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ベアドゥと巡る極私的ゴールデントライアングルの旅-4-

旅の2日目の後半。
いよいよ藍島で猫様とご対面。

ところが、船が島に着く直前に突然嫌な予感に襲われました。
それは第六感とも言うべき直感だったのですが、なんとなく島の猫が少なくなっていると言うものでした。
事前にネットで最新情報など調べてなかったので、半年前の様子しか知りません。
根拠なんて何もないのですが何故かそう思えたのです。

藍島漁港
他に2ヶ所の漁港が島にはありますが、一番大きな港

嫌な予感は上陸してすぐに現実になります。
以前は待合所のそばに何匹もの猫がいたのですが、見当たりません。
ようやくカリカリを食べている子を発見。

第一島猫発見!

がっかりしながらも気を取り直して歩き出しました。
島のメイン通りにぶつかる交差点でようやく2匹目に出会えました。

第二島猫
後ろのクルマはこの島名物のナンバー無し
なぜないのかと言うと島の道路は全て私道扱いなので、なくても問題ないからだそう
ちなみに交番もありません
島で唯一の郵便ポスト
収集時間が13:10なのは島から出る午後の便が13:30だから
その便で隣の馬島に寄り、最終便で小倉に戻るのが郵便屋さんのルーティンです
見覚えのある子
もちろんこの子も
カメラを向けると近寄る子が多いけど、この子は割とクール
島の奥に向かう道の途中でカリカリを食べている子
奥にはカバー写真に写っている3匹が並んでいます

数がめっきり少なくなっていて、正直テンション下がりました。
今までは「猫見」の観光客もいましたけど、この日は多分あたしだけ。
他にもう一人、目的不明の男子がいましたけど、カメラを持っていないし、かと言って釣り客でもないしで正体不明の謎マン。
「猫見」(ねこみ)と言うのは島の人たちが猫目当ての観光客を呼ぶ名前です。
かつては島民と猫の数が同じくらいと言われていましたが、現在はとてもそんなに多くはいないです。
全部の猫たちを見れるわけではないにしても、数十匹レベルじゃないかと推測します。
島民の人口は現在およそ200名ほど。
これだけ少なくなってしまった理由はきちんと管理されいるから。
島の猫はほとんどがサクラ猫です。
避妊や去勢されているので子猫が産まれません。
だから増えようがないのです。
本土の有名猫スポットにはわざわざ捨て猫をしに来る不届きな飼い主もいるみたいですけど、さすがに島まで捨てには来ないと思います。
島民のみんなが猫を歓迎しているわけではないし、「猫見」の観光客が島の経済を潤すわけではない(せいぜい連絡船の収入が増えるだけ)ので、このまま自然と猫が減って行くのも仕方ないかなと思います。
東京で有名だった谷中も激減してしまったと聞きました。
有名になったりブームになることでマナーのない心無い人たちによる迷惑行為が増えるのは、猫スポットだけの現象ではないですよね。
撮り鉄もそうですし、最近だと河川敷のBBQとかキャンプとかもそうです。
あたしもこうした猫スポットを訪れる側の人間なので、あまり偉そうに言えないですけど、ブームにおける陰の部分ですね。

いわゆる道に落ちてる猫
身繕いタイム
ペロペロ
バイクの下でお昼寝
伸び〜
奥のトンネルを抜けると島で唯一の小学校があります

漁港エリアでひと回りして撮影した後にお昼にしました。
島には食堂はもちろんカフェなんてありません。
森本商店と言う昔ながらの食料品店があるだけです。
去年の秋までは漁協が経営する購買部があったのですが、10年間赤字続きでとうとう閉店してしまったのです。
なので現時点で島内でお買い物が出来るのはここだけ。
自販機は他にもいくつかあります。
藍島について語るとどうしても「島で唯一」と言うフレーズが付きまといます。
食料品店、小学校、観光スポットなどなど。
民宿に関しても1軒か2軒なので、とにかく最小限のものしかないこじんまりした離島です。
そこが他所から来る旅人には魅力ですけど、地元民にとってはもちろん不便極まりないことだと察します。
いくらここが気に入ったからと行って、移住するかと言えばしないと言うか出来ないですよね。

