見出し画像

初コンタクトから完成まで約5年かかったピラティスソックス作りについて

Pilatelistです。
フィットネスグッズ、ウェア、マシンをODM、OEM製作アテンドを行っている会社です。

ピラティスインストラクターである代表のあやまるが、日々お客さんに提案をするフィットネスウェア、フィットネスマシン、そしてフィットネスグッズの生産背景を気にしたことから事業が生まれました。


今日は、初コンタクトから完成までに約5年かかった弊社スタジオのピラティスソックスの話についてです。

①ピラティスの時にピラティスソックスがなぜ必要なのか


細かく足のアプローチを行なう流派や、指導の場合はソックス無しでレッスンを行う場合もありますが、弊社スタジオの場合、衛生面・安全面の観点からレッスン時は基本滑り止め付きの五本指ソックス(ピラティスソックス)着用義務です。忘れた場合は購入頂くよう、徹底しております。


衛生面
マシンピラティスの機械は多くのお客さんがレッスン時に使用します。レッスン前後にしっかりとマシンを拭きますが、滑り止めソックスを着用することで、自分の足の汚れや微生物を機械に直接触れさせずに済みます。これにより、機械の清潔さを保ち、他のお客さんへの感染リスクを減らすことができます。


安全面
滑り止めソックスは足裏のグリップ力を高めてくれます。素足だとマシンの上に立った時に滑りやすかったり、また普通のファッションソックスだけでは滑ってしまうこともあります。滑り止めソックスを履くことで安定感が増し、怪我や転倒のリスクを低減することができます。


以上のことから、滑り止めソックスは、自分自身の健康を守りながら衛生的かつ安全にマシンピラティスを楽しむために必要なアイテムなのです。


②なぜ作ろうと思ったのか

私が作ろうと思った理由は3つあります。

1: 既に日本で販売されているアメリカブランドのピラティスソックスが高すぎると感じたから
インストラクターはほぼ毎日履いているので問題ないのですが、弊社スタジオの場合だと多い方で月に4回、少ない方で月に1回プライベートマシンピラティスにいらっしゃいます。このピラティスのために約3500円の靴下を必須にするのは、お客さんによっては負担をかけてしまうかもしれないと思ったから。

2: 中国の知り合いのスタジオが作っていたから
知り合いの中国のスタジオ(当時、上海で200店舗運営w)が作っていて、スタジオの清潔さを保つ上でいいなと思ったから。


3: 必ずお客さんが着用しなければならないアイテムだから
必ず着用をしなければならないアイテムなので、忘れた場合や経年劣化のタイミングで必ずお客さんが買って下さるなと思ったから。


③2019年靴下工場へ初コンタクト

2019年はじめ、春にPilates Room Tokyoをオープンする予定だったので、オープンに合わせてどうしてもオリジナルソックスが作りたく、知り合いの中国のピラティススタジオ(当時上海で20店舗くらいあった)に紹介された工場をはじめ、いくつかの中国の靴下工場に連絡をしました。

中国に靴下工場はたくさんあることは知っていたので、当時は数打ち当たるでどこかで作れるだろうと考えていました。
しかし現実問題、全然思うようにはいきませんでした。

まず第一にファッション靴下工場(例えばリブソックス工場など)では、編み機が異なるので五本指は作れないということ。次に、五本指ソックス工場でも裏に滑り留め加工が出来る設備が揃っていないと作れないということ。
この時に、五本指滑り止めソックスを作るにはかなりハードルが高いという現実を知りました。

また当時は、今みたいなPilatelist業も(2020年から開始)、オリジナルグッズ作りの経験もない外国人の新参者だったということもあり、工場から提示された数が
『最小ロット2000足(ワンサイズ・ワンカラー・ワンデザイン)』
…という途方もない数でした(😭

今からスタジオをオープンするのに、流石にこの数は無理だし高すぎるし撃沈しました。


④スタジオオープン

2019年に弊社スタジオ Pilates Room Tokyo がオープンしました。

弊社スタジオ


結局靴下は、『最小ロット2000足(ワンサイズ・ワンカラー・ワンデザイン)』と言われた工場が作った滑り止め部分は無地の靴下を50足くらい購入し、そちらをスタジオの靴下として使用しました。
初回レッスン時にはお渡しをし、忘れた方には、購入して頂きました。

⑤コロナ禍で始めたPilatelist

2020年に入り、世はコロナ時代突入!
スタジオの来店数も減ってきた時に、指導代だけではスタジオが継続できないと思い、Pilates Room Tokyoのネームを縫い込んだ靴下の販売をはじめました。

かかと部分にネーム縫込み
2020年販売したオリジナルピラティスソックス第1弾

第1弾で作った靴下は、簡易OEMというパターンで製作を行いました。靴下工場からあり物の靴下を仕入れ、弊社の縫製工場でかかと部分にネーム屋で作ったスタジオネームを縫込み、紙札を付けるパターンで行いました。

初めは、自社スタジオだけ行うつもりが2020年冬頃からは、知り合いのピラティススタジオさん、インスタにしっかり載せたら知らないスタジオさんからも注文が入り、それがビジネスとなりPilatelistを始めるきっかけとなりました。ありがとうございます!✨


⑥コロナ禍工場からの提案


2021年春頃
こんなに靴下発注してくれたから、最小ロット1000足・1カラー・1サイズで承りますよと言われました。
2000足から半分になったものの、多すぎるので交渉不成立しました。

