まつき

1985年うまれの私が、ひっそりと作文の練習をしています。プロフ画像の深海生物“ゴエモ…

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1985年うまれの私が、ひっそりと作文の練習をしています。プロフ画像の深海生物“ゴエモンコシオリエビ”が、静寂に包まれた暗黒の海底で、己の胸毛に住まうバクテリアを食し密かに生きるように。

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  • 映画パンフレット感想

    映画パンフレットの感想記事をまとめています。パンフ掲載記事の直接引用はしません。なんでも日本の映画パンフレット文化は独自の発展を遂げているようで、さらにそれが盛り上がればという思いで書いています。また、購入検討の参考になれば。更新は不定期。

  • 毎月更新|注目する劇場公開映画

    今後劇場公開される作品の中から、わたしが注目している作品をピックアップして紹介しています。月毎に記事を作成、アップします。

  • プロレス関連記事

    プロレス興行の感想、観戦記、プロレスにまつわる話など、プロレスに関する記事をまとめています。更新は不定期。団体は主にプロレスリング・ノアと全日本プロレスになります。

  • 映画感想

  • 映画鑑賞リスト(年間ベスト)

    その年に観た映画のタイトルと、個人的ベスト10をまとめた記事です。

最近の記事

映画パンフレット感想#32 『ユニコーン・ウォーズ』

公式サイト 感想 鑑賞中、前半部こそ「見た目がキュートなテディベアたちが悪意を顕にしたり酷い目にあったりするギャップの面白さ」が前面に押し出され、面白がりながらもその悪趣味さにこのまま終始するのではと不安があった。しかし中盤から事態が悪化し、凄惨な様相を呈し、主人公兄弟のアスリンとゴルディの内面や関係性により強く焦点が当てられると、急速に面白くなった。映画はそのままあの見事なエンディングまでノンストップで突き進み、エンドロールが終わる頃には満足感に包まれていた。席を立ち上

    • 7月劇場公開映画!わたしが注目する9作品(2024)

      観る映画のチョイスがややコア気味になりつつある私が、7月に劇場公開される作品の中で注目しているものを、まるっと紹介します。頭に「★」がついているものは、とりわけ楽しみにしている作品です。 ※参考リンク:私が昨年観た映画、今年観た映画 ちなみに私、映画は鑑賞前に極力知識を入れないようにしているので、内容の紹介はほぼありません。公式サイト(あるいはWebメディアの記事)へのリンクと、私のテキトーなコメントだけ添えてあります。ご容赦ください。 もしよろしければ6月の記事もあります

      • 映画パンフレット感想#31 『関心領域』

        公式サイト 公式X(Twitter)アカウントによる紹介ポスト 感想 表紙の花の“赤”が目を引くパンフレット。彩度の高い特色インキ(ひょっとすると蛍光インキかも)が使用されており、色の選定にもこだわりがあるのだろうと思ったが、ビジュアルは国外と共通のようなので権利元と色見本が共有されているのかもしれない。どちらにせよインキの選定や色の調整には手間がかけられていそうだ。 中頁にも一風変わった仕掛けがある。はじめの8ページとおわりの8ページは一般的な印刷物と同様、白い紙

        • 映画パンフレット感想#30 『ありふれた教室』

          公式サイト 感想 A5サイズのコンパクトなパンフレット。直前に読んだパンフレットが『胸騒ぎ』の特大サイズだったため、そのギャップで風邪をひきそうになった。そのサイズ比、おおよそ1:4である。ただ、サイズが小さいといっても38ページ(表紙含む)でテキストはぎっちり詰まっているのでボリュームは十分だ。 監督・脚本を務めたイルケル・チャタクへのインタビュー記事は、鑑賞中に引っかかった疑問の解となる言及があるなど、知りたい情報が詰まっていた。例えば、「なぜカーラ・ノヴァクはポー

        映画パンフレット感想#32 『ユニコーン・ウォーズ』

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          映画パンフレット感想#29 『胸騒ぎ』