島で唯一の商店

森本商店ではカップ麺をその場でいただくことが出来ます。
店内にテーブルと折りたたみ椅子があり、おばあちゃんがお湯を入れてくれるのです。
あたしは話し込んですっかり親しくなったせいか、前回はすき焼きをおすそ分けしてくれて、今回はサザエのつぼ焼きを出してくれました。
サザエのつぼ焼きの写真をアップしたのですが、何回やっても反映されません。
え、もしかして✖️✖️な写真と勘違いされたのかな。
他のSNSでは問題なかったのに、なんでだろう?
noteのAIがシビアなんですかね。
*この後、他の普通の画像をアップする時にもエラーになったので、サザエのグロさは無関係だったことが判明(笑)

実はあたしは貝類が苦手であまり食べません。
アサリとかハマグリとかホタテくらいなら大丈夫なんですけど、サザエとかがダメです。
おばあちゃんが出してくれた時は、内心ゲ〜って思いましたよね。
涙目ですよ。
でもせっかくの厚意を無駄にしたくないので、思い切って食べました。
おばあちゃんが作ってくれたからだと思うのですが、食べてみたらそんなに嫌じゃなかったです。
美味しいとまでは感じませんでしたし、これから他で積極的に食べたいかと言えば食べたくないですけど(笑)
でもこの時のサザエのつぼ焼きは間違いなくあたしの中でグルメランキング瞬間1位でした。
おばあちゃんいつもご馳走さま。

ようやくアップ出来ました
さっきのはなんだったんだろう
見ようによっては確かにグロいから規制されたのかと思いましたよ

でもこうして見るとやっぱり食欲をそそるビジュアルじゃないですよね。
あたし的にはなぜ人はこれを食べようと思ったのか選手権の上位入賞者です。
森本商店で扱っているのは数種類のカップ麺と僅かのパンやお菓子類、後は保存の効く食品(お砂糖とかお塩などの調味料とか)に日用品がちょっとと言った品揃えで、コンビニの棚一列分にもならないのではと思います。
最初に訪れた時に暑くてアイスが食べたくて寄ったのですが、「子供がいないから売れんけん」(おばあちゃん談)と言うことで売らなくなったそうです。
氷も置いてますけど、島に来る釣り人はクーラーボックスで持参するので、それほどは売れないと思われます。
年金の足しにでもなればいいと言う感じで商っているのだと思います。
お歳(80歳過ぎ)の割にはお元気なのも、お店があるからかも知れません。
顔なじみの島民の他にはなかなか話し相手はいないだろうから、あたしみたいに話し易い人は嬉しいんだろうなと察します。
いいカモがネギを背負って来たとも言います。
この日はサザエをご馳走になったこともあり、おばあちゃんの話に付き合って13時くらいまでお店にいました。
おかげで島の事情には更に詳しくなりましたけど、あまりここでおおっぴらに書けることではないので割愛します。
プライバシーに関わることも多いし。
森本家のことにも詳しくなり3人のお子さんがどこで何をしているのかも把握してます(笑)
あたしはもともとおばあちゃんっ子だったこともあり、母方の祖母が亡くなってから寂しいので、こんな機会は願ったりだったりします。
なので藍島が第二の故郷と言うか、そもそも両親ともに実家はほぼ地元なので、帰省を経験したことがないのです。
そのせいもあってあたしにとっての擬似故郷かも知れません。

朽ちたクルマと猫

いつまでもおばあちゃんと話しているわけにも行かないので、頃合いを見計らって島の反対側にある千畳敷を目指して山を越えました。
その途中の民家の前の駐車スペースに廃車になったクルマが放置されていて、錆マニアのあたしとしては美味しい光景です。

敷地の中に不法侵入するわけには行かないのがもどかしい
もっと近くで撮りたかった
最後はお昼寝に
港からだと千畳敷までは2kmほどあります
片道30分ちょっと
道端の花

