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リンカーン大統領とシーサーペント:19世紀の謎の遭遇


海に潜む伝説の生物

「シーサーペント」... この不気味な名前を聞いて、あなたは何を思い浮かべますか? 巨大なヘビのような体、鋭い牙、冷たい瞳... そんな想像をしたのではないでしょうか。シーサーペントは、海に潜む伝説の生物として、古来より世界中で語り継がれてきました。その目撃情報は中世からあり、船乗りたちを恐怖に陥れてきました。

今回は、19世紀アメリカでシーサーペントを目撃したとされる、意外な人物に焦点を当てます。第16代アメリカ合衆国大統領、エイブラハム・リンカーン。彼は若き日に、イリノイ州の川で謎の生物と遭遇したと伝えられています。この記事では、リンカーン大統領とシーサーペントのミステリアスな繋がりを探りながら、16世紀から続くシーサーペントの目撃情報の歴史を紐解いていきます。

16世紀:大航海時代とシーサーペント

話を16世紀、大航海時代に遡るところから始めましょう。この時代はヨーロッパ各国が航海技術を発展させ、世界中を探索していた時期です。

  1. オラウス・マグヌス『北方民族文化誌』: 1555年、スウェーデンの聖職者兼地図製作者、オラウス・マグヌスは著書の中で、シーサーペントを「巨大なヘビのような怪物」と記述しています。マグヌスの報告は、北欧の伝説や民話に基づいたものでした。

  2. ヒュー・ウィルロビー船長: 1553年、イングランドの私掠船船長ヒュー・ウィルロビーは、ブラジル沖でシーサーペントを目撃したと報告しました。彼の記述によれば、シーサーペントは「船首から船尾まで続くほどの長さ」だったと言います。

17世紀:さらなる目撃情報とセントエルモの火

16世紀以降も、シーサーペントの目撃情報は続き、海を渡る船乗りたちを悩ませました。

  1. セントエルモの火: この時代、船乗りたちの間では「セントエルモの火」と呼ばれる現象が知られていました。これは船のマストの先端部に光球が現れる超自然現象で、嵐の前触

  2. れと信じられていました。セントエルモの火はシーサーペントの出現を予告するものとも言われ、船乗りたちに恐れられました。

  3. ハマーの目撃情報(17世紀、デンマーク): デンマークの博物学者ハマーは、グリーンランド近海でシーサーペントを目撃したと報告しました。ハマーは著書『北海誌』(1674年)の中で、シーサーペントを「巨大なヘビのような姿で、長く伸びた首を持っていた」と記述しています。

19世紀:リンカーン大統領の謎の遭遇

さて、ここからが今回の記事の核心です。19世紀、アメリカで活躍したエイブラハム・リンカーン大統領もまた、シーサーペントと関わりがあったのです。

  1. 若き日のリンカーン: エイブラハム・リンカーンは、1809年にケンタッキー州で生まれ、イリノイ州で弁護士として活躍しました。彼は高い知性と弁舌の才を持ち、やがて第16代アメリカ合衆国大統領となる人物です。

  2. 川下りでの遭遇: 1840年代、まだ弁護士だった頃のリンカーンは、友人らと共にイリノイ州の川を下っていました。その途中、彼らの船に巨大なヘビのような怪物が近づいてきたのです。リンカーンは後にこの出来事を語り、それがシーサーペントであった可能性を示唆しました。

  3. リンカーンの記述: リンカーンは、その怪物について「巨大なヘビのような姿で、船の周りを泳いでいた。恐ろしいほど大きな口を開け、鋭い牙を見せつけていた」と記述しています。また、その生物が「恐ろしい鳴き声を上げていた」とも述べています。

  4. リンカーン大統領のシーサーペント目撃談:真実と虚構: リンカーン大統領がシーサーペントを目撃したという話は、歴史的に有名な逸話の一つです。しかし、その真偽はいまだ謎に包まれています。いくつかの書籍がリンカーンの目撃談に言及しており、興味深い考察を提供しています。例えば、「The Great Sea Serpent」 (1899年) は、リンカーンの目撃談を含む様々なシーサーペントの目撃証言を記録しています。一方、「In Search of Monsters」 (2007年) や 「Monsters of the Deep」 (2013年) などの書籍は、リンカーンの目撃談の信憑性について客観的に検討し、様々な可能性を提示しています。

  5. ミシシッピ川の謎: リンカーンがシーサーペントを目撃したミシシッピ川は、アメリカで最も有名な川のひとつです。この大河には様々な伝説や民話が語り継がれており、リンカーン大統領の遭遇は、ミシシッピ川の神秘性を象徴するエピソードとも言えるでしょう。

20世紀以降:現代の目撃情報

20世紀に入っても、シーサーペントの目撃報告はあります。これらの報告は、過去の目撃情報と関連付けて議論されることがあります。

  1. ニューファンドランド・シーサーペント: 1905年、カナダのニューファンドランド島沖で、巨大なヘビのような生物が目撃されました。この生物は「ニューファンドランド・シーサーペント」と呼ばれ、様々な憶測を呼びました。

  2. 日本のタッシー: 1930年代、北海道で「タッシー」と呼ばれる未確認生物が目撃されました。タッシーは巨大なヘビのような姿と伝えられ、シーサーペントの一種ではないかと話題になりました。

シーサーペント伝説の謎

では、シーサーペントの正体は何なのでしょうか? この伝説の生物をめぐっては、様々な仮説が提唱されています。

  • 首長竜説: 絶滅した古代の爬虫類、首長竜の生き残りではないかという説です。首長竜は長い首と小さな頭を持つ水生爬虫類で、その姿がシーサーペントの目撃情報と一致すると考えられています。

  • ウミヘビ説: 巨大なウミヘビがシーサーペントであるとする説です。ウミヘビは海中に生息するヘビの仲間で、中には10メートル近い長さに達するものもいます。

  • 誤認説: シーサーペントの目撃は誤認によるものだとする説です。例えば、クジラやウミヘビ、巨大な海藻などを遠方から見間違えた可能性が考えられます。

リンカーン大統領と海のミステリー

エイブラハム・リンカーン大統領とシーサーペントの謎の遭遇は、19世紀のアメリカで起きたミステリアスな出来事でした。若き日のリンカーンが川下り中に遭遇した怪物は、本当にシーサーペントだったのでしょうか? その正体は未だ謎に包まれています。

シーサーペントは、大航海時代から現代に至るまで、世界中の海で目撃されてきた伝説の生物です。その存在は、海に対する人間の畏怖や好奇心を象徴しているのかもしれません。リンカーン大統領の遭遇は、私たちに海のミステリーを改めて思い起こさせます。

次は、あなたがシーサーペントの謎を解き明かす番です...

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