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2020北海道大学 国語 第一問 解答速報

出典は中屋敷均『科学と非科学 その正体を探る』。

関連 2019東大国語/第一問/中屋敷均『科学と非科学のはざまで』↓↓
https://note.com/pinkmoon721/n/nf8435a01e8e8

問一 (漢字)

1.枚挙 2.混交(混淆) 3.余儀 4.大雑把 5.成熟 6.提唱 7.階層

問二「こんなこと」の指し示す内容を40字以内で説明せよ。

〈GV解答例〉
科学的な発見が、のちに現実を説明する上で不適切な誤りだと判明し、斥けられること。(40)

〈参考 S台解答例〉
後に現実に合わない間違いの仮説であることが判明し、科学の歴史から消えていくこと。(40)

〈参考 K塾解答例〉
がんを人工的に引き起こしたという科学的知見が、後で誤りであったと判明すること。(39)

〈参考 Yゼミ解答例〉
一度正しいと認められたことが、後で間違いであるとわかり歴史から消えていくこと。(39)

問三「教条主義に陥らない"可塑性"こそが科学の生命線である」とあるが、どのようなことか。50字以内で説明せよ。

〈GV解答例〉
真理性の高い仮説でも、さらなる現実適応度を追求し修正を重ねる姿勢が、科学の発展に不可欠だということ。(50)

〈参考 S台解答例〉
科学では特定の仮説を絶対視することなく絶えず修正し続け、真実へと適応度を高める必要があるということ。(50)

〈参考 K塾解答例〉
科学的知見の変容を拒まず、現実に適応する仮説へと修正し続けるか否かに、科学の存在がかかっていること。(50)

〈参考 Yゼミ解答例〉
どんなに正しく見える考えも聖典化されず、批判と修正を繰り返すことが科学の存在意義であるということ。(49)

問四「深刻な議論」が起こるのはなぜか。60字以内で説明せよ。

〈GV解答例〉
科学的知見の不完全性を前提に、その確度に対する正しい認識を求める場合、専門家でも解釈が分かれるほど複雑な内容になるから。(60)

〈参考 S台解答例〉
科学的知見は専門家でも意見が分かれ、調査規模や分析手法といった画一的な視点でその確度の違いを指標化するのは困難だから。(59)

〈参考 K塾解答例〉
常に未完成な科学的知見の確度について、専門家も意見が分かれ、非専門家も理解しきれない以上、誰も一定の判断を下せないから。(60)

〈参考 Yゼミ解答例〉
科学的な問題には多種多様な視点があり、どの視点を用いて確度を判断すればいいのかということ自体意見が分かれるものだから。(59)

問五「この権威主義による言説の確度の判定という手法には、どこか拭い難い危うさが感じられる」と筆者が言うのはなぜか。全体の趣旨を踏まえて100字以内で説明せよ。

〈GV解答例〉
人の何かを信じて不安から逃れたいという指向性と対応する権威主義による科学的言説の確度の判定は、決定論に傾き、科学の原理的不完全性に支えられた仮説の修正による科学の発展を閉ざしてしまうと考えられるから。(100)

〈参考 S台解答例〉
科学的知見における確度は、専門家の権威と必ずしも一致せず、権威にすがりついて安心すると、誤りが見過ごされるばかりか、仮説に修正を加えてより真実に近いものへと発展する契機を失うことにもなりうるから。(98)

〈参考 K塾解答例〉
科学は歴史の中で常に修正されていくが、科学的知見の確度を権威の高さと同一視することは、非専門家にも理解しやすく、科学を理解できない不安を払拭したいという欲求を満たし、科学を理解したと思い込ませるから。(100)

〈参考 Yゼミ解答例〉
科学は絶対的な正しさを保証せず常に修正可能性を持つところに強みがあるが、一つの考えにすがりつくことで不安を解消しようとする権威主義が支配的になると、その強みが破壊されてしまう恐れがあるから。(95)

#北海道大学 #国語 #中屋敷均 #科学と非科学

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