島の海抜は最高地点でも25mなので縦断する山道もそれほどは険しくはありませんが、この日は夏の暑さだったので、歩くと汗をかきました。
往きは大丈夫だったのですが、なぜか帰りは蚊にやたら刺されて大変な思いをしました。
一応虫除けスプレーを盛大にかけてみたんですけど、効果がありませんでした。
夏が終わるから蚊も必死なんですかね。
痒くて堪りません。

不気味な葉っぱ

片道30分以上かけて千畳敷に行くのは目的があります。
前回の4月にも撮ったセルフポートレイトのためです。
島で唯一の観光スポットである千畳敷は干潮になると岩場が広くなり、磯遊びするには格好の場所になります。
夏には海水浴客が多く訪れるそうですけど、それ以外の季節の特に平日にここまで来る人はほとんどいないのではないでしょうか。
前回も誰もいませんでした。

千畳敷と蓋井島

この日は満潮と干潮の中間くらいのタイミングでしたけど充分に千畳敷らしい光景です。
気温は確か30度近かったと思います。
風が爽やかなのでそれほど暑さは感じませんでした。
そして水温。
とっても暖かかったです。
温水プールですかってくらいの温度で、なんのためらいもなく海に入れます。
気温と海水の水温は温まるのにタイムラグがあり、先に気温が高まり、遅れて水温なので、9月から10月初めにかけてが年間でもっとも水温が高いのです。
だから8月の海水浴期間って結構水が冷たく感じられませんか?
そんな豆知識はともかくとして。
誰もいないので砂浜の日陰の場所にレジャーシートを敷き、そこをベースにします。
キャミワンピに着替えて波打ち際でポーズを取りセルフ撮影。
水がとっても綺麗です。
程よい波が押し寄せて気持ちよく撮影が進みます。
ただ、あまり夢中になって撮影していると帰りの船に乗り遅れる心配があるので、スマホでアラームをセットしておきました。
おばあちゃんの長話に付き合っていたので、ここでの時間が短くなってしまいました。
それに着替えにも時間がかかるので、あまり場所も変えられなくてワンパターンの写真になってしまったのが残念です。
でも、予定通りに撮影出来たし、想像以上に気持ち良かったです。
当然ですが海水浴場ではないし、まして海水浴シーズンでもないので、シャワーなんてあるわけがありません。
海から出てどうするのかと言うと、水のペットを2本持参しました。
1本はホテルのサービスのペットで、もう1本は森本商店で購入したものです。
1Lの水で身体を洗い流して着替えるのです。
誰もいないから出来ることですけど、それでも突然誰か来たら嫌だなと思いながら、常に周囲に注意は払います。
船の時間があるので観光客は滅多なことでは来ないと思うけど、暇な地元のおっちゃんが来ないとも限らないので、用心するに越したことはないです。

モデルはともかく海の綺麗さに注目を!
写真マジックで綺麗に見えるのではなくて実際に綺麗でした。
帰りの時間の心配さえなければ夕方までここにいたかったです。
長くいるためには民宿に泊まるしかないですね。

濡れてしまうのでセルフの時はお留守番

船の時間が気になってアラームが鳴る前に早めに切り上げて正解でした。
帰り支度に手間取り、思ったよりも出るのが遅くなりました。
水に濡れたキャミワンピを脱ぐのは意外と大変だったのです。
ちなみに海に入る時のための靴も別に持参しました。
軽くてシンプルなスリップオンです。
旅行なので最低限の用意しか出来ませんでしたが、旅先でのセルフ撮影にも慣れて過不足なく準備することが出来るようになったと思います。
なんとか帰り支度も済んで港を目指しました。
前回は結構ギリギリで焦った教訓が活かせたと思います。

海岸に打ち上げられた漂流物
時間にちょっと余裕があるのでトンネルの道に
やっぱり猫まっしぐらに

もう一度森本商店に寄って挨拶してきました。
また来年にでも来ますねって言ったら、もう歳じゃけんわしはおらんかもよと笑ってました。
歳が歳なので笑い事ではありませんがいつまでもお元気でいて欲しいです。
また会えるといいな。
さよなら猫の島、さよなら森本のおばあちゃん!

