究極の自由は破滅の道へつながっている
「テクノ・リバタリアン」(橘玲著 文春新書)を読みました。
この本は今月19日に発売されたばかりの本です。
テクノ・リバタリアンとはイーロン・マスク、ピーター・ティール、サム・アルトマンなどの
数学やコンピューターの天才(ギフテッド)たちがSFの世界を現実化しようとしている、
彼らのことをテクノ・リバタリアンといいます。
極めて高い論理的かつ数学的な能力を持つ一方で、
彼らは認知的共感力に乏しい自閉症です。
つまり、日常生活ではかなりの障害を持ち、人との付き合い、つまりは
社交性とか共感性そういったものが欠如していると考えられます。
しかし彼らは今、莫大な富や成功を手にし
それは「高知能の呪い」として、私たち人類の運命を握っているともいえます。
この本は自由というものと、そこにまつわる経済、社会、リベラリズム、
あるいはその自由主義の混乱、革命、その中間にある市場原理を否定する人たち、
正義をめぐるそれらの立場の違いを明確にし、その行く末を占うものです。
世界の根本的な法則を数学者のブロワ・マンデルブロは生み出しました。
ある形状が分割されて、1段小さい複数の同じ形状が現れ、
それが繰り返されることをマンデルブロは「フラクタル」と名づけました。
その形は、正規分布に似ているものの、統計的に予想されるようにも、
極端なことがずっと起こりやすい、
正規分布曲線の尾が長く伸びることから「ロングテール」とも呼ばれます。
マンデルプロは世界の本質はフラクタルで(複雑形)で、正規分布は、
要素同士の相互作用が限定された特殊なケースであることを発見しました。
物理学者のエイドリアン・ベジャンは、
電子機器の回路から熱を逃すための設計が、河川が平地で分散し海へ流れ込んでいくデザインと同じであることに気がつき、ここから独力で考察を進めたのです。
彼はこれを世界の根本法則として「コンストラクタ法則」と唱えました。
べジャンによれば、生物であれ、生物であれ、あるいは微細な分子から広大な宇宙に至るまで、
この世界に存在するすべての物質(もちろん人間も含まれる)は、1つの単純な規則に従っています。
それは「流れがあり、かつ自由な領域があるのなら、より速く
よりなめらかに動くように進化する」と言う原理で、これには例外がありません。
地球と言う生態系では、太陽から受ける熱量が赤道付近と極地で異なることで、
水(海)や空気(大気)の流れが発生します。
すると魚は、水の流れの中でもっと速く、なめらかに移動できるよう体を流線形に進化させ、
鳥は翼によって重力に逆らって上昇し、大気の流れの中を飛行できるよう進化したのです。
(陸上の動物は、重力と地面の摩擦に移行してより速く動くために、肢体を動かして小刻みにジャンプするよう進化しました)。
これは生物だけの話ではないのです。
飛行機や船は、空や海でより速く、よりなめらかに移動するよう、
鳥や魚と同じような形状になっていったわけです。
コンストラクタル法則は、生物か生物かにかかわらず、同じ形(流れ)の中に置かれれば、
同じような「形」に進化することを示しているのです。
シンギュラリティ、技術的特異点が到来した未来世界では、
スタートレックに出てくる機械生命体防具のようなものが作られ
すべての人類は意識を持つAIと融合し、永遠の生命を持つ「超知能」となって、
全宇宙へと広がっていくのです。
これはもはやSFではありません。
今世界で起きている「とてつもない変化」についてこの本は記してあります。
恐ろしい予言の書です。
この本は読んではいけません。
なぜなら「我々は破滅に向かっている」ことを事実をもとにして明確に描いているからです。
彼らを止めなければなりません。絶望の書です。
イーロン・マスクは映画「XーMEN」に感化され、自分の子どもにもXと名付けました。
さらには買収したツイッターをX(エックス)にしてしまったのです。
本当に人類を火星に移住させるつもりですが、果たしてそれでいいのでしょうか。
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