見出し画像

どんでん返し創作法「3匹のモンスターその2」狼男編 D⑩

どんでん返しを作るための「3匹のモンスター」理論。次は、主人公の内側に潜む恐怖『狼男』タイプを解説します。

狼男とは?

ブンコ「狼男は『内側に潜む恐怖』だよねー。でも、誰の内側?」

ぴこ蔵「主人公(エピソードの主役)の内側じゃ。多重人格や催眠、憑依霊、宇宙人のテレパシー、そして、主人公が組織の場合は『裏切り者』ということもある」

ブンコ「主人公と肉体を共有するくせに人格は別で、主人公が知らない間に主人公の体を使って悪いことをするんだよねー」

ぴこ蔵「はたから見れば『変身』するわけじゃ。満月を見ると狼にな」

★内部に潜む恐怖(狼男)
※主人公の中に潜んでいて、主人公のコントロールが及ばない。

普段は善良な人間の内側におとなしく隠れていますが、満月になると体中に剛毛を生やした残虐なモンスターに変身します。主人公の内部にいて、しかも主人公の意志では制御不能なこの怪物は人間が自分自身に対して抱く恐怖を実体化したものだと言えます。

類型:
このタイプの敵の正体は、主人公自身です。主人公と肉体を共有する存在と言ってもいいでしょう。精神的には全く別人格です。自分勝手な動機に従って行動し、主人公の生活はそのカムフラージュに過ぎません。ただし、主人公はそのことを知りません。

●サイコ、その他の精神的な錯乱状態。
●寄生虫、憑依、などの他人格による乗っ取り。
●催眠術、薬物等による他者からのコントロール。

つまり、「自分の中のもうひとりの人格」です。

これを『組織』にあてはめると、さらに広がります。主人公がある組織で、その組織を代表する登場人物が「本当の敵」の場合です。

●組織の中の裏切り者による詐欺行為。

ということになります。犯人の意外性を追及したい方にはオススメのキャラクタ―ですねえ。

この「組織の中の狼男」という設定を使った作品には『シャドー81』という不滅の名作があります。どんでん返しのところで私は本を取り落としました。

役割:
本当の敵が主人公だった場合、最後に自殺することがよくあります。「敵を倒す」ために主人公が自分の肉体を滅ぼすのです。このタイプはそういう悲劇性を含んでいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?