」であると、その重要度は高まります。

例えばあなたは顧客対応をしていて、提案したい相手が直接顧客対応をしていないマネージャーの場合。顧客も対応をしているプレイングマネージャーに提案する時よりも「あなたが聞いてきた顧客の今の生の声」の価値は高まるでしょう。

・情報の信頼性
その人の意見を採用することによって、その人が金銭的に得をする関係性でない場合、その意見の信頼性は高まります。

なぜメディアの意見がすぐに採用されたか

前述の私がPR会社にいた時のお話で、メディアの方の意見がすぐに採用されたのは、メディアがPR会社にとって顧客であり、かつコミュニケーションのエキスパートであると同時に、情報の価値である2点も満たしていたからです。

・プランナーの上司は、現在メディアと直接話していなかったため「メディアの今の生の声」は持っていなかったこと(情報の希少性)

・PRは広告と異なり、メディアの広告枠を購入するわけではありません。ですのでメディアの方からいただく意見は、何か思惑があっての意見ではなく、本心からの意見だったこと(情報の信頼性)

もちろんここに挙げたすべての条件を満たさなくても大丈夫です。大切なのは、自分を取り巻く関係性を構造で把握して、どの人の意見が説得力があるのかを考えることです。

その人の意見として言ってもらうには

誰の発言が効果的かわかったら、その人の説得力を借りるために、意見を聞き出しましょう。自分の考えも伝えつつ、その人に質問してください。
(いくら説得力が欲しいからって、勝手に捏造していはいけませんよ。)

エキスパートとしての意見を聞く場合
「今、会社としてA案とB案で検討しています。私はA案の方が〇〇という理由で良いと思いますが、プロのご意見としてはどう思われますか?」

顧客の意見として聞く場合
「今、会社としてA案とB案で検討しています。A案の場合〇〇ということが起きます。B案の場合は〇〇です。私は〇〇という理由でA案の方が〇〇様にとってメリットが大きいのでは?と思います。実際に使っていただいている〇〇様としてはいかがですか?」

説得力は人から借りよう

オピニオンリーダーの意見を聞き出せたら、あとは自分の提案にのせて伝えるだけです。あなたの提案がかなりパワーアップして伝わるはずです。

働く上で人の力を借りることはとても大事です。人の力を借りる方法は、物理的に業務を助けてもらう他にも、発言力を借りるという方法もあります。

発言力はその人の実績などから生まれるので、若いうちからそれを得るのはなかなか難しいと思います。

自分の実績を作ることは一朝一夕には難しいですが、すでに実績のある人から意見を聞いてその人の説得力を借りることは簡単なので、ぜひやってみてください〜!

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