青春の思い出 漫画ドカベン

 徳島新聞(2022年1月26日)「読者の手紙」に私の拙文が掲載されました。読んでいただければ幸いです。


 野球漫画の第一人者である水島新司さんが亡くなりました。彼の漫画の中で一番好きなのは「ドカベン」です。タイトルは、主人公の山田太郎が、ドカッと大きな弁当箱を持っていたことに由来します。野球選手らしくないずんぐりした体形。ポジションもキャッチャーで、最初は地味なキャラクターだと思いました。
 今までの漫画のスマートな主人公像とはかけ離れたものです。しかし、連載が進むにつれて豪快なバッティング、キャッチャー目線からの配球の妙に心奪われました。そして何よりも気は優しくて力持ちということで人気を博し、魅力的なキャラクターとなりました。
 ほかにも個性的な登場人物が多く心躍らせました。ど真ん中の直球は打てないが、とんでもないボール球をホームランにしてしまう岩鬼くん。クラッシック音楽のリズムをバッティングに応用した奇想天外な打法の天才ピアニスト殿馬くん。新たな野球の楽しみ方に、ワクワクしたものです。
 「ドカベン」の単行本を手にとると青春時代が鮮やかによみがえります。野球をこよなく愛した水島先生。空の上で、自分の生み出したキャラクターと思う存分に野球を楽しんでいることでしょう。ご冥福をお祈りいたします。

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