藍島についてネットをチェックして出て来たこのメディアの記事。
ちょっといろいろと問題がありますね。
訪れる時にはキャットフード持参をお勧めしていますが、地域猫は基本的に地域の方がきちんと猫の世話をしているので、外部の人が安易に餌をやるのはNGのはずです。
食べ過ぎて肥満の元になったり余った餌がゴミになったり、その始末で地元の人が迷惑するからです。
野生動物同様に餌付けはしないのがマナーじゃないですかね。
それにキャットフードをあげなくてもここの猫たちは懐いて来ますよ。
島に2軒の売店があると言うのも間違いだし、品揃えが悪いので予め買って来るのをお勧めするのも如何なものかと。
あたしは少しでも森本商店の売り上げになればと、普段なら絶対に食べないカップ麺も食べますし、ペット飲料もここで買います。
旅先では買い物にしても飲食にしてもなるべく地元の個人商店や地元企業にお金を落としたいと思っています。
この記事を書いたライターさんと編集部の見識を疑います。

*追記
あまりの内容に記事の訂正を求めてメールフォームから編集部に連絡を取りました。
すぐに返信が来るかと思いきや、確か水曜日の夜に送って返って来たのは日曜日の昼間でした。
日曜日に来ると思わなかったので不意を食らいましたが、謝罪と記事を訂正した旨が書かれていました。
なので、現在はキャットフードに関する文言は削除されています。


ちょっと辛口なことを書いてしまいましたが気を取り直して島に別れを告げましょう。


最後にお見送り
小倉に向かう船のデッキから
波しぶきが凄い
真ん中がぼやけているのは多分排気ガス
もうすぐ小倉に到着

小倉の港で郵便局員のFさんにご挨拶しました。
「お疲れ様ですっ」と歯切れよく言うのが口癖のFさん。
Nさんがあたしのことを覚えていてくれたか聞くのを忘れました。
またいつか。

小倉からは下関に向かいました。
駅からはバスで唐戸へ。

唐戸の商店街
通りかかって心臓が止まるかと思いました!!
これは無人ガレージセールと言うか無料ワゴンです
持ってけドロボー
桃太郎の天ぷらうどん

下関市民のソウルフードと言われている桃太郎の天ぷらうどんを閉店1時間前に駆けつけていただきました。
前回は行ける日が定休日だったので1年ぶりです。
とにかくビジュアルのインパクト!
天ぷらうどんと言うことで普通の天ぷらうどんを想像して注文し、出てきたこれを見て激怒する客がたまにいるそうです。
480円とメニューで一番安い時点で察せよと思うし、ここまで予想外なら笑うしかないじゃないですか。
つまらん人生を送っているなと思いますね。
むしろこんなオリジナリティ溢れるものが出てきたら感激しませんか?
あたしは感動しましたよ。
これが食べたくて下関に来たとさえ言いますよ。
桃太郎のうどんを食べずして下関を語るなと言いますよ。
ドンドン!!(テーブルを叩く音、もしくは太鼓の効果音)

ホテルのベランダから海峡を望む

夕飯に桃太郎のうどんをいただいてホテルに戻りました。
あとはお部屋でのんびり。
今までだったら夜は開いているカフェバーなどに行くのですが、今回はひたすらのんびりペースになりました。

夕方の関門海峡
「はい!からっと横丁」の観覧車
乗ろうと思って未だに乗れてません
半月

ホテルのお部屋はシングルながらお風呂とトイレが別だし、ベランダはあるしお部屋もそこそこ広くて快適です。
温泉旅館もいいですけど、どちらかと言うとホテル派かな。
地元にいる時も旅行じゃなくて都内や横浜のホテルに泊まったりします。
そんな程度にはホテルが好き。
一度でいいから長期間のホテル暮らしがしてみたいですね。
この夜は翌日以降のプランの見直しに追われました。
お天気がコロコロ変わるので、それに合わせて臨機応変にプランを変えて行きます。
3日目はいっそのことレンタカーでも借りようかなと思ったのですが、格安の軽がなかったので諦めました。
どうしたのかは次回のお楽しみに。
Пока!!(じゃぁね)

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