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自社の取り組みをPRされてモヤっとした話

MicrosoftのOutlookをはじめとする
メーラーソフト(アプリ)には、
不在時の自動応答機能が付いている。

有給休暇などで不在にするときや、
オフィスが通常の土日祝日以外で
休み
のときなどに、この機能を用いて
社内外の人にお知らせをする。

「○○日に戻るので、その後に折り返し
連絡を入れます」とか、
「急ぎの用事は□□さんに代わりに連絡
して下さい」とか、
急ぎの対応を求めてくる人がいることが
想定される場合
にはこうした代替案まで
入れておくのが親切
だ。

先日、下記のようなメッセージが自動
応答で返って来た。
(実際は英語;内容は若干簡略化)

10月xx日は、我が社の「ウェルビーイングデイ」です。
精神的及び肉体的な健康を保つことの重要性に鑑み、我が社では全世界の従業員がこの日ばかりは仕事から離れ、自分たちの楽しみに没頭し、リラックスした時間を過ごすことにしています。

ウェルビーイングの重要性に対する
認知が世界的に高まっており、
あちらこちらで声高に叫ばれている
ことは百も承知である。

自社が、社員のウェルビーイングの
実現に向けて、真剣に取り組んでいく
ことも、大変に素晴らしいことだ。
それを世の中にPRしていくことも、
決して悪いことだとは言わない。

しかし、先の自動応答で返って来た
メッセージを見たときに、なんだか
モヤっとした
ことは事実。
この違和感は、どこから来たのか
考えてみた。

「ウェルビーイング」というのは、
「Well」と「Being」をつなげた
造語
であることは明らかである。
「よく」「生きること」が直訳となり、
「Benesse」の語源とも重なる。

この言葉を解説してくれているサイトは
数多あるが、人材総合企業の「パーソル」
HR領域のナレッジコミュニティである
「日本の人事部」、そしてもちろん
「Benesse」などのページが上位表示
される。

これらに紹介されている通り、
・肉体的にも
・精神的にも
・社会的にも
良好な状態にあること

というのがシンプルな訳である。

ウェルビーイング万歳!
ウェルビーイングでみんなHappy!

とはいえ、ウェルビーイングに
取り組む自社の制度を、殊更に
アピールされると、羨ましいとも
悔しいとも違う、寂しいというのと
もまた違って何とも表現の難しい、
少し残念な感情を抱いてしまった
のだ。

もし私が、非常に急ぎの用向き
メールを送信し、その自動応答と
して先のメッセージを受け取った
ならば、モヤモヤどころではなく、
きっとムカッと怒りに近い感情
抱いたに違いない。

こちらは一刻を争う事態だという
のに、自分たちの都合ばかり優先
しやがって!!という気持ちに
なる
ように思われるのだ。

いくら世間で流行っていて、
その重要性が喧伝されている概念
であっても、相手の都合を無視して
いると受け取られかねないような
使われ方では、ポジティブな印象を
獲得するのは難しい。

自社PRを考える上での「反面教師」
的な例
として頭に入れておこう。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。