          公式サイト 公式X(Twitter)アカウントによる紹介ポスト 感想 上記に引用した公式の紹介にあるとおり「海外のタブロイド紙をイメージした」だけあってこのパンフレット、とにかくでかい。 そもそもタブロイド紙とは何ぞやと調べているうちに、「日本におけるタブロイド判は273×406mm」との情報を発見した。実際にパンフの寸法を計測してみると約272×約405mmで、ほぼ同寸。なるほど、ただ新聞風にするため無闇に特大にしたわけでなく、モチーフを忠実に再現してのこのサイズ

          映画パンフレット感想#29 『胸騒ぎ』

          映画パンフレット感想#28 『人間の境界』

          公式サイト 公式X(Twitter)アカウントによる紹介ポスト 感想 本作は、紛争や迫害で自国から逃れ、救いを求めて亡命を試みる難民たちが、ポーランドとベラルーシの国境付近で両国の押し付け合いに遭い、ふたたび命の危険にさらされる過酷な現実が描かれた作品である。実際に起きている国際社会の難民問題のひとつを題材にしているだけに、劇中で明らかにされたこと以上の背景や実情を知りたくなり、パンフレットを購入した。そして充実した記事がその期待に十分応えてくれた。記事数以上にボリュ

          映画パンフレット感想#28 『人間の境界』

          [現地観戦]雑感#11|2024.5.4 ノア 両国国技館「WRESTLE MAGIC 2024」

          すでに1週間以上経過してしまいましたが、現地で観戦しておりました。簡単に感想を残したい……とずっと思っていたものの、とにかくこの興行、情報量があまりに多く、何から書けばいいのか、何をどれだけ書くことになるのかわかりませんでした。筆を執るのが怖い。本気で向き合ったら書き終わる頃には深い後悔に襲われそう。なんて考えてたらいつまで経っても書けないので、勢いでスタートしてしまいます!ノリで一気に書き上げてしまいます!駄文失礼します! 公式サイト試合結果ページ雑感(1)いきなり総括

          [現地観戦]雑感#11|2024.5.4 ノア 両国国技館「WRESTLE MAGIC 2024」

          映画パンフレット感想#27 『ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版』

          公式サイト 公式X(Twitter)アカウントによる紹介ポスト 感想 税込770円と、近頃のパンフレットにしては比較的安い価格設定。表紙こそツヤだしの表面加工が施されているものの、使用紙は一般的なコート紙で、B5サイズの中綴じ製本28ページと、仕様はシンプルだ。また、記事の数も一般的なパンフに比べると1つ2つ少ない印象がある。恐らく、4Kレストア版とはいえ旧作のリバイバル上映で公開規模も小さい作品なので、パンフも相応の予算と仕様で製作されたのだろう。 とはいえ映画の

          映画パンフレット感想#27 『ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版』

          映画パンフレット感想#26 『悪は存在しない』

          公式サイト 公式X(Twitter)アカウントによる紹介ポスト 感想 サイズは約179mm四方。通常版を購入したため気づくのに時間を要したが、特装版には7インチレコードが付いているらしく、そのサイズに合わせてのことだろう。パンフレットの形状もまた映画と同様に、音楽家・石橋英子氏の存在がきっかけで誕生したものといえそう。 巻頭には濱口竜介監督による前書きがある。そこに綴られているとおり、物語や描写の意図を紐解いていくというよりも、『悪は存在しない』と『GIFT』がどの

          映画パンフレット感想#26 『悪は存在しない』

          映画パンフレット感想#25 『システム・クラッシャー』

          公式サイト 公式X(Twitter)アカウントによる紹介ポスト 感想 A5サイズで、背のあるくるみ製本。表紙には光沢の加工が施され……って、これ、前にも見たことがあるような……と思い、本作を配給したクレプスキュールフィルムの過去配給作のパンフレットを我が家の押入れから引っ張りだしたところ…… というわけで、クレプスキュールフィルムがパンフレットの装丁や基本的なデザインを全て統一していることに今更気づいたのだった。全てのパンフレットに言えることだが、写真はふんだんに収録

