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クリスマスはカラス(ショートショート)

クリスマスにはカラスが似合う。
ネオンの下でエサを探している。
クリスマスの思い出はカサカサのケーキぐらいだ。
疎外感しかない。
すさんだ気持ちに暗い顔付きじゃ、すれ違う人も避けて当然だろう。
職務質問されても仕方がないか。
声をかけてくるのが警官とはと思って、笑う気もしない。
「どこへ、行くの」
「散歩です」
「名前を聞いてもいいですか」
「佐藤です」
「佐藤 何?」
「佐藤サンタ」
「本当ですか、なにか免許証とか持ってます?」
ほらよと見せると
「本当ですね」
そりゃそうだ、そして今日が生まれた日だ。親の投げやりが分かるだろう。
「お気をつけて」
何が気をつけてだ。
おいこらそこのカラス、お前に職質してやる。
おいおまえ、答えろ。
クリスマスにはチキンだろ。
カラスなんて、誰も食うものか。
なんでカラスに生まれた。
カラスの勝手でしょってのがテレビで昔あったな。
振り向いて走った。
警察官に追い付いた。
体当たりした。
よろけて、良く見たら空気の入ったサンタの人形だった。
宿も確保できなかった。

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