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小学生の自分にバカにされた話


あるレポートを書いていたときのことである。

「この病気の原因は…」とタイピングしたところでふと手が止まった。「原因」が正しく変換されないのである。

パソコンの変換ミス自体は別に珍しくもなんともない。
専門用語のアクロバティックな変換はしょっちゅうだし、世の中には「漢字変換ミス年間大賞」なんてものもあるくらいだ(個人的には「恋人たちの季節」→「恋人立ち退き説」が好き)。


しかし私が変換したい言葉は「原因」である。
変換できない理由がまるで想像つかない。

ローマ字打ち間違いしてないよな…g,e…うん、間違えてない。ちゃんと原因って打ってる。んあっ、また違うのになったんだけど。なんでくじら…?

3秒停止。



あっ…「原因」って「げんいん」か…



もうお分かりいただけたと思う。
私は「げいいん」→「鯨飲」のくだりを3回も繰り返し、はてなとくじらを頭の中に飛び散らかしていたわけだ。


「鯨飲ってなに?!」と騒いでいた自分に「げいいんだよ!」と言ってやりたい。


間違いに気づいた瞬間、私は小学校の国語の授業を思い出していた。「王様」は「おうさま」、「氷」は「こおり」、「全員」は「ぜんいん」…
国語のテストは得意だったのに、この年になってつまずくとは。


げいいん【鯨飲】
 《名》(スル) 鯨が水を飲むように、酒を一時にたくさん飲むこと。牛飲。
 「こんなにがぶがぶ―されるとは思っていなかった」
⇒ ―ばしょく【鯨飲馬食】

参考文献:デジタル大辞泉 小学館

※悔しかったので調べた。


ちなみに「急性膵炎」についてのレポートだったので、「鯨飲は急性膵炎の原因となりうる」という一文が書ける、と運命を感じた。


小学生の自分にバカにされつつも、一人PCの前で盛り上がれる今の自分そんなに悪くないなあ。そう思った今日の昼下がりの出来事だった。



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