          映画パンフレット感想#25 『システム・クラッシャー』

          映画パンフレット感想#24 『マリウポリの20日間』

          公式サイト 感想 A5サイズ、中綴じ24ページの、コンパクトなパンフレット。主な記事は、監督のアカデミー賞授賞式での受賞コメント(公式サイトにも掲載あり)、監督の長文の作品解説と、寄稿が5本。テキスト量は十分あるものの、作品の内容をそのままなぞった文章や、似た内容の記事が多い。写真は少なめ。これで税込990円の価格設定は正直なところやや高く感じるのだが、販売数見込みや記事の依頼料など、諸々事情が重なっているのだろうと勝手に事情を察した。ただ、不満ばかりというわけでなく、学

          映画パンフレット感想#24 『マリウポリの20日間』

          6月劇場公開映画!わたしが注目する9作品(2024)

          観る映画のチョイスがややコア気味になりつつある私が、6月に劇場公開される作品の中で注目しているものを、まるっと紹介します。頭に「★」がついているものは、とりわけ楽しみにしている作品です。 ※参考リンク:私が昨年観た映画、今年観た映画 ちなみに私、映画は鑑賞前に極力知識を入れないようにしているので、内容の紹介はほぼありません。公式サイト(あるいはWebメディアの記事)へのリンクと、私のテキトーなコメントだけ添えてあります。ご容赦ください。 もしよろしければ5月の記事もあります

          6月劇場公開映画!わたしが注目する9作品(2024)

          映画パンフレット感想#23 『異人たち』

          公式サイト 感想 年間ベスト級の映画だったため購入した。サーチライト・ピクチャーズ配給作品(米にて)なので、みんな大好きサーチライト・ピクチャーズブランド共通フォーマットのパンフレット。デザイン、充実した記事、ボリューム、どれも高水準のシリーズだが、本作のパンフも期待に違わず一定の満足感が得られるものだった。 私が本作を見事だと感じたことのひとつが、性的多様性(主にゲイ)について社会における理解が変化/深化した過程がシーンや台詞に巧みに盛り込まれていることだった。パンフ

          映画パンフレット感想#23 『異人たち』

          映画パンフレット感想#22 『辰巳』

          公式サイト 公式X(Twitter)アカウントによる紹介ポスト 感想 期待を上回る面白さだったので、上映終了後すぐに売店へ直行し購入した。私が感じた本作の魅力を大きくふたつ挙げるとすれば、「すべての登場人物が魅力的で生き生きしていること」と「ジャンル映画的なわかりやすい面白さ」だ。 「登場人物が魅力的」なのは、俳優たちの確かな演技力とその熱演、そしてそれを引き出しカメラで捉えた監督をはじめとした制作スタッフの技術が素晴らしいからだと思った。また、「ジャンル映画的なわ

          映画パンフレット感想#22 『辰巳』

          映画パンフレット感想#21 『リンダはチキンがたべたい!』

          公式サイト 公式X(Twitter)アカウントによる紹介ポスト 感想 筆でササッと描かれたような輪郭に、単色ベタ塗りで表されるキャラクターなど、独特かつやや抽象的なタッチのアニメーション。それなのに台詞や環境音はやけに現実的で生々しいという不思議な感覚。それは本作が描く、元気いっぱいな子どもたちの(あるいは大人たちの)無秩序ともいえる自由さや個性を、より直感的に表現する効果をもたらしているように感じた。が、なぜこの表現方法に至ったのか、また音声に異様に臨場感があるのは

          映画パンフレット感想#21 『リンダはチキンがたべたい!』

          映画パンフレット感想#20 『フォロウィング 25周年/HDレストア版』

          公式サイト 公式X(Twitter)アカウントによる紹介ポスト 感想 過去に類を見ないほどの思い切ったパンフレット。『フォロウィング』のパンフでありながら、『フォロウィング』の物語や描写の解説はほぼ皆無なのだ。しかしそれを補って余りあるほど、作劇の構造、音楽、映像など、技術面についてひたすらに綴られている。もはや「映画『フォロウィング』のパンフレット」というよりも、「クリストファー・ノーラン監督の映画制作の歴史を、長編デビュー作を中心にフィルモグラフィーから解剖する小

          映画パンフレット感想#20 『フォロウィング 25周年/HDレストア版』