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まだ見ぬ君に覆いを馳せて、カヤネズミ(後編)

不思議な手毬のような巣。
そのカヤネズミの巣に出会ってからは、その巣を蓄えている草ぼうぼうの荒地を眺めるのが 僕の楽しみな日課となりました。

仕事を終え資材置き場まで帰ってきて、荷物の積み下ろしは後回し。
草ぼうぼうの荒地を眺めるのです。
とっぷりと日の暮れている日もあれば、ちょうど夕日が沈んでいくような日もありました。

《カサカサカサ、》おもむろに音を立てて大きな細長いカヤの葉が揺れる時もあれば、静かにしんなりと葉が上下する様なときも有ります。
一拍の溜めのあと、勢いよく ”ビヨーン”と跳ねるように動く時もあれば、
揺れる葉が “のっし、のっし”と行進するように進んでいる時もあります。

いろんな光景が僕の頭の中に浮かびます。
「今のはカヤネズミが ジャンプして飛び移ったんじゃろうか」
「いやいや、あんな大きく揺らすほどの体重ないじゃろう、、」
「うんにゃ、勢いよく飛び移ればあれくらいゆれるじゃろう」
「あ、鳥の鳴き声も聞こえるし カヤクグリっていう鳥かもしれん」
(これも見たことは無いけれど巣のことを検索している時に知りました)

ここには沢山の生き物がいるのです。
僕が見ただけでも きじ、たぬき、いたち、はくびしん、野良猫にハトにカラスに、え~っと モズにシジュウカラに それから沢山たくさん。
とにかく沢山いるのです。

そのなかにカヤネズミも、、、
切磋琢磨してみんなと暮らしているのだと思います。

そしてきっと僕には姿は見せないと思います。
とても警戒心が強いそうですので、、、
でも全然かまいません。 今年また 真新しい巣を見せてもらえたら想像の中で楽しませてもらえます。
ぜひ、元気でいてほしいです。

追伸、
以前 手伝いで田んぼ作業をしていた時、干してある稲をヒョイっと下ろした時に 小さなネズミと目が合ったことがあります。
その時は小さな野ネズミの子供って思っただけでしたけど
あれきっと、カヤネズミだったなぁ
うす柔らかい茶色みを帯びてて可愛かったなぁ、、、、
目ぇ合ったし、、、♪

ここまでお付き合いくださったあなたに是非、
何か小さないいことが訪れますように

ありがとうございました


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