2022年春頃
こんなに靴下発注してくれたから、最小ロット800足・1カラー・1サイズで承りますよと言われました。
とはいえまだまだ多すぎるので交渉不成立しました。

だけどこの時、今年めちゃくちゃ頑張ったら来年今年より少ない数で提案して貰えるかもしれないと思い靴下の営業を頑張りました。

2023年11月
こんなに靴下発注してくれたから、最小ロット500足・1カラー・1サイズで承りますよと言われました。
この時既に4年は取り引きをしていたので、実際に工場に行けばもしかしたらもう少し少ない量?いい条件でで交渉出来るかもと思い、翌月に工場に伺いました。

⑦2023年初の工場見学

12月というのに伺った日が、このエリアにとってはかなり珍しい最高気温27℃という夏日でした。基本東京と同じ、もしくは少し寒いエリアなので、私はTシャツを持ち合わせておらず、趣味で現地購入したTシャツ『餃子の包み方』を着て伺うこととなりました。

日本に居たら初訪問の場合はジャケット着用義務みたいなところあるけど、中国の工場(恐らく業種による)はこういうところ緩くて助かりました(😂

餃子の包み方Tシャツ


最寄り駅から車で約1時間(後半20分は砂利道w)の遠いところにあり、何度も地図を確認しながら工場へ向かいました。

到着したら目の前には青空市場や鶏小屋が広がり、本当にここなんか?と目を疑いました(😂
すると20mくらい歩いた場所に大きな建物があり、そちらで手を大きく振る青年がいました。

工場の近くの鶏小屋

青年は工場のスタッフで、まずは社長室に通されました。
社長室には、今までこちらの工場が作ったことのある・現在進行して付き合っている靴下ブランドの靴下が並べられていました。(写真は自粛)

社長室でのお茶タイムを終えて、まずは足裏のゴム印字加工スペースに行きました。
すると、この工場の会長(!)が、シルクスクリーン方式で足裏に印字をしていました。

シルクスクリーンで足裏印字中

時は令和!
靴下の滑り止めをまさかシルクスクリーン方式で刷っているとは思いませんでした。

印字後は、ベルトコンベアに乗ってゴム部分を乾かします。出来たてほやほやの靴下は、熱々でした。

ベルトコンベアで乾燥中

足裏印字を見た後は、靴下の縫製。
編み機の前には200人位のスタッフが居て、靴下を編んでいました。

つま先部分を編み中
全体を編み中


⑧製作に関しての打ち合わせ・サイン

工場見学を一通り終え、社長室に再び戻って制作数の直談判。条件付きで数の交渉が出来ました。

制作数の交渉の次は、製作の仕様確認を行いました。

・滑り止めのゴムは何色がいいのか
・滑り止め部分のデザインはどうするか
・靴下の形はどういう形・色がいいのか
・刺繍は必要なのか
・パイピングの色の確認
・パッケージはどうするか など・・・。

弊社スタジオの滑り止めデザイン


仕様確認後は、製品製作の契約書のサイン業務です。契約書関連の中国語は60%くらいしか分からないので、都度中国語の先生に写真を送りながら確認をしました。日本みたいに印鑑は不要で、ペン1本とお金さえ準備していれば作れるので逆に慎重に行いました。

最後、サインをしている時、今までのやり取りや色んなことを思い出し手が震えました。

書類にサインが終わり、支払いを終えたら工場の社長から夜ご飯みんなで一緒に行くか?と言われ、このエリアで有名な牛肉火鍋のお店に連れて行って頂きました。

牛肉火鍋屋に行く道中の車中で寡黙な社長が
社長『Aya!餃子が好きだろうに火鍋でごめんな』

私『え?Tシャツ気づいてたの?w』

社長『最初から気付いているよw 本当に日本人なんか?w 中国人みたいなセンスしてるな!w ハハハ!』

後々、工場のスタッフ曰く寡黙な社長が仕事以外の話をするのが珍しかったらしいです。
餃子Tシャツを着て行って良かったですww


⑨完成

無事に弊社の検品工場も通し終え、弊社スタジオに到着🙌
サンプル、検品段階から写真で見ていたとはいえ、実物を手にした瞬間かなりテンションが上がりました。

かかと部分は靴下と同色の刺繍入り
滑り止め部分にはPilates Room Tokyo

石の上にも三年と言うけど、五年もかかってしまった分、喜びもひと塩。
余計に嬉しかったです。

また、スタジオの長く通って下さっているお客さんからも『スタジオのソックスが進化して、自分の事のように嬉しい』と言って頂きました✨️


⑩完成して思ったこと

5年前は、物販・仕入れ未経験者だったけど、少ない数でも細く長く購入し続けて、工場と信頼関係を築けたことで良い条件で取引が出来るようになって良かったです😊

弊社にお打ち合わせにいらっしゃる方の85%が
『物販やったことない』
『仕入れやったことない』  
インストラクター・インフルエンサーです。

みんな初めは初心者です。
やったことない、分からないを持ち越しちゃうとずっと初心者のまま。

筋トレやダイエットのように、日々試行錯誤コツコツ頑張っていきましょう!

最後まで読んでくださりありがとうございました!
シェイシェイ🐼🙏🏻❤️

↓↓↓お問い合わせはこちらから✉️↓↓↓
▶名入りヨガマット 10枚~
▶名入りヨガレギンス 30枚~
▶アパレルODMメンズ・レディース 30枚~(仕様次第)
HP記載以外の商品も多数揃えています!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?